一方で、スーパーに並んでいる野菜は検査を受けていて安全だ、と主張する人もいますが、これも私はかなり怪しいような気もしています。何よりも決定的なのは、どこのスーパーも鮮度がいまひとつ。しなびた野菜を見るだけで、食欲は失せます。鮮度、という意味では、市場の野菜が間違いなくいいのですが、今度は農薬などの問題は大丈夫なのだろうか?ということになり堂々巡りしています。この件では私自身まだ結論は出ていません。
今日の夜ご飯に市場から買ってきたカリフラワーには、中を開けてみるとしっかりと青虫が2匹出てきました。私は毎回なるべく虫食いの野菜を買うようにしているのですが、今までもこうやって中から毛虫や青虫が出てくることが少なくありません。ということは、少しは安心できるのでは?と気休めにはなっています。さらに、キャベツや白菜は農薬が葉にたまりやすいため、中国ではなるべく食べないようにしています。チンゲンサイなどは比較的早く成長するので、なるべく小さめのもので、虫食いがあるものを選ぶようにしています。あくまでも気休めでしょうが…。
食材の問題に続いて、油の問題もかなり頭が痛いです。中国人女性はお茶を良く飲むからスタイルがいい、と今でも言っている人が少なくありませんが、日常飲む程度のお茶の量では医学的にも期待薄です。やはり、日ごろから外食せずに自炊して油の量をコントロールしているのが大きな原因です。
中国栄養学会が提唱している一人あたりの油脂の摂取量は25グラム。ところが、北京市民の平均の油脂の摂取量は1日平均83グラムでこれを大きく超えています。もし毎日、標準の油脂の摂取量より5グラム多く摂取した場合、10年後には体重が平均10キロ増加するとも言われています。また食塩の摂取量も中国全国平均で1日12グラム、これは標準摂取量の2倍になっています。
ほんの20年ぐらい前まで、油は中国人にとって非常に貴重なもので、さじ一杯の油を使うのにも気を使ったといいます。そのおかげでかもしれませんが、現在の上海のお年寄りは女性に関しては言うと、平均余命が80歳を超えていますから、長寿であるといえるでしょう。しかし、ここ10年間の物の豊かな時代に育った若者に関しては、成人病予備軍が急増しており、すでに予断の許さない状況になっています。さらに、中国では糖尿病の患者が毎日3000人のペースで増えているというデータもあるぐらいで、医者の間では2010年には糖尿病患者が1億人を突破するのではないかとも言われています。となれば、私たちもしっかりと健康に留意しなければなりません。やはりなるべく自炊を心がけ、油と塩分を控えめにしなければ、中国で健康を維持することは非常に難しいといえるでしょう。
油に関してですが、最近は現地スーパーでもオリーブ油が比較的お手軽な値段で手に入るようになりました。やはり一部では、健康志向に目覚めてきた富裕層が増えてきているのでしょう。ちなみにオリーブ油は中国語で橄欖油と書きます。オリーブ油でつくる中華料理もなかなかいけます。
また、豚肉は「愛森」ブランドが上海では有名。カルフールやロータースなど大手スーパーには大抵並んでいます。値段は市場などで売られている普通の豚肉よりも1.5倍ほどする場合もありますが、豚の質も比較的よく、まだ安心して食べることができます。餃子などをつくるひき肉も、肉の塊から脂身の少ない部分を選んで、その場で作ってもらうようにするのがコツです。市販されいてる作り置きのひき肉は脂肪でゴテゴテのことが多いので、ご参考までに。