2017年11月14日

完全手作りの手延べ麺の村、浙江省浦江潘周家村

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 中国では本当に色々な麺類が楽しめます。
 何と言っても村々の伝統としてその技術が伝わっていて、今でも麺を作って生計を立てている農民達がいる地域が沢山残っています。麺好きの私にとっては、もういてもたってもいられません。

 今回訪れたのは、上海から300キロぐらいの道のりで、高速道路と山道を走ること4時間弱、浙江省の山間部に位置する潘周家村です。実は、夏にも訪れているのですが、その時は麺を干す時期に達しておらず、11月が麺作りの最盛期と聞き、再訪しました。

この日は天気が崩れるということだったので、なるべく早く現地に着かないと、雨では麺は干せません。朝まだ暗い6時頃に上海を出発し、外環状からG60高速道路を乗り継ぎ、杭州を経由して潘周家村に到着したのは10時過ぎ。

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 村近くに到着すると、早速農家の庭先で麺を干す風景が見られました。

 潘周家村は、実は潘家村と周家村の2つの村があり、それぞれ周と潘の名字の人たちが住んでいたのですが、今では一緒になってしまいました。人口1,600人、約500世帯程度ですので、中国では規模の小さな村に属するでしょう。

 この村の麺は非常に長いのが特徴で、そのままでは湯がくのも大変なので、私はまずは剪刀で切ってから湯がくようにしています。ただ、中国人にとっては、長い麺は縁起物なので、主に春節の頃に長寿を願って食べることが多いです。その頃になると、この村の麺も飛ぶように売れるのだそうです。

 発酵させた小麦を伸ばして麺にするのにはなかなかの技術がいるようで、あまり上手ではない人では、干す段階で途中で切れてしまうそうです。まだ暗い、夜明け前から生地を仕込み、明け方から麺を干し、お昼前ぐらいまでに取り込むという作業を繰り返します。山間部の農民達にとっては貴重な現金収入なので、皆さん積極的に麺作りをしていました。

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 もちろん、発酵させた生地は、蜷局状に保存され(索餅)、食べる前に伸ばすこともあります。私が宿泊した農家楽(農家民宿)では、豚骨スープと卵に青梗菜を組み合わせて、見事な湯麺を食べさせてくれました。骨付き豚肉が旨みを出して非常に美味しい。また、こうやって作られた麺はうどんのような歯ごたえがあり、スープに入れても伸びにくいのが特徴です。麺自体に若干塩気がありますが、日本のうどんほど塩辛くはありません。

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 一方で、麺を干すときに、竹の棒にくっついた尖端部分は、「麺頭」といって、あまり商品価値のないものとして扱われています。地元では、圧力鍋で湯がき、青梗菜とあわせて朝食の材料として使っていましたが、私は真っ先にマカロニを連想してしまいました。案の定、チーズとミートソースをかけてオーブンにいれると、マカロニより歯ごたえの良いグラタンができました。地元の農民達はまず思いつかないと思います。

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 秋真っ盛りのこの季節、村の畑では紅大根や青梗菜、白菜が青々と育っています。こうした野菜も麺と組み合わせると非常に美味しく頂けます。

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 このあたりでは、今では稲作が行われていますが、かつては麦が植えられていて、その影響で麺食が今に伝わっているのだそうです。中国各地に様々な手延べ麺がありますが、浙江省潘周家村の麺は、気候風土にあった特徴ある麺だと思います。

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posted by 藤田 康介 at 00:00| Comment(0) | 中国で食べる

2017年09月06日

上海のタクシーに乗るときは運転手に注意を!飲酒運転も

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(タクシーのハードは良くなったが、運転しているのはやっぱり人間。)

 上海生活で、日本人でもお馴染みのタクシー。確かに、地下鉄や路線バスが整備され、しかもシェア自転車が普及してタクシーに乗る回数は減りましたが、まだまだ利用することも多いでしょう。

 しかし、少し気になるニュースです。

 2017年8月末に、今年上半期で上海市の警察が、バス・タクシー・トラックなど運輸用事業車両の事故事故状況を発表しました。このなかには、悪名高いダンプカーや、スクールバスなども含みます。

 それによると、これら運転のプロであろう人たちが運転するクルマが関わる総事故件数は117件で73人が死亡しています。

 このうち、タクシーで発生した事故は45件で、24人が死亡し、31人が負傷。なんと、トラックやバスよりも死亡者が多く、トップになっています。事故の原因には、速度違反のほか、飲酒運転や信号無視などちょっと考えられない理由が並んでいます。タクシー運転手の飲酒運転は厄介です。

 タクシー運転手そのものに関しては、前々から色々問題になっています。昼間だと居眠り運転が心配だし、運転が荒い運転手も非常に多い。少しでも稼ぎを出すために無謀な運転をし、不快な思いをした人は多いことでしょう。目の前で客を乗せていたタクシーが、電信柱に突っ込む事故を目撃したことがあります。とにかく無茶なんです。

 一方で、路線バスによる事故は41件で、23人死亡、35人が負傷しています。速度違反のほか、免許証不携帯や操作ミスなどもありました。とくに、上海巴士第一公共交通有限公司と上海巴士第四公共交通有限公司は、2016年以降違法件数では多い会社として指摘されています。

 長距離バスに関しては、事故件数9件で、死亡者7人、5人負傷と比較的少なかったようです。長距離バスは年々規制が厳しくなっていますからね。

 ただ、恐ろしいのはダンプカー。18件の事故のうち死亡事故は16件あり、18人が死亡し、5人が負傷しています。ダンプカーが絡む事故は、本当に命取り。ダンプカーには絶対に近寄らないようにしたいところです。

  私自身は、タクシーはなるべく乗らず、もし乗るときも流しには乗りません。スマホで呼ぶようにしています。ただ、上海市内は便利になり、地下鉄+シェア自転車で十分です。そして遠出をするときは自分で運転するようにしています。そもそも、上海で運転免許をとるために教習所に通ったきっかけは、上海のタクシーの運転があまりにも怖かったから。

 上海に20年以上暮らしていると、日本人で交通事故に遭って無くなるというケースはよく耳にしました。特に、空港へ行く高速道路は要注意です。タクシー事故で日本人で子どもを含めた家族が亡くなったということもありました。信頼できる運転手を探しておくのも一つの対策だと思います。そして、危ないと思ったら降りること。

 いずれにしろ、上海ではタクシーは安全と体の運動のためにもなるべく乗らないことが正解だと思います。
 ま、日本ではそう頻繁に乗りませんしね。バス+地下鉄+シェア自転車で十分です。

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posted by 藤田 康介 at 18:56| Comment(0) | ここは上海なり

2017年08月23日

奈良県東吉野村で体験した古民家泊の魅力〜逢桜(ほうおう)〜

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 今、中国沿海部の長江デルタエリアでは「農家楽」がブームになっています。農家や使われなくなった古民家を再利用し、都会からきた人たちに泊まってもらう仕組みで、私も中国ではよく利用します。魅力はなんといっても地元の人々の日常に溶け込めることができるのと、ホンモノの地元の食。中国では地方政府も農家楽に対して財政面や法規制面で協力しています。で、私も日本国内を旅するときも、できるだけ旅館や民宿など個性が強い宿泊施設を利用するようにしています。もちろん、当たり外れもありますが・・・、結果的に、これが毎回旅に楽しさを添えてくれますし、旅することで過疎化の進む地元活性化に一役買えるのではないかと勝手に思っています。

 前置きはさておき、今回高見山登山の帰りに東吉野村で宿泊した「ゲストヴィラ逢桜」は、まさに日本のおもてなしを凝縮したような、肩肘の貼らない奈良の古民家泊の魅力が詰まっていました。
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 材木の街だった東吉野村にふさわしく、なんと3,000坪の広大な敷地に、明治初期に建てられた築145年の母屋を中心に、戦後の建築、先代の世界旅行からのヒントで生まれたスイス風の洋館、そして広大な日本庭園の絶景と茶室とまさにフルセット。ここ東吉野村にはとんでもない豪商がいたんだということを実感させられる邸宅に宿泊できるのです。しかも、1日2組限定という贅沢さ。

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 とても広いお部屋で、しかもお値段が比較的お手頃で、道理で中国など海外からもお客さんが来られるわけです。あとで聞いたら、なんと私の上海人の友人も、さりげなく宿泊していて驚きました。1日2組限定ですが、部屋は川側と庭園側と選べます。私たちは、日本庭園をじっくりと楽しみたかったので、母屋となる庭園側にしました。

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 また、さらにすごいのは温泉が出ているというところ。厳密には源泉の温度が低いので温泉の定義には当てはまりませんが、ご自身で高濃度の炭酸ガス彷彿間欠泉を掘り当てられたそうです。現在のご主人の代で作られたという木の香りがする浴室が魅力的で、眼下には川があり、川の音を楽しみながら貸しきりのお風呂を楽しめます。

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 夜は、奈良県人でもなかなか食べられない地元和牛のすき焼きをいただきました。
 脂っぽくなく、それでいて柔らかい、とても美味しい牛肉でした。

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 私個人的には、懐石料理や創作料理よりも、一般的なメニューのなかで、他との違いを出してくれる食材の食べ方が好きで、今回のすき焼きも美味しかったです。
 中国の地方の田舎料理なんかはとくにそうですが、調理方法はシンプルでも、素材の種類の豊かさで食を楽しませてくれる方が嬉しく感じます。

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 そして、夜は今時かなり珍しい蚊帳の中で寝ました。庭園の水も沢の水を引っ張ってきていますから、そもそも蚊がほとんどいません。網戸も窓も開けっぱなしで、開放感抜群で眠りに入りました。網戸の隙間を気にするよりも、人が蚊帳のなかに入ってしまったほうが楽ちんでいいですよね。

 奈良の茶がゆでの朝食のあとは、茶室で御抹茶をいただきました。

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 うちの娘は、抹茶が大好きで、実は密かにこれをかなり楽しみにしていました。立礼(りゅうれい)式でご主人が直々にお手前して下さいましたが、なんとテーブルが法隆寺の門のだったとか。本格的な茶室で、床柱には独特な形のナンテンの木が使われていました。

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 古民家からはじまり、温泉、郷土の味、そしてお茶席まで。一つ一つがご主人自らがおもてなししてくださり、楽しくかつアットホームな1晩を過ごすことができました。ご主人との会話がとても楽しかったです。

 この宿のご主人も仰っていましたが、今、中国を中心にアジアの富裕層はインターネットで観光地や宿の情報をみつけてやってきます。私もそうですが、CTRIPなど中国の大手旅行サイトは非常に充実していて、日本の旅館や民宿もそうしたサイトとの連係はとても大切だと思います。
 日本でも僻地に行けば行くほど、いま外国人の若者に人気の「秘境」の価値観が高まるわけです。さらに、そういうとことにわざわざ行くような中国の人たちですから、日本文化への理解も深く、マナーなどもしっかりとしていて、むしろ日本人よりもちゃんとしているかもしれないよ、とも言われました。今やそういう時代になってきているのです。

 この東吉野村ですが、大阪へ出るのにクルマでたった1時間ちょっとという距離なのに、かつて人口1万人近くいた村民は、いまやたった1600人。これでは流石に村内の経済を回していくのが大変でしょうし、日本の人口減少の現実を思い知らされました。

【データ】
HP:GUEST VILLA 逢桜
住所:奈良県吉野郡東吉野村小川876

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posted by 藤田 康介 at 00:00| Comment(0) | 日本の温泉