ところで、たった4、5日間の天津滞在でしたが、いろいろな発見がありました。天津人と、私が日ごろ接している上海人とは、思考から行動様式まで、何から何まで違うということも分かりました。
天津人は、非常に見知らぬ人とのお話が大好きです。私が街角で写真をとっているときでも、無数の人たちに話かけられました。
「そんなボロ建築を撮ってどうするの?」「いや〜、趣味だから」
こんな会話がもうn回ありました。
さらに、こんなことも。
上海同様、天津にも客引きやダフ屋によく声をかけられるのですが、上海と同じように、相手を無視していると、
「北京までのバス、乗らんか?」 「・・・・・」
「もうすぐ出発よ」「・・・・・」
「一言ぐらい返事せい!」「・・・・」
とまあ、だんだん口調が厳しくなってきて、怒ってしまいました。どうやら、天津ではいらないときは「いらない」とはっきりと言ったほうがいいのかもしれません。
でも、いいなあ〜と思ったのは、「服務員」(「小姐」は禁句)の皆さんの気さくなこと。なにか質問しても眉間にシワを寄せて、アゴで答えるような人はほとんどいませんでした。
上海と天津では、他人との接し方でもかなり違いがあります。それが北方人特有の「メンツ」文化と関係しているのか、この点は興味があります。
最終日、天津の街を存分に歩きました。
まず、駅に荷物を一切預けて身軽になり、駅から天津の上海南京東路といわれる、濱江道を走破しフランス人が作った教会を見学。この教会は必見です!
そこから天津の目抜き通りである南京路の伊勢丹を見学。ここでは日本の食材が手に入ります。そこから、営口路、馬場路、成都路、貴州路、桂林路・・・などなど租界時代の建築物をチェック、走破しました。
さらに上海ではなかなか手に入らない炸醤麺のタレに使う調味料、乾豆醤をカルフールでゲット。 さすが、天津ですね、北京の有名なブランド「王致和」のがありました。「王致和」の臭豆腐は有名で、上海でも売られています。
こうやって街中を歩き回るとあっという間に鉄道の発車時間に。夕食は街中にあふれている韓国料理屋で冷麺を食べました。
天津は、その昔、北京から韓国行きの航空便が飛べなかったとき、天津が玄関口になっていたので、韓国人が元々多い土壌なのです。
天津ではいろいろなお土産品がありますが、その代表は揚げ菓子である「麻花」、かわいいサイズの肉まん「狗不理」が有名ですが、さらに満州族のピーナツお菓子である1830年開業の「果仁張」という老舗メーカーがつくった「長生果」もなかなかいいです。入れ物もまさにピーナツ。甘い衣がつけられていて、思わず食が進んでしまいます。
いやはや、中国を歩き回ると毎回大きな発見があり、これが私の好奇心をかきたててくれます。天津もこれからの発展が十分に期待できるところです。中国といえば、上海・北京・広州・深センなどがビジネスの場所として選ばれがちですが、天津などちょっと存在感が薄く、だけど国が力を入れているエリア。だから私はいろいろな面で「穴場」だと思います。
こう見てみると、上海は便利で不自由が少ないけど、そろそろ開発しつくされ、いろんなコストも上昇する一方だし、競争が激しすぎて…、みたいなイメージがありますね。
ちなみに、天津ではスイカが500グラム0.4元程度。上海では0.9元〜1.2元程度なので、物価の違いが明らかですね。上海では、流通に多くの業者が入り込んでいて中間搾取されていて、非常に物価が高いのです。
最後に、天津滞在中、多くの方からメールをいただいておりますが、まだお返事が全部かけていません。今しばらくお待ちください。