2005年07月31日

映画「クイール」が上海で、いや中国で静かなブーム

あいかわらず暑い日が続く上海。自宅にいるときは、いつも何時までエアコンなしで仕事を粘れるか、がんばるのですが、最近は11:00頃にはギブアップ。早いときは10:00頃にはスイッチオン。パソコンや液晶デイスプレが熱を発しているので、書斎は普通の部屋より暑いんだ、と理由を勝手につけては、リモコンに手が伸びてしまいます。

 いま暦の上では三伏天といって、一年のうちで最も暑い時期になります。2005年の今年は、7月15日が初伏、7月25日が中伏、8月14日が末伏になります。中医学的には、体内の陽気が最も盛んなときなので、裏返すと冬場に陽気が不足して起こる疾患に対しては、いまこの時期に治療してあげることが非常に望ましいのです。たとえば、冬場の喘息、虚寒性の胃痛、アレルギー性鼻炎などがそうです。そういえば、日本でもちょうどこのころが土用の丑になりますが、暑さをどう防ぐかという文化は古今東西同じなのです。
 よって、いまこの時期は中国の中医病院の鍼灸科の医師は大忙し。ちょいと大学時代の友達に電話しても、いつもは暇そうにしているくせに、今は患者の対応で手が足りないと悲鳴をあげていました。

 さてさて、映画を見てきました。久々の日本映画です。決して『亡国のイージス』のような最新作ではないのですが、実はこの映画がいま上海でちょっとした人気になっています。
 そのタイトルは、「クイール」、2004年に発表された盲導犬のお話です。中国語では「導盲犬、小Q」と翻訳されています。
 私は徐家匯の港匯広場の上にある映画館で見たのですが、入場料が50元と決して安くない値段なのに、席はほぼ埋まっていました。
 私が見たのは中国語吹き替え版。現地のマスコミでは、感動の作品として紹介されています。確かに、周りを見回しても大きな笑い声とともに、涙している女性の姿もチラホラ。盲導犬という存在は中国人にとっては非常に珍しいものにもかかわらず、上海人の間では、折からのペットブームもあり、きっと新たな感触があったのに違いないでしょう。
 私は私で、映画に登場する京都や関空など関西の風景を見ながら、久しく日本に帰っていないので懐かしく感じました。

 この上海にも多くの盲人の方がおられます。私もバス停で幾度となく遭遇したことがあります。アナウンスもないバスにどうやって乗っておられるのか、すごく不思議だったのですが、到着するバスごとに運転手に行き先を聞きながら、自分の乗るバスを探しておられました。
 実際、この上海でさえインフラがまだ十分に整っていないため、自由に外出できず多くの障害者は家に引き篭もりがちであるという話を聞きました。  

 この映画、上海だけでなく、中国各地で上映されています。日中間系がギクシャクしている中、こういった映画には、国境の壁はありません。ストーリーも大事ですが、映画の中では日本人の日常の生活が生き生きと描かれています。我々日本人も中国人のことをよく知りませんが、それ以上に中国人は日本人の生の姿を知りません。こういった映画は、観光用のテレビCMよりも、ずっと心に訴えるものがあると強く感じました。中国人は映画が大好きです。たとえば、高倉健なども中国でも多くの人が知っている大スターなのです。
posted by 藤田 康介 at 04:09| Comment(0) | ここは上海なり

映画「クイール」が上海で、いや中国で静かなブーム

 あいかわらず暑い日が続く上海。自宅にいるときは、いつも何時までエアコンなしで仕事を粘れるか、がんばるのですが、最近は11:00頃にはギブアップ。早いときは10:00頃にはスイッチオン。パソコンや液晶デイスプレが熱を発しているので、書斎は普通の部屋より暑いんだ、と理由を勝手につけては、リモコンに手が伸びてしまいます。

 いま暦の上では三伏天といって、一年のうちで最も暑い時期になります。2005年の今年は、7月15日が初伏、7月25日が中伏、8月14日が末伏になります。中医学的には、体内の陽気が最も盛んなときなので、裏返すと冬場に陽気が不足して起こる疾患に対しては、いまこの時期に治療してあげることが非常に望ましいのです。たとえば、冬場の喘息、虚寒性の胃痛、アレルギー性鼻炎などがそうです。そういえば、日本でもちょうどこのころが土用の丑になりますが、暑さをどう防ぐかという文化は古今東西同じなのです。
 よって、いまこの時期は中国の中医病院の鍼灸科の医師は大忙し。ちょいと大学時代の友達に電話しても、いつもは暇そうにしているくせに、今は患者の対応で手が足りないと悲鳴をあげていました。

地下鉄2号線上海科技館駅前のプロムナード


 さてさて、映画を見てきました。久々の日本映画です。決して『亡国のイージス』のような最新作ではないのですが、実はこの映画がいま上海でちょっとした人気になっています。
 そのタイトルは、「クイール」、2004年に発表された盲導犬のお話です。中国語では「導盲犬、小Q」と翻訳されています。
 私は徐家匯の港匯広場の上にある映画館で見たのですが、入場料が50元と決して安くない値段なのに、席はほぼ埋まっていました。
 私が見たのは中国語吹き替え版。現地のマスコミでは、感動の作品として紹介されています。確かに、周りを見回しても大きな笑い声とともに、涙している女性の姿もチラホラ。盲導犬という存在は中国人にとっては非常に珍しいものにもかかわらず、上海人の間では、折からのペットブームもあり、きっと新たな感触があったのに違いないでしょう。
 私は私で、映画に登場する京都や関空など関西の風景を見ながら、久しく日本に帰っていないので懐かしく感じました。

 この上海にも多くの盲人の方がおられます。私もバス停で幾度となく遭遇したことがあります。アナウンスもないバスにどうやって乗っておられるのか、すごく不思議だったのですが、到着するバスごとに運転手に行き先を聞きながら、自分の乗るバスを探しておられました。
 実際、この上海でさえインフラがまだ十分に整っていないため、自由に外出できず多くの障害者は家に引き篭もりがちであるという話を聞きました。  

上海各地の映画館で上映中です


 この映画、上海だけでなく、中国各地で上映されています。日中間系がギクシャクしている中、こういった映画には、国境の壁はありません。ストーリーも大事ですが、映画の中では日本人の日常の生活が生き生きと描かれています。我々日本人も中国人のことをよく知りませんが、それ以上に中国人は日本人の生の姿を知りません。こういった映画は、観光用のテレビCMよりも、ずっと心に訴えるものがあると強く感じました。中国人は映画が大好きです。たとえば、高倉健なども中国でも多くの人が知っている大スターなのです。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

2005年07月30日

IP電話の設置、やっと産権証が手元に

今日の朝はせみの鳴き声でお目覚め。上海のセミはとにかく音がでかい。日本のクマゼミクラスの音は十分にあります。それが、我が家のベランダに止まり、早朝から、
「ジャージャージャー」

 一瞬、エアコンの室外機の故障かと思いましたが、エアコンもつけていないし、やはりセミの鳴き声でした。そういえば、上海でセミの鳴き声はよく聞きますが、その正体を見たのは実は初めて。じっくっりと観察させていただきます。

  さてさて、日ごろはパソコンで間に合っていて、国際電話はめったにかけることなく、自宅の電話も国際電話はかけられないようにしてあったのですが、中国電信がIP電話を自宅の電話からIPカードを使わずに直接かけられるサービスを始めたと聞き、早速設置してもらいました。
 電話機の後ろに、写真のような小さな機器を取り付ければOKで、国際電話をかけるときは、たとえば日本なら0081からダイヤルすれば電話ができます。料金は標準料金が1分間3.6元で、プリペイド式にすると、額によってさらに値引きされます。私はちなみに500元チャージし、100元のおまけがついてきました。さっそく日本の実家へ電話。音質はなかなかクリアで、気になるタイムラグもほとんどなく、とりあえず満足。トラブルの多いMSNやSkypeが使えないときの非常手段として重宝しそうです。またこれでIP電話カードの長い長いカード番号とパスワードを打つ必要がなくなりました。

 午後は浦東新区の房地産交易中心へ。実は、電話で問い合わせたら我が家のマンションの「産権証」の手続きが完了したそうで、さっそく取りにいってきました。「産権証」とはいわゆる権利書のこと。
 中国では土日でも多くの銀行や郵便局が通常通り業務していますが、房地産交易中心といった機関も休まないのはありがたいです。
 ちょうど8月1日以降からも過去に未払い分の不動産契約税(契税)に新税率が適用され、総じて2倍にアップするため、この日も結構な賑わいでした。契税を納めるのもこの房地産交易中心です。
 こういった手続きは経験がなければ複雑に思われがちで、よく仲介業者が数百元のマージンをとって代理をしているようですが、実は簡単で、必要な書類に書き込んで、お金を払って提出すればOK。申請に要した時間はたった10分ほどでした。その後、証明書が出てくるまでに1ヶ月の時間を要しました。安全のため受領するときに「産権証」に暗証番号を設定することができます。
 ちなみに「産権証」に書いてある私のマンションの土地の使用権は2072年まで。その後はどうなるのだろう、という質問はよく受けますが、実はまだ明確な政策が出ていないのが現状です。しかし、先日の中国のニュース報道によれば、70年後も続けてその土地が使用できるような法律が現在検討されているそうです。
posted by 藤田 康介 at 04:10| Comment(0) | ここは上海なり