昨日、ついに「物干し」が設置されました。本当は水曜日の午後に取り付けるはずが、職人さんの都合で間に合わず、1日延期になりました。
約束した時間と違うぞ、と職人さんを批判したくなるところですが、そこが中国です。職人さんも遅れたくて遅れたわけではありません。安徽省から出稼ぎにきている彼の謙虚な対応に、こちらも思わず許してしまいます。
そもそも、彼らは働きすぎです。たった2人で浦東地区全部の取り付けを担当しいるそうです。さらに詳しく聞くと、奉賢区や南匯区、外高橋までもが範囲に入るとか。もちろん、車で移動するわけではありません。いわゆる電動自転車に工具一式と材料を積んでの移動です。こりゃ、はっきりいって無茶ですね。毎日、昼を食べる時間も惜しんで取り付けに走り回っているといっていました。
私はこういう出稼ぎに来ている人と話するのが大好きです。上海の社会のいろいろな側面を知ることができるからです。
今回の彼は1991年から上海で出稼ぎに来ているそうで、その当時まだ19歳。自由市場で野菜を売る仕事からはじめ、その後今の物干し取り付け工事をしているそうです。出稼ぎの成果があってか、すでに結婚して田舎で7LDKの家が建ち、田舎の田畑は両親に任せておいて、彼は上海で働いているとか。今は2人の子持ち。奥さんは働かせてもたいした稼ぎにならないので、上海の自宅で待機。毎日マージャンや子守をしてすごしているそうです。
田舎の7LDKというのは、いくらぐらいで建つの?と聞いてみたら、6万元だそうです。
う、私のマンションの内装費より安い。きっと、田舎に出稼ぎで稼いだ人たちの家が並んでいるのでしょう。
安徽省といっても、彼の実家は上海から鉄道で5時間程度でいけるそうで、帰ろうと思えばいつでも帰られるとか。だから、春節などは実家に帰らない。こういうパターンも最近の出稼ぎ労働者に多いです。
でも、田舎にいるお年寄りは寂しいでしょうね。中国の都市化の流れは、こんなところにも影響しだしています。中国の人々の生活習慣をも変えつつある。上海の高齢化は出稼ぎ労働者がカバーできるけど、田舎の高齢化はそうは行かない。
これら出稼ぎ労働者は、上海籍もないわけだし、多くは社会的厚生福利なしでひたすら働いています。給料も何件取り付けて、いくらという出来高払い。だから、企業としても彼らを喜んで受け入れる。しかもそういう労働者は上海に引き手あまたに存在する。
そんな背景だから、先進国がいくら物を作っても、コスト面では絶対かなわない。ある日系企業の人が、中国では機械を導入するよりもヒトを使ったほうが安い、とまで断言されておられました。こういう状態がいつまで続くかは微妙だけど、だけど今の上海の繁栄を支えているのは、紛れもなく彼らなのです。私は彼らに感謝したい。
でも身勝手な先進国の企業は、コストがあがったら今度はまた容赦なくどっかへ移動していくんでしょうね。
儲けるだけ儲けて、あとは「サイナラ」。さあ、モラル的にそういうことが本当にできるのか?
私はじっくり見届けたいと思います。
さて、さっそく朝起きて洗濯してみました。この物干しは、使わないときはハンドルをクルクルまわして竿を軒下に収納することができます。今までは、ベランダに物干し台を置いていたのですが、スペースをとって不便。600元ほどの投資で、利便性が格段に増しました。
さらに、洗濯物を高く干せるので、風通しも抜群です。もちろん、布団の重さにも対応します。
洗濯が趣味になりそうです。
2006年04月20日
「安い、安い」と手放しでは喜べない
posted by 藤田 康介 at 17:25| Comment(0)
| ビジネス・経済レポート
「安い、安い」と手放しでは喜べない
今日も朝暗いうちに起床して、仕事をしています。
私は夜が明けてくるその瞬間が大好きです。なにかすごく新鮮で、生まれたての1日をこれから過ごすぞと思うとワクワクするものです。今朝は昨日ほど快晴ではないですが、でも空気が澄んでいて、すがすがしい。
昨日、ついに「物干し」が設置されました。本当は水曜日の午後に取り付けるはずが、職人さんの都合で間に合わず、1日延期になりました。
約束した時間と違うぞ、と職人さんを批判したくなるところですが、そこが中国です。職人さんも遅れたくて遅れたわけではありません。安徽省から出稼ぎにきている彼の謙虚な対応に、こちらも思わず許してしまいます。
そもそも、彼らは働きすぎです。たった2人で浦東地区全部の取り付けを担当しいるそうです。さらに詳しく聞くと、奉賢区や南匯区、外高橋までもが範囲に入るとか。もちろん、車で移動するわけではありません。いわゆる電動自転車に工具一式と材料を積んでの移動です。こりゃ、はっきりいって無茶ですね。毎日、昼を食べる時間も惜しんで取り付けに走り回っているといっていました。
夜が明けてきました
私はこういう出稼ぎに来ている人と話するのが大好きです。上海の社会のいろいろな側面を知ることができるからです。
今回の彼は1991年から上海で出稼ぎに来ているそうで、その当時まだ19歳。自由市場で野菜を売る仕事からはじめ、その後今の物干し取り付け工事をしているそうです。出稼ぎの成果があってか、すでに結婚して田舎で7LDKの家が建ち、田舎の田畑は両親に任せておいて、彼は上海で働いているとか。今は2人の子持ち。奥さんは働かせてもたいした稼ぎにならないので、上海の自宅で待機。毎日マージャンや子守をしてすごしているそうです。
田舎の7LDKというのは、いくらぐらいで建つの?と聞いてみたら、6万元だそうです。
う、私のマンションの内装費より安い。きっと、田舎に出稼ぎで稼いだ人たちの家が並んでいるのでしょう。
安徽省といっても、彼の実家は上海から鉄道で5時間程度でいけるそうで、帰ろうと思えばいつでも帰られるとか。だから、春節などは実家に帰らない。こういうパターンも最近の出稼ぎ労働者に多いです。
でも、田舎にいるお年寄りは寂しいでしょうね。中国の都市化の流れは、こんなところにも影響しだしています。中国の人々の生活習慣をも変えつつある。上海の高齢化は出稼ぎ労働者がカバーできるけど、田舎の高齢化はそうは行かない。
これら出稼ぎ労働者は、上海籍もないわけだし、多くは社会的厚生福利なしでひたすら働いています。給料も何件取り付けて、いくらという出来高払い。だから、企業としても彼らを喜んで受け入れる。しかもそういう労働者は上海に引き手あまたに存在する。
そんな背景だから、先進国がいくら物を作っても、コスト面では絶対かなわない。ある日系企業の人が、中国では機械を導入するよりもヒトを使ったほうが安い、とまで断言されておられました。こういう状態がいつまで続くかは微妙だけど、だけど今の上海の繁栄を支えているのは、紛れもなく彼らなのです。私は彼らに感謝したい。
でも身勝手な先進国の企業は、コストがあがったら今度はまた容赦なくどっかへ移動していくんでしょうね。
儲けるだけ儲けて、あとは「サイナラ」。さあ、モラル的にそういうことが本当にできるのか?
私はじっくり見届けたいと思います。
さて、さっそく朝起きて洗濯してみました。この物干しは、使わないときはハンドルをクルクルまわして竿を軒下に収納することができます。今までは、ベランダに物干し台を置いていたのですが、スペースをとって不便。600元ほどの投資で、利便性が格段に増しました。
さらに、洗濯物を高く干せるので、風通しも抜群です。もちろん、布団の重さにも対応します。
洗濯が趣味になりそうです。
洗濯物の問題が解決
私は夜が明けてくるその瞬間が大好きです。なにかすごく新鮮で、生まれたての1日をこれから過ごすぞと思うとワクワクするものです。今朝は昨日ほど快晴ではないですが、でも空気が澄んでいて、すがすがしい。
昨日、ついに「物干し」が設置されました。本当は水曜日の午後に取り付けるはずが、職人さんの都合で間に合わず、1日延期になりました。
約束した時間と違うぞ、と職人さんを批判したくなるところですが、そこが中国です。職人さんも遅れたくて遅れたわけではありません。安徽省から出稼ぎにきている彼の謙虚な対応に、こちらも思わず許してしまいます。
そもそも、彼らは働きすぎです。たった2人で浦東地区全部の取り付けを担当しいるそうです。さらに詳しく聞くと、奉賢区や南匯区、外高橋までもが範囲に入るとか。もちろん、車で移動するわけではありません。いわゆる電動自転車に工具一式と材料を積んでの移動です。こりゃ、はっきりいって無茶ですね。毎日、昼を食べる時間も惜しんで取り付けに走り回っているといっていました。
私はこういう出稼ぎに来ている人と話するのが大好きです。上海の社会のいろいろな側面を知ることができるからです。
今回の彼は1991年から上海で出稼ぎに来ているそうで、その当時まだ19歳。自由市場で野菜を売る仕事からはじめ、その後今の物干し取り付け工事をしているそうです。出稼ぎの成果があってか、すでに結婚して田舎で7LDKの家が建ち、田舎の田畑は両親に任せておいて、彼は上海で働いているとか。今は2人の子持ち。奥さんは働かせてもたいした稼ぎにならないので、上海の自宅で待機。毎日マージャンや子守をしてすごしているそうです。
田舎の7LDKというのは、いくらぐらいで建つの?と聞いてみたら、6万元だそうです。
う、私のマンションの内装費より安い。きっと、田舎に出稼ぎで稼いだ人たちの家が並んでいるのでしょう。
安徽省といっても、彼の実家は上海から鉄道で5時間程度でいけるそうで、帰ろうと思えばいつでも帰られるとか。だから、春節などは実家に帰らない。こういうパターンも最近の出稼ぎ労働者に多いです。
でも、田舎にいるお年寄りは寂しいでしょうね。中国の都市化の流れは、こんなところにも影響しだしています。中国の人々の生活習慣をも変えつつある。上海の高齢化は出稼ぎ労働者がカバーできるけど、田舎の高齢化はそうは行かない。
これら出稼ぎ労働者は、上海籍もないわけだし、多くは社会的厚生福利なしでひたすら働いています。給料も何件取り付けて、いくらという出来高払い。だから、企業としても彼らを喜んで受け入れる。しかもそういう労働者は上海に引き手あまたに存在する。
そんな背景だから、先進国がいくら物を作っても、コスト面では絶対かなわない。ある日系企業の人が、中国では機械を導入するよりもヒトを使ったほうが安い、とまで断言されておられました。こういう状態がいつまで続くかは微妙だけど、だけど今の上海の繁栄を支えているのは、紛れもなく彼らなのです。私は彼らに感謝したい。
でも身勝手な先進国の企業は、コストがあがったら今度はまた容赦なくどっかへ移動していくんでしょうね。
儲けるだけ儲けて、あとは「サイナラ」。さあ、モラル的にそういうことが本当にできるのか?
私はじっくり見届けたいと思います。
さて、さっそく朝起きて洗濯してみました。この物干しは、使わないときはハンドルをクルクルまわして竿を軒下に収納することができます。今までは、ベランダに物干し台を置いていたのですが、スペースをとって不便。600元ほどの投資で、利便性が格段に増しました。
さらに、洗濯物を高く干せるので、風通しも抜群です。もちろん、布団の重さにも対応します。
洗濯が趣味になりそうです。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類