2006年10月04日

翻訳が進まない、ドツボに陥っている私

 連休の一切のスケジュールを中止にし、遊びに行くことも、取材に行くこともキャンセル。ただ、黙々と出版社に頼まれた翻訳チェックに励んでいます。今日も5万字ぐらい確認しました。外に出たのは、朝の運動と市場への買い物だけ。連休も残るところあと3日。ざっとみてもあと15万字はありそうなので。。。、うう、気が重い。

 読書好きの私の彼女は、これぞばかりにどっさりと本を我が家に持ってきて、読書に励んでいます。連休こそ、読書だそうです。
 隣のテーブルでサトウキビをかじりながら本を読んでいます。これからの時期、上海でもサトウキビがおいしくなりますよ。中医学的には、これから乾燥する秋に、陰を養ってくれる作用があります。しかし、これを噛み砕く頑丈な顎と歯が必要です。上海の小姐は意外と平気です。

 ただ、せっかく気候のいい秋。外に出ないといけないので、この翻訳が終わったらマウンテンバイクに乗って、どっか行こうかと話しています。さー、楽しみが増えたぞ。 

 日本語と中国語はある意味ではいろいろと似ている点があるので、最近中国語を翻訳する日本人翻訳家が増えているそうですが、だからこそドツボにはまりやすい。

 いまやっている本は、中医学のある教科書なのですが、陽や陰や熱や寒やカラクリガいっぱい出てくる。文法と中医学をよくしならいと、とにかく間違いやすい。

 たとえば、 「熱以寒鬱、肺失宣降」という表現。

 ここの「以」は受身的使い方で、「被」に置き換えられる。だから、「熱が寒によって鬱積される」わけで、すなわち体表の寒邪により体内に熱がたまって熱鬱状態なのだけど、受身構文が読み取れなかったら意味が逆になってしまい、寒鬱状態と勘違いしている翻訳者が少なくない。もう3箇所もみつけた。
 寒鬱状態だと体の中が寒くなってしまうわけだから、これはでは意味がまったく逆。当然使われる生薬も変わりますよね。

 こういうミスを一つ一つ洗い出していく作業。。。

 あああ。いつになったら終わるのだろう!

posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類