ここ数回、このブログでは食の安全について書いてきました。今回は、食の影響について、実際に臨床で見られる現状をご紹介しましょう。ちょうど、中国のマスコミでも大きく報道されていました。
以下の内容はいつも私も自身の講演会などでお話しているのですが、上海で生活される親御さん、ぜひ知っておいてください。
1.早熟問題
これは、以前から中国で問題になっています。極端な話、女の子で6歳前後生理が始まるという報告を、小児科の先生から聞いたことがあります。いま、上海でも早熟の問題が深刻化しています。なぜか?
それは、動物などに使われている成長ホルモンが原因であるといわれています。特に気をつけないといけないのが、レバーなど動物の内臓。この安全基準が厳しくなったのは、まだ最近ですし、それが徹底されているという保証もない。また、果物なども要注意です。上海産のものならともかく、地方産の果物で成長促進剤を使っているケースがいまだに多いのです。街の行商人が売っている巨大イチゴや巨大キーウィ、これら不自然なものには、なにか細工がされていると疑うべきでしょう。
この焼き芋のドラム缶も、ひょっとして有害薬品が入っていたかも 2.露店の油条は食べない
私のある友達が、日本で油条の店を開きたいと相談にきたことがあります。しかし、結局は成功しませんでした。実は、油条を安く膨らませるために、アルミニウム化合物を使っているのです。実際、アルミニウム化合物を使わなくても膨らませることができるのですが、コストがかかる。今年行われた上海市の調査でも、大手の中華ファーストフード以外では、悉く不合格になっていました。
油条だけではありません。道端で売られているスナック菓子にも、同じようにアルミニウムが含まれていることが報告されています。正規の菓子製造工場が作ったものならともかく、とにかく「道端」で売られているもの(露店も含む)は食べないことです。
アルミニウムを多量に含む食品を摂取すると、特に子供に対しては知能の発達に影響するといわれています。また、骨の形成に影響するという報告もありますし、一昔前は認知症にも影響するとかいわれました。
当然、揚げ物の油の問題もあります。露店の多くでは、再生利用したろくでない油を使っているのは、想像にお任せします。
3.抗生物質が効かない
イシビラメにしろ、桂魚にしろ、いずれも問題となったのは残留抗生物質。上海の医師たちの研究で、医療現場での抗生物質の濫用(この問題についても、後日触れましょう)以外にも、実は食品から摂取している抗生物質が、抗生物質の効きを悪くしているという研究成果が出ています。
食品の場合は、日々口にしているだけに、累積されやすく、いざ抗生物質が必要なときに、抗生物質が効かない、そんなことが上海の臨床現場でも実際に発生しているのです。また、こういった不自然に添加された抗生物質が、アレルギー反応を起こすというデータもあります。そのため、中国ではアレルギー体質の人に対して、極力魚介類を摂取しないように指導しているのです。(もちろん、蝦類などはもともとアレルギーを引き起こしやすいですが)
どういった魚介類が安全なのか、そういった知識は日本以上に大切です。
さらに、お子さんをつれて上海で生活される場合は、日本にいるときよりも、ずっと慎重に食品に接する必要があるかと思います。日ごろ、そういった知識を、お子さん自身に知らせておくことも大切ではないかと思います。
「高いものには理由があるが、安いものにも理由がある」のです。
posted by 藤田 康介 at 00:00|
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