2006年12月15日

「新上海人」の結婚式

 この日、新郎が上海から車で花嫁さんを迎えに来ます。

 私は朝7時ごろに起きましたが、新婦さんの実家では家に装飾をしたり、赤いじゅうたんをひいたり親戚総出で準備をしていました。そして、車で上海から迎えにくる新郎さんを待ちます。新婦さんは、この間に化粧をしたり、ウエディングドレスに着替えたり、大変。専門のスタイリストさんも、前日から実家に宿泊していました。

 日本だったら、感動シーンともなる新婦の旅立ちだけど、中国の場合はむしろにぎやかに祝福することが多い。今年、中国人の結婚式には何回も参加したけど、「感動」している結婚式は1つもなかった。お国柄の違いでしょうか。

 あいにくの濃霧で、瀘寧高速道路は通行止め。朝6時には上海を出発し、予定では9時ごろにはつくはずだったのが、遅れに遅れて午後1時ごろにやっと到着しました。新郎の車はBUICKを先頭に5台。ご苦労様です。
 
 新郎は江西省出身で上海で働く「新上海人」。新婦のほうも江蘇省常州出身の「新上海人」。最近、上海ではこういうカップルが増えています。どちらも上海人ではないから、遠路はるばるということになったのです。

 新婦の家の近くまで行くと、さっそく車に花を飾って装飾。さらに、爆竹隊が新婦の家の前に爆竹を設置して、花嫁を迎えに行きます。新婦の実家の向かいは学校になっていて、寄宿している生徒たちが一斉にこちらを向いて祝福していました。これだけ爆竹を鳴らしたら、結婚とすぐ分かりますからね。

 新郎が新婦を抱きかかえて、出てきました。いよいよ門出の瞬間です。

新郎到着


 ところで、私と私の彼女はそれぞれ「伴郎」、「伴娘」を担当したわけですが、何をするかというと、新郎・新婦にくっついていろいろお世話をするわけです。例えば、ドアをあけてあげたり、スカートのスソを持ってあげたり。
 この役を担当できるのは、未婚の人だけで、そういう意味では私たちは貴重な存在だったのでした。まあ、独身最後の経験になるのでしょうか。

 あと、私たちの仕事として宴会では新郎・新婦さんの変わりにお酒を飲まなければならなのですが、私たちは2人とも「下戸」。とても代わりにお酒を飲んであげることはできません。
 新郎・新婦さんもそのことをよく知っていた上での依頼だったので、問題はなかったのですが、普通は「酒豪」がこの役につくのです。ですから、お酒の弱い方は間違っても引き受けないように。(笑)
 
 さて、新婦の家は、伝統ある「中医学の家系」のためか、しきたりをきっちりと守って行うため、それはそれで結構大変でした。嫁入り道具一式を5台の車とマイクロバスに入りきれないぐらい詰め込み、いざ上海へ出発。結婚式場に向かうのでした。

 本当なら、新郎の新居にいって、それから式場にいくのですが、今回は上海での交通渋滞がたたって間に合わず。予定を急遽変更して、式場へ直行しました。来賓が着ているのに、受付いに新郎・新婦がいなければやはり変ですからね。

 中国らしいというか、何事もスケジュールがないため、私も何をしたらいいのかさっぱり分からず。突然になっていろいろ指図をうけ、私たち2人とも会場を走り回っていました。まだまだ業者に完全に任せられるぐらい安心できる結婚式は上海にそうないようです。

 式場では10人がけのテーブルが18卓。規模としては、中規模の結婚式ですが、このために費やしたコストが10万元(約150万円)だそうで、年々コストが上がっていることが分かります。

 とにかく、無事に役目を果たせてヤレヤレ。またまた自分たちの結婚式のための勉強ができたなと。

 ただ、友人たちの結婚式に出れば出るほど、自分たちの結婚「式」への夢がどんどんなくなってきて、最近ではうちの彼女、「ウエディングドレスも要らない」と言い出しています。
 理由を聞くと、「中国人がウエディングドレスを着るのは変だ、下手したらおのぼりさんのように見えてイヤ」といっています。

 これは私も同感。中国人女性は「チャイナドレス」のほうがずっとひきたつと思っています。

 しかし、今回も結婚式でのドラマがなかった。こういう演出って、中国人は下手なのかもしれません。感動を演出できるのは、日本人の特技の一つなのかも??
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類