2006年07月17日

高まる上海人の健康志向、100%果汁ジュースも激戦

 暑くなって、果物が恋しい季節。

 今日、カルフールに買い物にいったら、日本のカゴメが現地向けに売っている(日本から輸入されていない)「野菜生活」が並べられていました。カゴメの中国語名は「可果美」で、これはうまいネーミング。発音の語呂合わせもいい。

 カルフールには、カゴメのペットボトル入りキャロットジュースもトマトジュースもあったので、やっと日本の企業もこの市場に本格参入か、といった感じですね。いや、むしろ遅すぎるぐらいです。

 実は、上海人の間でこの100%ジュースが飲まれるようになったのは、ここ数年のことです。私の記憶では、90年代の半ばから後半にかけて、こういったジュースを買うのは一部外国人しかおらず、品数も欧米の輸入品がチラホラある程度で値段が非常に高かった印象があります。

 そこに、切込みを書けたのが「味全」ブランドの100%ジュース。1000cc前後で価格は約12元、手ごろな値段が受けてか、「ジュースを飲むぐらいだったら果物を食べたらいい」程度しか思っていなかった上海人のこころをつかみます。中国では炭酸飲料やわけ分からない清涼飲料水が多かったけど、最近の健康志向の高まりで、多くの店にも並べられるようになりました。今ではローソンやファミリーマートなどのコンビニにもあります。最近では朝にちょっと飲んでいる小姐も見かけることが多いです。

 それと前後して、中国の巨大牛乳メーカーの「光明」もこの100%ジュース市場に参入、価格もほぼ同じレベルに設定され、2社独占か、と思われるぐらい競争を進めていました。

「野菜生活」、中国語では「果蔬生活」となります


 たとえば、「味全」ブランドがおまけに小瓶のジュースをつけると、「光明」ブランドもボトルのおまけをつけるなど、明らかに両者を意識した競争が繰り広げられます。さらに、隣同士の位置で売られることが多いため、ライバル意識はみえみえです。

 そして、この2社独占の100%ジュース売り場に、最近カゴメもドンと売り場に面積を占めるようになりました。パッケージをみると、カゴメも「防腐剤なし、無着色、無香料、無砂糖、無食塩」を前に出しています。最近、こういった添加物の問題を気にする上海市民が増えているのです。

 値段は、先行の2ブランドよりも1元〜2元程度高め。個人的には、味も濃く、果肉も多く、さらに日本で慣れ親しんでいたカゴメブランドが好きなのですが、今後の健闘を期待したい限りです。

 多少お金を出しても、いいものがほしい。今まで安ければよいと思っていた市民の意識が、徐々に変わりつつあります。

 そして、食に対する市民の経済の格差も広がりつつあります。

 
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類