2006年09月22日

王宝和のカニ

 魚介類の宝庫で、日本の東北から来られている永田先生に、上海蟹を。。。というのもなかなか言い出しにくいもので、今回の先生のご訪問に関しては蟹はパスかな、とか勝手に想像していたのですが、病院の外来の帰りに先生がふと、「上海蟹たべてみたいねえ」とおっしゃり、それではと案内することになりました。

 上海蟹といえば、観光客ならまずは思いつくであろうレストラン、王宝和に行くことにしました。何を隠そう、この私も上海に10数年住んでいますが、ここに行くのは初めて。王宝和というレストランそのものは、かなりの老舗で創業250年の歴史を持っています。今ではすっかりおなじみになりましたが、私は福州路603号にある店に予約をいれました。

 上海蟹といっても、東北地方ではモズクガニで食べるものだし、むしろ毛ガニやらなんやらと海の珍味が多いわけですから、はっきり言って日本人には上海蟹はインパクトが薄いですが、上海蟹には中華料理の食文化があり、そういう意味では上海で食べてみるのはよいかもしれません。

 最近の中国への観光客ブームで、蟹そのものよりも「上海蟹」という蟹の名前が一人歩きしているようで、こちらも何か気まずいものです。

 これから上海にこられて蟹を食べる方も多いかと思いますが、今の時期の蟹はまだいまひとつです。今年は9月15日前後からいわゆる江蘇省陽澄湖の蟹が上海でも売られていますが、まだ大きさも小さく、ミソの入りもいまひとつでした。やはりベストのシーズンは、10月中旬から11月中旬にかけてのころで、この時期なら結構「おいしい」といえる蟹に出会える確率は高いかと思います。レストランの値段にして500グラムで300元前後というところでしょうか。


カニカニづくしの王宝和です


 今年は、蟹の生産地で、生産地をブランドに取り入れて売り出すところが増えました。生産地をはっきりいれて売る方法は、蟹の大消費地である香港では早くから取り入れていましたが、ここ上海でもやっと普及してきたようです。さらに、蟹を専門にうる店もこの秋口から市内に登場しだしています。ちょっとのぞいてみて、自分で蟹を調理してみるのも一興です。

 というわけで、王宝和の蟹体験はいまひとつでしたが、結構おいしかった一品がありました。この日食べた「蟹粉豆腐」はよかった。「蟹粉豆腐」とは蟹ミソなどを豆腐にまぶしたものなのですが、あたりはずれがおおいおかずの一つです。今日たべた「蟹粉豆腐」は、蟹ミソの風味がしっかりと効いていて、とても食べ応えがありました。

 先生に感想を聞いてみると、「まあ、こんなもんでしょう」とお返事をいただき、豫園でたべた「ショウロンポー」よりはおいしかったということでした。

 べも、上海蟹は食べるのが面倒ですよね。。。。毛ガニや松葉ガニのように豪快に食べたいものですよね。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

2006年09月21日

「闇チェン」はもう昔物語

 病院での研修に来ている医師の永田先生は、70歳に近いお年なのに、非常によく行動的に走り回っておられます。ご自身も開業をなさっているのですが、今でも1日100人近い患者さんを毎日診察なさっているそうで、敬服します。ぱっと見た感じは50代かなとか思ったぐらいでした。

 私の恩師の教授ももう70歳近いけど、学会の理事をするなどますます忙しくなってきています。来週からはカナダの医師の招きでカナダに飛ぶらしく、中医は年をいけばいくほど経験をつむので本領を発揮するのです。
 一般に中医大学を卒業後、臨床を5年したらようやく中医学入門で、人に見せられる処方が書けるようになるのは50歳を超えてからといわれます。とても一朝一夕でできるようなものではなく、そのため経済的にも苦しい若年代に、確実な収入が見込める西洋医学に転向してしまったりする医師が少なくないのです。

 そんな永田先生と一緒に、今日は円を人民元に換えるために銀行に行きました。久しぶりに窓口で両替にいったら、いつも銀行にいるブラックマーケットのオヤジ集団はめっきりへったものです。
 今、そういったブラックマーケットで両替するような人はほとんどおらず、閑古鳥が鳴いています。これも上海の大きな変化でしょう。

誰だ!ゴミ箱にタバコを入れたのは。。煙モクモクです 福州路にて


 いくつかの理由が考えられています。

 まず、ブラックマーケットの取締りが厳しくなったこと。これは昨今の金融事情を見ればよくわかります。
 それよりも、もっと根本的な理由は、人民元の上昇スピードが90年代と比較すると非常にはやくなり、ブラックマーケットで利益を稼ぐことが難しくなったことが大きいようです。日に日に米ドルの価値が下がるわけだから、商売になりませんよね。私が上海に来たころは、対ドルレートはずっと同じでしたから。

 さらに、昔は上海市民が正規で購入できる外貨が限られていて、留学などを考えている市民はどうにかして外貨がほしかった。さらに、21世紀にはいってB株にも市民が投資できるようになると、外貨の調達に人々は走り回り、外国人の友達を作っては外貨に買えたいと電話する熱心なおばちゃんもいました。
 でも、今は上海市民でも毎年2万ドルまで外貨を購入することができるようになりました。わざわざ非合法や偽札のリスクを背負ってまで、ブラックマーケットを活用する意味がなくなったのです。

 「黄牛」といわれた彼らは、いまはチケットのダフ屋販売などをしながら生計を立てているそうです。なかには、培ってきた経験を買われて、先物市場のコンサルティングなどに転向している人もいるそうで、世の中にはまだまだいろいろな商売があるものです。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

2006年09月20日

「美しい国、日本」って結局なんなんだろう?

 9月20日、自民党の総裁選挙があって、新しく安部普三氏が自民党総裁になりました。

 政治ネタはブログに書かないのが私のモットーだけど、小泉さんから安部さんに代わるいわば「歴史的なできごと」なので、一応一言だけ。

 キャッチフレーズで使い尽くされてしまった言葉、「美しい国、日本」。

 中国にいる私からみれば、日本は面積は小さいけど、自然も豊富で。。。。そう言った意味で「美しい国、日本」といつも外国人に紹介していたのだけど、こうやって政治的に使われてしまうと、これからはこの言葉も使えないなあ。

 というか、ニュースで度々取り上げられる政治的な意味での「美しい国、日本」って結局なんだろう?
 
 ちっとも具体的なイメージがわかない。逆にこの抽象性が今度の政権の本当の姿を暗示しているのだろうか?イメージがわかないぶん、変な想像もしてしまってちょっと怖い。

 だったらあんまり期待できないな、とか思ってしまったのは、私だけか?

 まあ、どうせ私たちが選んだ人ではないですからね。

 そういえば、タイでクーデターがありました。
 20日の中国の新聞でも、この事件はトップ扱いでした。

「美しい国、日本」
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類