たとえば、昨今上海のコンビニに増えているおにぎり類やお寿司類に関しても、上海人のほぼ8割がたは電子レンジで温めて食べています。
この前も、コンビニで巻き寿司をかったとき、店員さんが「温めますか?」と聞いてきたので、間髪いれずに「結構です」と断りました。やっぱり、いくら偽巻き寿司でも、巻き寿司を電子レンジに入れてしまうことは、非常に抵抗があります。
ところが、われわれ日本人の食生活を見てみると、意外と冷たいままで食べてしまうことが多い。その典型的なのが、お弁当。
最近、暖かいお弁当も増えていますが、たとえば私が中学生だったころ、冬場を除いては弁当を温めることはなかった。高校のときもそうだった。
当然、日本のお母さんは弁当を作るとき、冷めてもおいしいものを選ぶわけだから、ある意味弁当は冷たいものを食べるというのが暗黙の了解になっているようにも思います。
ところが、上海人に限らず、中国人にとってはこの「冷たいものを食べる」というものが、かなりたまらないということがよくわかります。どこの職場に必ず電子レンジが備え付けてあるし、学校の給食もおかずの温度には非常に気を使っています。
もちろん、中華料理の多くは油をしっかりと使っているため冷えてしまうと非常にまずくなるという特性があるのも原因だと思われます。日本食の場合、仮に煮物でも冷えてしまってからも十分に食べることができます。そういう意味では、日本食は便利ですよね。
だから、弁当として中国人が携帯する場合、熟食のように冷えていても食べられるものを利用します。熱くなければいけないものが熱くなければ箸をまったくつけないことも多々あります。
興味深いのがちょっと山登りをしたときのお弁当。
日本では山小屋の弁当にしてもそのほとんどがおにぎりだけど、彼らはまずおにぎりを作りません。饅頭、すなわち蒸したパンのようなものを弁当とすることが多い。腹持ちはおにぎりのほうがいいと思うのだけど、冷たいご飯を食べるのにかなり抵抗があるらしい。
ただ、逆に日本食は中華料理と比べると体を冷やすメニューが多いので、健康のためにも暖かいものを摂取するように心がけたほうがよさそうです。