実は、この日は愛車に乗って、上海浦東の南側エリア、すなわち浦東国際空港のまだすこし南にある東海鎮までサイクリングにいってきました。
途中、孫橋、川沙、六団、浦東国際空港を経由して、東海鎮というルートです。その先、海まで行く予定でしたが、大雨に見舞われて断念。結局往復100キロほどのショートトリップです。
浦東新区を北に進んで、崇明島にいったときはのどかな田舎の風景を楽しめたのですが、逆に浦東新区を南に進むと、車の排ガスといい、ごみといい、環境の悪化を身をもって感じ、上海の環境行政の難しさを肌で感じました。結論から言うと、いま郊外で進んでいる都会でもなくて、さらに農村でもない、中途半端な都市の現状を目の当たりにしたのです。このことについては、明日にでも書きます。
今日はまずサイクリングに見かけた興味深い風景。
ちょうど浦東新区の川沙あたりを走っていたときのことです。
川沿いでおっちゃんやおばちゃんが網で川岸をすくっています。
ザリガニでも採っているのかと思えば、そうではなく、実は川を上ってくる上海蟹をすくっているのでした。
上海蟹はご存知のように、汽水で産卵して親は海のモクズのように死んでしまい、(それで日本でモクズガニというのでしょうか?)卵からかえったコガニたちが上流の沼を目指して上っていきます。そのため、上海近郊の川には、まるで日本でザリガニを捕まえるように蟹がウヨウヨしているのです。
この時期、まだ小柄な蟹がどんどん上流を目指して進んでいきます。
付近のおっちゃん、おばちゃんたちは柄の長い網を持って、川の土手をほじくると、中に三センチほどの上海蟹の子供が入っていました。
で、この蟹をどうするのか?ってきいてみると、食べるのではなく、家の沼に放流するそうです。そうすると、蟹はどんどん大きくなっていく(ハズ)です。
網で捕まえられた蟹の数は半端ではなく、ちょっとすればバケツに「うじゃうじゃ」というほど蟹が入っていました。
いまでこそ、商売人が騒ぎ立てるものだから、蟹の値段がどんどん上がっていますが、一昔、蟹なんて全然価値がなかった、という話は崇明島の農家の人に聞きました。その当時、ブタのえさとしていたぐらいなのですから、想像に難くないでしょう。
いずれにしろ、この時期の江南地方では蟹なしでは語ることができません。蟹はまさに上海の食文化なのです。
すごく小さい上海蟹です。