今日は、いままでいろいろとご馳走されっぱなしでいた私の彼女のご両親を招待することにしました。
今回選んだ店は、貴州料理の「黔香閣」の虹橋店(電話:021−64019777、虹中路525号、混んでいるので要予約)。なぜ貴州料理かというと、彼女のご両親は文革時代、貴州に15年も生活していて、かねてからウワサに聞く貴州料理を食べてみたかったら。さらに以前、この店はうちの編酋長と偵察にいっていたのですが、そのときは何を食べたらよいのか分からずじまい。そこで今回は貴州のお話を交えながらの会食となりました。
文革時代、多くの上海人は田舎に飛ばされ、さまざまな労働に従事していました。15年も突然故郷上海を離れることを余儀なくされ、田舎で生活するとは、私には想像もつかない。私の上海生活も長いといっても十数年程度ですから…。
お話を聞くと苦労談ばかりになってしまいますが、やはり今となっては思い出深いものらしく、彼女のお父さんも、会えば貴州の話をいろいろしてくださいます。
その当時、貴州では長年教師をしていて、今でも多くの教え子たちとコンタクトがあるといいます。山に囲まれ、貧しい農村が広がる貴州だけども、天然温泉もわいていて、人情味あふれる生活があったといいます。なんと、この地区の人は昔から毎日湧いている天然温泉に浸かる習慣があったそうで、うらやましい。
貴州料理の特徴は、なんと言っても酸っぱさ。単に酸っぱいだけでなく、スパイスの効いた酸っぱさで、夏場に食べると気持ちがいいものです。
さらに、木造建築も多いエリア。民家マニアの血が騒ぎます。
この、「黔香閣」虹橋店に来られたら、ぜひ見てほしいのがシンガポールの老板が貴州から買ってきた木造の民家。清代のものですが、徽式の木造民家がそのまま移築されていて、自由に見学できます。美しく復元されていて、柱の彫刻なども輝いています。
この店で関心したのが、持ち帰りのシステムが実にうまく出来ているという点です。昔、カナダに生活してたとき、欧米では当たり前の「doggie bag」ですが、最近上海でも普及し出してきたようです。
中華料理はとにかく残飯が多い。それは、残るぐらい注文しないと客に失礼になるという習慣も影響しているのですが、その残飯を減らそうという動きが上海でも起こっています。
私も、自分が接待した席で残飯が出た場合は、極力持ち帰るようにしています。だけど大抵はいい容器がなく、最悪な場合ビニール袋に残飯やスープを入れて持ち帰ることが多かったのです。これでは、食欲減退です。
ところが、この店では、ちゃんとスープを入れるプラスチックのケースが準備されていましたし、環境に優しい溶解しやすい弁当箱も準備されていました。こういったちょっとした気配りがうれしいですね。ちゃんと店の宣伝が入った紙袋にいれて持ち帰れるので、見た目も悪くない。
さすがシンガポール人の老板か…、とか思いましたが、そうなると次も来てみたいものです。