2006年07月16日

「とういん」になることは大変なんだ

 アメリカから留学していた華人の友達が、なんとか上海の公立総合病院に就職したいとがんばっていたけど、先日「もうだめだー」と私に諦めの電話がありました。

 ある大学付属の総合病院では、人事部門までは手応えは良いそうだが、彼曰く、どうも最近の政府の方針で、外国人に門戸を閉ざしてしまったらしい。
 その原因は、中国人医学生も含む大学生全般の就職難。とても外国人の医師を雇うほど病院に余裕が無いのが現実のようです。

 医師の就職先となる上海の総合病院のそのほとんどはいわゆる「国営」の病院。実際、中国人でも、最高ランクの3級甲クラスの病院に就職することは、並大抵のことではありません。強力なコネも必要だし、在学中に「党員」になることも必須です。

 「党員」とはいわゆる「きょうさんとういん」のことを指すことが多いのですが、これになるにはさまざまな関門があります。
 たとえば、私の同級生たちも「党員」になるために、月に1回ノルマとして「思想報告書」みたいな報告書を書いたりしていました。これを、大学のHR担当の指導員に見せるのです。
 彼らに「何を書くの?」と聞いたら、「同級生たちの思想に関する言動」なども報告されるそうで、「へー、そんなこともみているんだ」とびっくりしたものです。もしへんな言動があると、もちろん指導員からチェックが入ります。

 でも学生時代、私たちのクラスのリーダーをとっていた学生の中には「党員」となっている人が多い。イベントやボランティアでは、真っ先に行動し、学生たちを引っ張っていきます。日本でいえば生徒会長や役員みたいな感じでしょうか。そういう意味では「党員」の役割は大きい。

 いわゆる級長やクラス代表となるためにも、この「党員」というシンボルは非常に大切なのです。さらに、これら「業績」は点数化されていろいろなことろで加算され、競争で優位にたてます。 当然、成績が優秀ならば、「党員」にならないか、と大学からも声がかかります。

 国の方針として、こうやって優秀な人材を集めているのです。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類