最低気温がついに30℃の大台に乗りましたね。いやー、暑い!
夏対策として、中医学では昔からいろいろな工夫がされています。やれ中医学、やれ薬膳と書けば大げさですが、体の温度を下げてくれて、さらに胃腸にも優しい中華料理の食べ物に、「緑豆湯」があります。
この時期、講演などがあれば、必ず皆さんにご紹介しているのが、冷たく冷やした、「緑豆湯」。この時期は非常においしい。
これは、緑豆そのものの性質と関係があります。緑豆は小豆よりもさらに小さい緑色の豆で、中華料理でもよく使われます。その性質は涼・甘なので、火照った体を冷やしてくれるけど、甘の性質から分かるように、内臓に優しいのが特徴です。
その中医学的功能は、熱を冷まして解毒するため、昔から毒性の強い生薬の飲みすぎなどで発生した中毒症状を緩和させるために使われました。さらに、「解暑」といって、夏の暑さを吹き飛ばしてくれる作用や、喉の渇きを癒してくれる作用もあります。利尿作用もあるので、熱を尿から出してくれます。
この緑豆を使った料理の代表が「緑豆湯」で、中国人一般のごく普通の家庭料理として広く親しまれています。作り方は至って簡単で、100グラムの緑豆を30分ほど水に浸けて、私は炊飯器に水1.5〜2リットルの割合でいれて、砂糖を少々加えます。
炊飯器はご飯を炊く要領で調理開始。
緑豆を炊くときに、百合根なども一緒に入れて炊くと、さらにおいしくなります。百合根は生薬にも良く使われる食品で、中医学的には咳止めや、精神を鎮めてくれる働きもあります。
食べるときは、氷を入れたりして冷やすとおいしいです。夏場、冷やした緑豆湯を食べるとなぜか思い出すのが大阪の蓬莱「551」のアイスキャンデー。昔食べた味になんとなく似ているのです。
緑豆や百合根は上海のどこのスーパーにでも売っています。