2006年12月12日

ティッシュペーパーとトイレットペーパー

 上海で生活して、経済の発展に気づく商品はいろいろありますが、私はその中でも象徴的なのがティッシュペーパーだと思うのです。実は、10年数年前はまだティッシュが上海であまり普及していなかったのを覚えています。確かに、商品はあったのですが、とにかく値段が高くて、買う市民は殆どいなかった。でも、今日日、上海の家庭では大抵置いてありますよね。時には「無駄遣いじゃないの」と思うような使い方を眼にするようになりました。そういう我が家にも、ティッシュの箱が各部屋においてあります。

 では、昔は何をつかっていたというと、実はトイレットペーパーがその代わりを果たしていました。
 丸いプラスチックの容器にトイレットペーパーを入れて、ティッシュ代わりに使われていたのをよく目にしました。食堂でも、いまでも田舎に行けばトイレットペーパーが健在です。



金茂大厦(左)と「上海ヒルズ」(右)、「上海ヒルズ」と呼んだらだめそうですが。。


  ところが、このトイレットペーパーとティッシュペーパーは、その材質が根本的に違うようです。つまり、お尻を拭く紙と、食卓で使う紙では中国の衛生基準が違うということを私も最近上海人から教わりました。

 たとえば、トイレットペーパーの場合、細菌の数は1グラムあたり400個以内なのに、ティッシュペーパーの場合は、200個以内と厳しくなります。また、ティッシュペーパーの場合、中国ではパルプや竹など紙の材料しか使えないのに、トイレットペーパーの場合は、再生紙の使用も認められていて、漂白剤なども場合によっては品質の悪いものが使われているそうです。ちょうど、以前にご紹介したビニール袋の話と似ていますよね。これら漂白剤が、アレルギーや喘息の原因になる可能性も指摘されています。

 確かにトイレットペーパーのほうが値段がいくらか安い。0.5元(約7~8円)もあれば一巻き替えます。それに対して、ティッシュペーパーなら1箱5元〜6元程度(約70〜90円)。単純には比較できないけど、レストランなどだったら、当然安いほうが喜ばれますよね。

 上海人と行動すると、ハンカチをもっていなくてもポケットティッシュは大抵もっています。その背景には、外で使われている紙が非常に「あやしい」という自己防衛作用が働いているようです。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類