2006年07月06日

薬膳というほどではないですが、麦茶にちょっと工夫

 今日は涼しかった。とくに、夜はマンションに心地よい風が吹き付けて、いい心地で寝ることができました。もちろんエアコンはなしです。台風3号がこの週末すぎにも上海に接近するみたいです。猛暑になりませんように…。

 夏といえば麦茶が恋しくなるのですが、私はこのジメジメした夏を乗り切るために、麦茶に少し工夫をしています。

 中医学的に、夏ばての原因や、食欲不振の原因となるものに夏特有の病気の原因となる邪気「暑邪」があるのですが、実はこれが体に大量の「湿邪」を送り込んでくるのです。上海のように湿気が特に多い地区では、この「湿邪」が曲者で、体をだるく感じさせたり、消化器の働きを弱めたり、あせもなどの原因にもなるのです。そこで、この「暑邪」や「湿邪」を取り除くために、古代人はいろいろと工夫してきました。

 麦茶なんかもそうでしょう。
 上海のスーパーでも既にいってある大麦が売られていますが、これなんかは持ち帰って麦茶に使えます。麦茶はその性質は体を冷やしますが、消化器の働きを助けたり、喉の渇きを抑えたり、利尿作用もあります。夏場にはいいですね。冷たいのは苦手とか、冷え性の体質の方は暖かい麦茶をお勧めします。

 私はここにちょっと佩蘭の葉っぱを加えます。
 暑さを冷ますという意味では、ペパーミントなんかでもいいと思うのですが、夏場の暑と湿を取るという意味では佩蘭がお勧め。功能も「化湿去暑」と書き、まさに夏にぴったりなのです。

 佩蘭(ペイラン)とは中国語名で、日本ではフジバカマ、蘭草などと呼ばれます。日本にも生えていまして、「秋の七草」の一つですよね。一説によると、中国から渡来した植物のようです。

麦茶+佩蘭ブレンド


 佩蘭は、その葉っぱをにおうと独特の香りがします。こちら中国の端午の節句では、虫除けや病気の原因となる邪気避けに、佩蘭を「におい袋」に入れることがあります。
 
 我々中医学の臨床で使う生薬では乾燥した加工品を使うのですが、こういった揮発油を含有する生薬は生で使うのがお勧めで、私は生の葉っぱをそのまま麦茶に入れています。もちろん、生薬薬局で使われている薬材の佩蘭を使ってもかまいません。

 この佩蘭、最近では糖尿病の予防効果があるとか、皮膚のかゆみをおさえる作用なども注目されています。

 実際飲んでみると、ペパーミントほどではないですが、すっとするような感覚があります。お試しあれ。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類