
最近、旅のついでに中国各地のお寺をお参りすることが多いのですが、上海地元で、私が96年から毎年お参りしているお寺が竜華寺です。今では地下鉄12号線と11号線の竜華駅が開通し、アクセスも良くなりました。

この竜華寺の大晦日では、毎年除夜の鐘イベントが行われています。私も上海市徐匯区の観光事業を管轄する旅遊局から声がかかり、ここ数年は日本人の一人としてイベントに招待して頂きました。会場には上海市の副市長も挨拶され、なかなかオフィシャルなイベントのなっています。

竜華寺の鐘つきは人気のイベントだけに、入り口はセキュリティーも厳しいのですが、中に入ると踊りなどで色々と盛り上がっていて、日本とはまた違った年の瀬を感じられます。一般の人も入場可能で、入り口でチケットを買うこともできます。

中国では春節が年越しで一番盛り上がるのですが、お寺関係では除夜の鐘のイベントを行うところも多く、蘇州の寒山寺でも同様のイベントが毎年行われています。
大晦日の拝観は、一年のうちでも数少ない夜の竜華寺を見られるチャンスでもあります。
明るいときよりも、むしろこのライトアップされた仏様が荘厳で、私的には好みです。

また、鐘つきが始まる前、今年の京都の清水寺の「災」ように今年の漢字が発表されます。
同時に、その漢字を使った四字熟語も発表され、印刷されたポスターは、時に部屋や玄関に貼り付ける人も多いです。
今年は猪(zhu)なので、诸(zhu)とかけ「诸事圆成」。 「圆成」とは仏教用語で、円満に成就しますようにと言う意味らしい。 我が家でも早速、玄関に貼り付けました。
そして、最後は恒例の年越麺をいただきます。麺は中国でも縁起物ですからね。とはいえ上海ではあまり蕎麦は食べません。

竜華寺の麺は、肉や魚を一切使わない「素麺」でこれがなかなか美味しい。
大晦日だけでなく、平時でもお寺内の食堂にありますので、ぜひ一度食べてみる価値はあると思います。

私は食べる時に麺に黒酢を少し入れるのが好きなのですが、もちろん、そのままで頂いても美味しいです。唐辛子をいれてピリ辛にする人もいます。ただ、肉・魚類がなくても、十分に美味しいスープが出ています。
大晦日の夜、お寺では別棟の食堂も開放して麺を提供していますが、それでも参拝者で一杯になるぐらいの人気です。
竜華寺の参拝客を見ていると、仏教を信仰している上海人が非常に多いことに気がつきます。皆さん、しっかりと列を作って参拝し、また除夜の鐘の行列も長かったですが、とても整然としていました。
この竜華寺を訪れると、近未来都市に急変貌している上海のなかで、ふと人々の信仰のより所を感じることができる秘密スポットを見つけた感じになり、なにかホッとした気分になります。いつの時代も、人間にとっては信仰が大切なんだと思いますね。
ちなみに、最後までいると地下鉄の終電を逃してしまうので注意を。奈良や京都みたいに大晦日の交通の便はよくありません。マイカーの場合は、近くの「正大楽城」の地下駐車場が便利かも。ここからお寺まで歩いて1.5キロほどですが、間違いなく駐車スペースがあります。
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