古くからのドイツ人の友人が、うちのマンションの向かいの一戸建て住宅地に住んでいることが偶然分かり、遊びに来ないかと誘われていってきました。
彼女とは大学時代の同級生で、学生時代はよく遊びにいったものです。そのあと、しばらく音信不通だったのですが、私と病院の外来でたまたまばったり再会。いま彼女は上海で診療所を開いています。欧米人の患者さんが99%なのだそうですが、市内に複数クリニックをもち、自分で車を運転して走り回っています。
私の住む聯洋国際社区から花木エリアには、結構でかい一戸建てが建ち並んでいます。彼女の住んでる住宅地では、各戸の敷地面積がざっと見ても150坪〜200坪はあるでしょう。建物は欧米風で殆ど3階建て。これがまた馬鹿広くて、ホールの天井も広々として気持ちいい。緑豊かな庭には噴水がありました。
ガレージにはトヨタのクラウンと、ジープが停まっていました。ドイツ人だからてっきりドイツ車を運転しているのかと思ったら、意外にも日本車でちょっと驚き。
ちょうど12月に入って、訪れた日はクリスマスの飾り付けに彼女は奮闘していました。さすがに、ヨーロッパ人ですよね。
庭にあるでかいもみの木には電飾が飾られ、夜になったらライトアップ。近くにすむ子供たちが、毎年楽しみにしているのだそうです。
ここの一戸建て住宅に住んでいる人の殆どは、外国人かと思ったらじつはそうではないようです。話を聞くと、買った外国人は彼女の一家だけ。あとは全員中国人だそうで、いわば中国人の富豪が集まっているエリアなのです。
ただ、どうもにわか「富豪」が多いからか、近所との小さなトラブルが多いそうで、今度は弁護士をたてて訴えてやるとすごんでいました。
家がでかいだけに、家の管理は大変。家族は3人だけど、ペットは犬2匹に猫3匹、アイさんは庭掃除専用の人、家の中専用の人2人と合計3人も雇っています。これだけ広けりゃ、それぐらいはいるでしょうねえ。
リビングには本物の暖炉があり、中国に住む多くの欧米人のように、調度品には中国のアンティークが所狭しと並べられていました。
手作りのケーキとドイツのお茶をいただきながら、久しぶりの再会に話が弾みます。
生まれて7ヶ月の子供がこれまたかわいい。お土産に持っていった「クマのプーさん」のぬいぐるみ、喜んでくれたようです。ちゃんとディズニーの専門店で買った本物だからね。
うちの大学の卒業生の中でも、彼女は成功したうちの一人でしょう。しかし、彼女いわく、成功したからこそ、中国人の中医学の同業者、とくに母校などとの関係が難しく、今度50周年を迎える母校の記念式典には招待状すらこないとぼやいていました。
中医学の世界って、本当に狭いのです。嫌がらせはなくても、難癖をつける中国人同業者は多いといっていました。
外国人が中医学をマスターし、趣味ならともなくそれを中国でビジネスにすることは、中国人にとっては正直、犯されてはならないテリトリーを犯されたような感情を抱く人が多いのではないでしょうか。学歴や収入があがるほどそれが顕著な傾向があります。
中医学を世界に広めようと躍起になっている中国ですが、その主役はあくまでも中国人でなければならない。話を聞いてみると、一種の「中華思想」がその根底にあると思います。
ちなみに、上海にはドイツ人が8000人ほどいるそうです。VWもあるし、もっと多いと思ったら、意外に少ないのですね。
2006年12月02日
暖炉の火にあたりながら、過ぎ去った日を語り合う
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類