2006年04月27日

中国の割り箸

 最近といわず、以前から日本での使い捨て割り箸に対する各国からの風当たりは強いけど、ご存知の通り、こちら中国でも割り箸は日常不可欠な生活用品の一つです。

 日本で割り箸を使うとすれば、コンビニ弁当やピクニックなど使い捨ての利便性を考慮した使い方がされることが多いように思いますが、中国の場合には少し深刻です。それは、衛生問題と直接関係あるからです。

 現地の人とレストランに行くと、よくわかります。もし、使い捨ての箸がなければ、店の人に頼んで、使い捨て箸を出してくるように言う人も多いです。現実問題として、中国のレストランでは日本のように食器洗い機などを使って洗っているケースもそう多くないですし、消毒といってもどの程度消毒されているかさっぱりわからない。肝炎王国の中国では、衛生問題は何よりも大切なのです。
 つまり、消費者の飲食業に対する不安が、割り箸への需要を高めているということができます。私も、街の食堂の厨房などを見て、とてもきれいに箸が洗われているとは思えない…。

 そこで中国ビジネス解説にも2006年4月分記事として掲載しましたが、今年2006年4月1日の中国の消費税改定で、割り箸に5%の消費税がかけられるようになったのも記憶にあたらしいところです。


 中国の統計では、中国で年間450億本の割り箸が消費されていて、そのために2500万本の木が伐採されているそうです。そこで、2005年度から中国国家林業局は割り箸を専門に生産する会社の設立を禁止にしています。毎年200万平方メートルの森林が消えているとかいわれると、気にしないわけにはいきません。

 これはこまったぞ、と中国で生活する我々は思ってしまうかもしれません。しかし、上海ではかなり前から木の割り箸を使わない試みが行われていたことをご存知でしょうか?そうなんです。上海では竹の割り箸が広く流通しています。
 私が医学生だったことは、まだ木の割り箸はたくさん見られましたが、政府の努力により市中心部では木の割り箸はまずお目にかかりません。上海では政府の指導により木の割り箸は早くから禁止されたのです。

 一方で、竹は2年もすれば立派に成長するため、こういった使い捨ての箸にはもってこいなのです。だから、市内のどんな小さなレストランでも、写真のような竹の割り箸が置いてあるはずです。使い捨てにはもったいないぐらいの竹の割り箸もあれば、ここの食堂にように串を2本合わせたような非常に細い竹の割り箸もあります。だけど、使うのには十分です。

 一方で、広州など中国の他の都市では竹の割り箸への活用はまだまだ。そもそもは割り箸の価格が安すぎることに原因があるようです。その価格は、5000本で80元前後、1本にすれば2分にも満たないほどのコストです。これでは、仮に5%の消費税がかけられても、影響はほんの少ない。農民の収入をあげるためにも、もっと割り箸の値段は高くしてもいいように思うのですが、なんせ物がやすいから、なかなか省エネも進まない。


 でもやっぱり、一番いいのは自分の箸を持ち歩くことですね。
posted by 藤田 康介 at 17:25| Comment(0) | ビジネス・経済レポート

使い捨ての竹の割り箸

 最近といわず、以前から日本での使い捨て割り箸に対する各国からの風当たりは強いけど、ご存知の通り、こちら中国でも割り箸は日常不可欠な生活用品の一つです。

 日本で割り箸を使うとすれば、コンビニ弁当やピクニックなど使い捨ての利便性を考慮した使い方がされることが多いように思いますが、中国の場合には少し深刻です。それは、衛生問題と直接関係あるからです。

 現地の人とレストランに行くと、よくわかります。もし、使い捨ての箸がなければ、店の人に頼んで、使い捨て箸を出してくるように言う人も多いです。現実問題として、中国のレストランでは日本のように食器洗い機などを使って洗っているケースもそう多くないですし、消毒といってもどの程度消毒されているかさっぱりわからない。肝炎王国の中国では、衛生問題は何よりも大切なのです。
 つまり、消費者の飲食業に対する不安が、割り箸への需要を高めているということができます。私も、街の食堂の厨房などを見て、とてもきれいに箸が洗われているとは思えない…。

 そこで中国ビジネス解説にも2006年4月分記事として掲載しましたが、今年2006年4月1日の中国の消費税改定で、割り箸に5%の消費税がかけられるようになったのも記憶にあたらしいところです。


 中国の統計では、中国で年間450億本の割り箸が消費されていて、そのために2500万本の木が伐採されているそうです。そこで、2005年度から中国国家林業局は割り箸を専門に生産する会社の設立を禁止にしています。毎年200万平方メートルの森林が消えているとかいわれると、気にしないわけにはいきません。

 これはこまったぞ、と中国で生活する我々は思ってしまうかもしれません。しかし、上海ではかなり前から木の割り箸を使わない試みが行われていたことをご存知でしょうか?そうなんです。上海では竹の割り箸が広く流通しています。
 私が医学生だったことは、まだ木の割り箸はたくさん見られましたが、政府の努力により市中心部では木の割り箸はまずお目にかかりません。上海では政府の指導により木の割り箸は早くから禁止されたのです。

 一方で、竹は2年もすれば立派に成長するため、こういった使い捨ての箸にはもってこいなのです。だから、市内のどんな小さなレストランでも、写真のような竹の割り箸が置いてあるはずです。使い捨てにはもったいないぐらいの竹の割り箸もあれば、ここの食堂にように串を2本合わせたような非常に細い竹の割り箸もあります。だけど、使うのには十分です。

 一方で、広州など中国の他の都市では竹の割り箸への活用はまだまだ。そもそもは割り箸の価格が安すぎることに原因があるようです。その価格は、5000本で80元前後、1本にすれば2分にも満たないほどのコストです。これでは、仮に5%の消費税がかけられても、影響はほんの少ない。農民の収入をあげるためにも、もっと割り箸の値段は高くしてもいいように思うのですが、なんせ物がやすいから、なかなか省エネも進まない。


竹の割り箸


 でもやっぱり、一番いいのは自分の箸を持ち歩くことですね。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

2006年04月26日

やっかいなマンションの内装工事

私のマンションの階上と階下では内装工事はみんな同じぐらいに済ませたのに、両隣はなぜか物音一つせず、内装をはじめる気配もなかったのですが、今週ぐらいから隣で工事が始まりました。いつかは内装してもらわないと困るので、こちらも特になんてことないのですが、やはりうるさい。
 
 ただ、唯一の救いは夕方18:00から朝8:00まで、さらに週末と祝日は内装禁止なので、これは助かります。もし違反すれば、ガードマンがすぐに飛んできてくれます。これはありがたい。

 私も内装を自分でやったので、その事情は多少なりとも知っていますが、中国のこの内装システムはムダが非常に多い。特に出てくるゴミの量は半端ではありません。 

 スケルトン状態のマンションといえども、壁に仕切りはついているし、みるからに安物のトイレや簡単な蛇口、水の簡単な配管までつけられていて、自分で内装するときはこれらをはずします。また、電気配線やコンセント、スイッチなどもみるからにチャチですが、はじめから取り付けられていて、これも内装開始とともに撤去されてゴミ化します。だからスケルトンといえども、住もうと思えば住めないこともない。事実、内装期間中は大工さんが住むわけですから。スケルトンというかぎりは、梁だけで引き渡してくれたらいいのですが、実際はそうではないので、結局つぶさないといけないのです。 

 しかし、もっとムダが多いのが内装付きで分譲されているマンション。こちらは、内装の施工技術が低いとか、好みが合わないとかで、よっぽど高級なマンションを除いて、普通は内装をしなおします。というわけで、取り付けられたほとんどの新品備品がゴミ化するわけで、これらが廃棄物として処分されます。そういえば、レストランも開店して1年もたっていないのに、内装が取り壊されて新しいものが使われています。まだまだ十分に使えるのに…。

 都市に住んでいると、ほとんど自然界と隔絶された世界にいるようになります。ゴミが出たら、ゴミ捨て場に捨てると誰かがもっていってくれるだろうし、都市にいる限り、今日・明日の食べ物や水を心配するようなこともない。暑かったらどこかで作られた電気エネルギーでエアコンをつけたらいいわけだし、人工的環境がほぼ完璧と思えるぐらい揃っています。内装に関してもそうでしょう。自分に快適な環境を作るために、改造する。でも、その一方で見えないところでゴミや廃棄物などが排出されたり、はるばると外へ運ばれて堆積していく。 

 

 なぜ、こういうことを書くかというと、中国の農村にいったときに農家の裏などで生活ゴミの山を見つけることがあるのです。そういうところでは上海の市中心部のようにゴミ回収が行われていないし、ゴミの処理のしようがない。
 昔、農民は自然とともに生活していたから、自然の中で生まれた食べかすなどのゴミは家の周りに捨てても自然に帰っていった。しかし、都市化の流れと都市的消費が広まるにつれて、工業化されたゴミの処理ができなくなってきた。その結果、家の周りにゴミをすてるしかないのです。よって、上海近郊の都市的消費が著しい農村ほど、無造作に家の周りに捨てられるゴミが非常に多いのです。 

 

 とんでもないスピードで都市化が進んでいる中国ですが、このまま進んでいったらどうなるのだろうと思わずにはいられません。いろいろな意味でちょっとおそろしいような気もします。
posted by 藤田 康介 at 17:25| Comment(0) | ここは上海なり