2005年11月02日

まさに麗しの島、崇明島

 11月に入りました。東京からははやく「上海便利帳」を書き上げて、と毎日催促をいただき、毎日執筆マシーン化しています。取材はほぼすべて終えているのですが、量が結構あっていま必至にキーボードをたたいています。今週中には全部終えますから、ご安心を。(業務連絡)





 そんななか、先日は上海市の崇明島に1泊二日の取材兼旅行にいってきました。崇明島といえば、長江の河口にある島で、高速船で40分。上海蟹の稚蟹がそだつところです。さらに世界でも有数の湿地帯があり、また上海向けに多くの野菜や米を作っているところ。詳しくは現在執筆中の原稿を見ていただくとして、とりあえずの率直な感想は、「素晴らしかった」の一言です。


 はるかかなたの湿地帯の地平線。晩秋の夜空にきらめく満天の星たち。オリオン座やカシオペア座、北斗七星、北極星など私が知っている数少ない星座もばっちり。上海でここまで美しい星を見ることができたのは、はっきりいって初めてです。


 朝4時半におきてタクシーを飛ばして見に行った日の出は、まさに大地から湧き出るような光の塊でした。そして渡り鳥たちの飛び立つ音。湿地帯の遠くかなたには蟹を捕まえる漁民たちの姿が見えます。


 そして、なにより野菜が美味しい。特産の里芋を農家から分けてもらい、自宅に戻ってからゆがいていただきました。もちろん、養殖ではない採りたての「蟹」も。崇明島の上海蟹はなぜか小さく、「毛蟹」と呼ばれていますが、水の汚染が少ないだけに、臭みが少ないのが特徴。


 島の東側は環境保護地区で工場もほとんどないので、本当に汚染の少ない野菜を食べることができます。驚いたのは農村が非常に美しいこと。ゴミがほとんど無い!!帰りの船で、多くの人が米や野菜をかついで帰っているのには納得がいきます。

だんだんと空が明るくなってきました。崇明島東灘にて


 立て続けですが、この週末は仕事で江西省の陶器の産地景徳鎮へ出かけることになりました。ついでに景徳鎮から江西省で有名な古鎮「Wu原」へバスで抜けて観光したあと、さらにバスを5時間ほど乗り継いで黄山いきそこから夜行で上海へ戻ろうかと計画しています。山間部なので、紅葉も少し期待。


 しかし、この上海から景徳鎮へ行くのが問題で、バスや飛行機でもいいのですが、鉄道「旅行」フアンの私は、何とかして鉄道で行きたいと智恵を絞ります。


 時刻表をめくったら、所要時間15時間かかるものの、昼間+夜行の長距離鈍行列車を発見し、これで行くことにしました。景徳鎮到着が朝4時半頃ですが・・・。帰りももちろん、黄山から上海へは夜行列車。上海では景徳鎮からの乗車券が販売されないので、仕方が無く上海で手配できる黄山から寝台特急に乗って上海へ戻ることにしました。さらに、景徳鎮は有名な町なのに鉄道アクセスが非常に悪く、頭が痛い路線です。どの列車にのっても着くのは明け方。さすがに黄山となれば世界的な観光地なので便利です。昔、黄山に行ったときは上海で往復乗車券は買えませんでしたが、いまは買えるようです。便利になりました。とりあえず、計画通りにいきますように…。


 

そして太陽が!思わず叫びたくなります。


 私の地方への移動は夜の時間を節約するために、夜行列車を使うのですが、山登りなどで田舎の駅に行けばいくほど、帰りのチケットを購入するのが難しい。中国の場合もっとややこしく、各列車に列車長がいて、この列車長が車内での寝台チケット販売の権利をもっていて、さらにその手下にブローカーがいて、途中乗車してきた乗客にあまっている寝台を売りつけリベートを儲けるということが日常茶飯事に行われています。だから部外者が途中の小さな駅で寝台券を確保することはなかなか困難。


 以前も、三清山を登った帰りに寝台券が買えず困っていたら、この列車の列車長は知り合いだという旅行会社関係のブローカーの紹介で、とりあえずブローカーがくれた臨時の切符で乗車して、車内で列車長から寝台チケットを買うというようなこともありました。夜行となれば7〜8時間以上の乗車となるので、眠れないことは翌日のスケジュールにかなり影響をきたします。


 昔、イギリスに行ったときに搭乗したロンドン→シンガポールの航空便も13〜4時間かかったように記憶していますが、それに比べれば鉄道の14時間は楽しいものです。

力走する東風型ディーゼルカー
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類