2006年10月25日

ちょっと蛇口のトラブル

 食器を洗っていたら、どうも最近蛇口の水の出が良くない。しかも、サラサラの水が出ずに、四方に飛び散るようになったので、蛇口の口を点検したら、案の定、口の部分が壊れていました。

 この口の部分にはネットがあって、水道に紛れ込んでいた細かい砂などを除去してくれますが、これが結構詰まっている。あらためて上海の水にびっくり。

 私の場合、中に使われていた金属が腐食して、さらに中のネットが外れかけ、水が端から漏れてきて、水が散ったのでした。原因を究明して、はたしてこの換えの部品がどこにあるか?

 一応、竜陽路のホームセンターB&Qにいくも、「蛇口全部を交換」なんていうから、頭にきました。

 なんてことない、近くの「五金店」にありました。釘とか工具とか売っている小さな店のことを「五金店」といいます。この蛇口の口の部分の規格は共通のようで、5元で解決しました。この5元も高いな、と一瞬思ったのですが、うれしさのあまり、値段交渉もせずゲット。

 上海では製品を買うよりも部品を買うほうが面白い。本当にいろいろな部品が売られていて、しかも取り寄せなくてもちょっと探せば手に入る。
 「五金店」には駄菓子屋を探検するようなワクワク感がありますね。

 ちっちゃな問題だったけど、これがあるか、ないかで食器洗いの手間がかなり違うのです。

分解すると、左から2つ目のリングが完全に腐食していた
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

2006年10月24日

安いには安いなりのわけがある

 上海で生活をしていて、最近特に気になっていること。

 とくに商売人を中心に、商売に対する誠実さがなくなっているように思います。特に気になっているのは外食産業である、ということはこのブログでも何回も書いていますが、とにかく気になっています。

 以下のことは上海人なら多くの人は知っていると思います。

 上海の街角で売られている肉まん。1個1元程度で安いですね。朝食で食べる人も少なくありません。でも、1元程度でどうやって利益を出しているのだろうと疑問に思ったことはありませんか?これは『新聞晩報』にあった話。

 今、市場で肉を買ったらどんなに安くても500グラム7〜8元はします。肉500グラムで10個ぐらい作れるので、1個1元と計算すると10個売って10元となります。となると、利益率は非常に低いことが分かります。

 そこで、普通の肉を使っていたら、採算が合いません。

 そんな中で使われるのが、肉の製造工程で発生したさまざまな屑肉。これなら500グラムあたり1.5元程度で売られています。それを新鮮な肉と混ぜ合わせて、さらに味を変えて使えば、消費者には分からないという仕組み。

 というわけで、私が肉まんを食べなくなって久しいです。

 みんながみんなそんなことをやっているとは限りません。しかし、最近、お金儲けに走るあまり、そういった汚い方法でお金を稼ごうとする人が多くなっています。もちろん、そういった肉の使用は法律で禁止されています。

 この話では、こうやって肉まんを売っていた出稼ぎ労働者が、良心の呵責に耐えかねて、肉まん売りをやめて、建設現場で働くようになったと書いています。肉体労働のほうが、正々堂々と働いているようで、気が楽だと。

 挙げればきりがありません。果物を甘くするために甘味料を注射して使ったり、少しでも重くするために水を多く含ませたり。。。

 一消費者として、上海で健全に生活していく難しさを感じます。

 ひょっとして、「安い、安い」といってなにも知らないほうが無難なのかも知れないのですが、こうやって十何年も上海にいると、知りたくなくても情報がどんどん入ってきます。

 最終的に、「ひえー、食べるものがない!!」と真剣に悩んでいる今日この頃です。

 原料がこの目で確認できないと、本当に安心できない。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

2006年10月23日

がんばれ、アイさんの旦那さん!

 先週の土曜日、うちの家に来ているアイさん(家政婦さん)から相談を受けました。このブログにも登場しましたが、うちのアイさんは安徽省からの出稼ぎに上海にきています。

 話を聞いてみたら、アイさんの旦那さんが肺癌であるということがわかり、レントゲン写真を見てもらえないか、ということでした。

 もちろん、お安い御用ということで、アイさんは家に帰ってレントゲンをとってきました。胸部レントゲンとCT。見た瞬間に分かりました。それぐらい進行が進んでいた肺癌でした。おそらく、転移も進んでいることでしょう。

 彼ら出稼ぎ労働者には、当然上海での公的医療保険はありません。アイさんとだんなさんの2人三脚で成り立っている家計です。全額自己負担となったとき、抗がん治療も、手術もとても負担できるような金額ではありません。
 おそらく彼の場合、生薬治療だけになることでしょう。中医学がある中国の強みですが、日本と違って、これしかないというようなケースは本当に多いのです。

 今、上海にはすごい数で出稼ぎ労働者が増えています。この増えようは、市中心部にいたらあまり気が付かないと思いますが、郊外にいくととても顕著です。とくに農村エリアでの出稼ぎ労働者が多い。私は、今の上海の農村事情とこの出稼ぎ労働者の問題は非常に密接な関係にあると考えます。

 うちのアイさんのように、家を借りて上海で暮らしているのはまだ幸せなほうで、その多くは、いわゆる条件の悪い職場の宿舎で寝泊りしています。

 彼の職業を聞いてみたら、PVC製造業ということでした。ここから、ひょっとして彼の肺癌は職業的なものに関係あるのでは、という想像もつきます。PVCとは、われわれのマンションで下水道などに使われているパイプのことです。きっと、劣悪な環境で、有害な気体を吸いながら仕事をしていたのではないでしょか?

 彼にはとにかく、元気をつけて、免疫力を高めて、癌に打ち勝つ体を作らなければならないとアドバイスしました。そうやって抗がん剤も手術もしないで、むしろ拒否してがんばっている日本人の患者さんが日本にいるのだよって。

 こういった出稼ぎ労働者たち、特に我々が病院でよく見かける患者となった出稼ぎ労働者たちには、田舎に帰ってゆっくりと静養してほしい。
 上海の、こんな劣悪な環境で仕事に励むより、農村に帰って農業に勤しむほうがどれだけましか、といってあげたいところだけど、いったん都市生活を味わってしまったら、そう簡単に田舎に帰ることができないということも私も十分に承知しています。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類