2006年12月04日

日本人の5倍の油を摂取している上海人

 またまた衛生部から通知がありました。浙江省で有機リン系の劇毒農薬を含む劣悪なラード事件、さらに残飯や工業用油から加工したラードが発見され、中国衛生部が緊急通知を発表、年末から来年の春節にかけて食用油に対する取締りが強くなる見込みです。

 特に、中小のレストランで使われている揚げ物の油、さらに廃棄処分された油が再生利用されていないか、上海市でも検査を強化するようです。

 中華料理には欠かせない油だけに、もっとビシビシ検査してほしいものです。


 ここで、上海人の油の消費について一言。

 外来の中国人患者さんを診ていると、メタボリックシンドロームの人が非常に多いのが今の上海の現状です。最近では、尿酸値が高い人もどんどんひっかかってきます。明らかに動物性たんぱく質の摂取しすぎです。
 ましてや、上海人のように小さいときから油の摂取に慣れていない日本人は、なおさら注意が必要です。


 ちなみに、日本人が1日に摂取する食用油の量は10グラム〜12.5グラムぐらい(国民栄養調査結果)。これに対して、上海人の1日に摂取する食用油の量は49.7グラムとほぼ50グラムとなっています。(2005年のデータ)この数字を見ただけでも、いかに上海人の食生活が不健康なのかが分かります。そりゃしょうでしょう。上海料理の多くで「揚げ物」が使われ、さらに、それが好物な人が多いわけですから。だから、上海で、特に外食の中華料理を毎日食べていたら、間違いなくメタボリックシンドロームになります。接待料理は特に恐ろしい。。。中国人の頭の中には接待=肉類のオンパレードという構図がありますから。

 さてさて、中国栄養学会が推薦する1日の食用油の摂取量は25グラム未満。レンゲに2杯分の油がこの量だそうですが、この数値からしても、上海人の食用油の摂取は多すぎ。そういう意識がまだ消費者の中にも薄いし、飲食店となるともっと薄い。特に、恐ろしくでかいボトルに入っている油を買っている市民が多いですが、ボトルが大きいために鍋に入れるときに入れすぎているという指摘もあります。野菜も油べっとりで炒めなければ、上海料理ではないという人もあるぐらいなのですよ。

 上海で健康に暮らすには、とにかく自炊を心がけるしかないのです。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類