では、昔は何をつかっていたというと、実はトイレットペーパーがその代わりを果たしていました。
丸いプラスチックの容器にトイレットペーパーを入れて、ティッシュ代わりに使われていたのをよく目にしました。食堂でも、いまでも田舎に行けばトイレットペーパーが健在です。
ところが、このトイレットペーパーとティッシュペーパーは、その材質が根本的に違うようです。つまり、お尻を拭く紙と、食卓で使う紙では中国の衛生基準が違うということを私も最近上海人から教わりました。
たとえば、トイレットペーパーの場合、細菌の数は1グラムあたり400個以内なのに、ティッシュペーパーの場合は、200個以内と厳しくなります。また、ティッシュペーパーの場合、中国ではパルプや竹など紙の材料しか使えないのに、トイレットペーパーの場合は、再生紙の使用も認められていて、漂白剤なども場合によっては品質の悪いものが使われているそうです。ちょうど、以前にご紹介したビニール袋の話と似ていますよね。これら漂白剤が、アレルギーや喘息の原因になる可能性も指摘されています。
確かにトイレットペーパーのほうが値段がいくらか安い。0.5元(約7~8円)もあれば一巻き替えます。それに対して、ティッシュペーパーなら1箱5元〜6元程度(約70〜90円)。単純には比較できないけど、レストランなどだったら、当然安いほうが喜ばれますよね。
上海人と行動すると、ハンカチをもっていなくてもポケットティッシュは大抵もっています。その背景には、外で使われている紙が非常に「あやしい」という自己防衛作用が働いているようです。