今日のNHKスペシャル、私の「日→中同時通訳」で中国の友達と一緒にみていました。
日本で増えているワーキンングプアの問題、終わってから彼らと思わず討論をしてしまいました。
日本に行ったことない中国人にとっては非常に衝撃をうけたようで、また、近い将来に中国が立ち向かう可能性のある問題に、興味津々でした。彼らにとって、日本にもこういった貧困があるのかとびっくりしたようです。
ワーキングプアという言葉、私はこれまで使ったことなかったけど、要は働けど、働けど、生活は改善されない、そういった貧困のことを指すようです。
さらに、30歳を越えてしまうと再就職の難しい日本の現状、地域格差と貧富の拡大。
残念ながら、今の日本は、先進国への高度成長期から、さらにその成熟期も過ぎてしまい、実は「貯蓄を崩しながら生活しているリタイヤした国」のように見えてしまいました。
確かに高齢者は増えたけど、高齢化社会にばかりに注目されるのではなく、もっと若者にも注目してあげる必要もあるのではないでしょうか?悲鳴をあげている若者が、今の日本には少なくありません。
中国でもいま、上海など都市部を中心にこれまでに経験したことのない社会層が出来つつあります。月に万を超えるような収入のある上海人のあこがれのホワイトカラーの生活。
なぜか技術の必要とする職業が軽く見られ、なぜかみんなサラリーマンを目指します。そして一見華やかに見えるお金持ちの生活。
しかし、そういった生活は砂のうえの楼閣であり、いつつぶれるか分かりません。よく「普通の生活」ということが良く使われますが、普通の生活ほど難しい生活はない。
現実に、上海人の若者の多くが抱えている年収の半分を占めるような住宅ローン、急騰する教育費、そして欲望の中に増え続ける都市の消費生活。こういったことは、すべてここ10年以内、すなわち私が上海に来たころから出てきた現象なのです。おそらく今の日本と同じような社会問題がこれから上海にも出てくるのでしょう。
でも、まだ今の上海には日本が忘れてしまった点が残っています。
それは、いろんな階層の人が、いろんな方法で生活をしているということです。ここには、BMWを乗り回す人の生活様式も成り立っているし、それこそリヤカーを引きながら生活する人の生活もすごく自然に行われています。経済の格差はあっても、違和感が少ない。見事に共存していると思うのです。
それは、おそらく各階層の人が、それぞれの社会階層の中で上海に根付いているから。そして絶望と思わず、みんなそれなりに人生を楽しんでいる。それはきっと、異なる価値観の中で、みんなが目指すものが違うからだと思うのです。
そして、もうひとつ。中国はいろいろな点でアバウトかもしれないけど、日本みたいに、行政や法律にがんじがらめにされていない分、隙間を生きる人たちのパワーがあるのではないでしょうか。この隙間が人々に与える心の余裕も大切だと思います。
この番組を見て、人はいつまでも自分に厳しく、どうにかしても成長し続けなければならないと強く感じました。止まることは許されない。
私の周りには中国人、日本人の人生の先輩諸氏も沢山いて、いつも叱咤激励をしてくれています。これには本当に感謝しなくては。
私は30歳をこえた今でも技術や知識を身につけ、しっかりと蓄える時期だと考えています。いや、一生そうやって勉強しながら社会のために少しでも貢献したい。
さらに、闇雲に毎日を過ごしていないか絶えず検証し、こうやって毎日ブログを書くことも、自分を見つめ直す意味ですごく役立っています。
私の父親がいつもいっていました。
「仮に、いまここで死んでしまっても悔いのない生き方をしなければならない」
まさに、その通りだとつくづく感じました。
2006年07月21日
ドタバタ、テレビ収録
今日は取材班が我が家へ。
まさかの自宅で取材ということになってしまい、十分心積もりをしていなかったので、とにかく大騒動。朝早くから部屋の大掃除。1人では間に合わないので、援軍にも来てもらってがんばりました。
ちょっと遅れるという電話があって、ヤレヤレしました。
ドカドカとやってきた取材班、もともと書斎でお話を伺う予定だったのが、私の家の和室が妙に気に入ってしまい、急遽そこで行うことに。
今日の取材は、天津テレビの有名な『泊客中国』という番組で、プロデューサー兼司会者である尹暢さんがじきじきのご登場。もちろん、初対面です。
すごくきれいな方でした。流れるような普通語にもうっとり。北方人のしかも放送関係者の標準的な普通語は耳に優しい。
話は、中医学に関すること、私の同級生で上海で医院を開業している欧米人のエピソードなどを紹介。撮影は和室に座って、彼女の質問に答えるというインタビュー形式で行われました。
まったく、対話形式になると私の上海なまりのズーズー弁中国語は、ちょっと恥ずかしいですね。
撮影中の風景 (右の女性が尹暢さん)
私が、中国のテレビに登場するのはこれで2回目。
1回目は上海系のテレビで公開録音に呼ばれ、画面いっぱいに私の顔が映ったそうですが、私は結局知らず。中国人の友達からの電話で知りました。
今回のもいつ放映されるのかまだ分かりませんが、まあ、とんだところで皆さんにお顔をお見せすることになってしまいそうです。
天津に妙に縁があるのか?偶然にも来週、私は天津です。
本棚も撮られてしまいました
まさかの自宅で取材ということになってしまい、十分心積もりをしていなかったので、とにかく大騒動。朝早くから部屋の大掃除。1人では間に合わないので、援軍にも来てもらってがんばりました。
ちょっと遅れるという電話があって、ヤレヤレしました。
ドカドカとやってきた取材班、もともと書斎でお話を伺う予定だったのが、私の家の和室が妙に気に入ってしまい、急遽そこで行うことに。
今日の取材は、天津テレビの有名な『泊客中国』という番組で、プロデューサー兼司会者である尹暢さんがじきじきのご登場。もちろん、初対面です。
すごくきれいな方でした。流れるような普通語にもうっとり。北方人のしかも放送関係者の標準的な普通語は耳に優しい。
話は、中医学に関すること、私の同級生で上海で医院を開業している欧米人のエピソードなどを紹介。撮影は和室に座って、彼女の質問に答えるというインタビュー形式で行われました。
まったく、対話形式になると私の上海なまりのズーズー弁中国語は、ちょっと恥ずかしいですね。
私が、中国のテレビに登場するのはこれで2回目。
1回目は上海系のテレビで公開録音に呼ばれ、画面いっぱいに私の顔が映ったそうですが、私は結局知らず。中国人の友達からの電話で知りました。
今回のもいつ放映されるのかまだ分かりませんが、まあ、とんだところで皆さんにお顔をお見せすることになってしまいそうです。
天津に妙に縁があるのか?偶然にも来週、私は天津です。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類
2006年07月20日
何も地下鉄運転士を襲わなくても
上海のマスコミで報道されたニュース。
17日朝6時ごろ、地下鉄1号線の始発列車は、共富新村を発車した。ところが、この列車は始発当初から先頭車の空調が故障、本来は修理に出さないと行けないところだったが、結局はそのまま運転された。そもそも、上海の地下鉄は列車が不足していて、1編成でも休ませることができないからだ。
その列車が終点のシン庄までいって、再び共富新村に戻ってきたころは、上海名物の「超」ラッシュ時間帯に入っていた。先頭車の空調は相変わらず壊れたまま。怒った乗客は運転士を襲撃、110番から警察が駆けつける騒ぎになった。この結果、列車は8分の遅れ。上海地下鉄開業以来はじめての運転手が乗客に襲われるという事件になってしまった。19歳のこの運転士は、まだ業務に戻っていないという。
鉄道マニアの私から言わせてもらうと、上海地下鉄の設備は夏に極めて弱いと思います。ドイツから車両を輸入したためか、とにかくラッシュに対しての対策が甘い。その象徴となるのが車内の空調の問題でしょう。
1号線、2号線のシーメンス製の車両は、夏は一応空調がついています。冬の暖房ははじめからなぜか全車両設置されていません。しかし、90年代後半に投入された、おそらくモーター音から直流の電機子チョッパ制御かと思われますが、この列車はとくに空調が弱い。
日本だったら扇風機や送風機を使って空調の効率を上げるのが普通ですが、上海の地下鉄にはそれがありません。だから、ラッシュ時になると特に蒸すのです。
また、上海の場合、冷気の伝達に頼るのは、地下鉄車両を通り抜ける通り風。地下トンネルを走行中はこの通り風が強く発生するのですが、地上走行中は一切発生しなくなります。だから、冷気が伝わりにくくなり、結果的に熱がこもりやすくなります。特に先頭車は暑い。
さらに、初期編成は空調のパワーが他の列車より少ないみたいで、これが暑さに拍車をかけています。
地下鉄では早急に冷房装置の改造を行うようですが、とにかく車両不足で運用のやりくりが大変な上海地下鉄。ドイツからはるばる運ばれてくる列車も、まだまだ時間がかかるようです。
日本の電車にはラッシュ時のノウハウがたくさん詰め込まれているのに、上海では一編成も走っていません。列車の納入も、ヨーロッパに比べれば距離的にすごく楽なはず。いろいろな事情があるにせよ、日本の電車が上海で走っていないのは、すこし残念です。
17日朝6時ごろ、地下鉄1号線の始発列車は、共富新村を発車した。ところが、この列車は始発当初から先頭車の空調が故障、本来は修理に出さないと行けないところだったが、結局はそのまま運転された。そもそも、上海の地下鉄は列車が不足していて、1編成でも休ませることができないからだ。
その列車が終点のシン庄までいって、再び共富新村に戻ってきたころは、上海名物の「超」ラッシュ時間帯に入っていた。先頭車の空調は相変わらず壊れたまま。怒った乗客は運転士を襲撃、110番から警察が駆けつける騒ぎになった。この結果、列車は8分の遅れ。上海地下鉄開業以来はじめての運転手が乗客に襲われるという事件になってしまった。19歳のこの運転士は、まだ業務に戻っていないという。
鉄道マニアの私から言わせてもらうと、上海地下鉄の設備は夏に極めて弱いと思います。ドイツから車両を輸入したためか、とにかくラッシュに対しての対策が甘い。その象徴となるのが車内の空調の問題でしょう。
1号線、2号線のシーメンス製の車両は、夏は一応空調がついています。冬の暖房ははじめからなぜか全車両設置されていません。しかし、90年代後半に投入された、おそらくモーター音から直流の電機子チョッパ制御かと思われますが、この列車はとくに空調が弱い。
日本だったら扇風機や送風機を使って空調の効率を上げるのが普通ですが、上海の地下鉄にはそれがありません。だから、ラッシュ時になると特に蒸すのです。
また、上海の場合、冷気の伝達に頼るのは、地下鉄車両を通り抜ける通り風。地下トンネルを走行中はこの通り風が強く発生するのですが、地上走行中は一切発生しなくなります。だから、冷気が伝わりにくくなり、結果的に熱がこもりやすくなります。特に先頭車は暑い。
さらに、初期編成は空調のパワーが他の列車より少ないみたいで、これが暑さに拍車をかけています。
地下鉄では早急に冷房装置の改造を行うようですが、とにかく車両不足で運用のやりくりが大変な上海地下鉄。ドイツからはるばる運ばれてくる列車も、まだまだ時間がかかるようです。
日本の電車にはラッシュ時のノウハウがたくさん詰め込まれているのに、上海では一編成も走っていません。列車の納入も、ヨーロッパに比べれば距離的にすごく楽なはず。いろいろな事情があるにせよ、日本の電車が上海で走っていないのは、すこし残念です。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類