2006年10月20日

静安区の同楽坊

 最近、上海でちょっと話題になっている場所に同楽坊があります。

 これは、趣向としては上海の観光スポットとなってしまった「新天地」のような系統のアミューズメントスポットを目指すもので、場所は地下鉄静安寺からさらに北にのぼっていって、西康路と余姚路の角にあります。
 交通は、新天地に比べるとかなり不便。とくに夕方繰り出そうものなら、タクシーでの移動になってしまうし、バスで行こうと思っても、かなりの上海通ではないと路線を見つけ出すのは難しい。

 新天地と大きく違う点は、新天地が古い住宅、いわゆる石庫門を再生したのに対して、同楽坊は古い工場の再生を試みている点です。

 もともと1940年代前後の工場が集まっていたこのエリアですが、その後上海市政府の都市再開発に伴い、2005年4月にベンチャー企業などが集まって新しいタイプの娯楽地を目指したようです。

 総面積は2万平方メートル、総投資額2億元。確かに、おおきな建物が多く、それなりに雰囲気はできていました。

 ただ、完成したというのも名前だけで、まだまだ多くの場所が工事中。私も金曜日の夜に訪れてみましたが、どこの店も閑古鳥が鳴いていました。

 私が出かけたのは、夕方の6時半ごろ。同楽坊のメインストリートを歩いていたのは、私だけでした。

 計画によると、店舗の7割以上がバーやレストラン、芸術関係の作品を売る小売店だそうですが、果たしてどうなるか?今のところ、一部は営業を始めていましたが、どこも工事中。こういう完成の仕方っていうのは、いつも思うけど中国らしい。

 さらにかなり鳴り物入りだったのが、世界でも有数のファッションモデルの会社がここにバーを開設していて、若いアーティストたちに発表のチャンスを与えるというもの。しかし、金曜日の夜だいというのに、この暗さではなあ〜。

 崇明島とかだったら、人がいなくても違和感無いけど、こういう場所で人がいなければ、話にならない。

 

 香港の瑞安集団が上海新天地を成功させて、上海の各区でも「・・・新天地」と名をつけて、すっかり使い古された「新天地」という言葉。

 実は、我が家の裏にある「大拇指」広場も「浦東新天地」とウワサされてOPENて、1年以上たってやっと結構店も詰まってきたけど、まだまだ当初の見込みに達していない。

 投資、投資とハコを作るのは良いけど、実際にどういう店がどの程度はいるのか、そしてOPENするときぐらいは、我々がいきたくなるような空間を作っておいてこそ消費者の足が向くのに、いつできるかわからないというのでは、話にならない。

 最近の上海の娯楽施設、どこも同じようで、みんな高所得者がたくさん消費することを狙っているけど、そう思惑通りになるか、かなり疑問を感じている昨今です。

 私は正直言って食傷気味で、週末は家でゆっくりくつろぐ派になってしまいました。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類