2007年01月12日

闇チェン屋、もう商売やっていけない

 先日、いつも行きつけの工商銀行にいったところ、相変わらずヤミで人民元を日本円に交換して生業にしている楊さんがいました。その昔、台湾人や外国人の学生が彼を通じて学費などの両替をして儲けていたのでした。

 彼に限らず、外灘の中国銀行や、徐家匯などにもそういった闇チェン屋が上海にはたくさんいました。ただ、いまではその姿もいまでは殆ど見かけません。

 もちろん、闇チェン屋は犯罪行為であるので、当局の取り締りにあったということもあるでしょうが、それよりも人民元がどんどん強くなって、中国人のドル購入の規制がゆるくなってきたことに関係あるのでしょう。目ざとい闇チェン屋は、さっさと職業が替えです。

 その昔、中国人にとってドルを手にいれることは大変なことでした。1998年〜2003年までは、香港・マカオに渡航する人は1000ドルまで、それ以外の海外に出る人は2000ドルまでしかドルが購入できませんでした。

  この当時、海外に留学する中国人にとって、外貨の獲得はその当時はそれこそ大変なことで、だからこそ闇チェン屋が暗躍できたのです。

 それが、2003年からは海外に半年出る人は3000ドルまで、半年以上出る人は5000ドルまで購入が可能になり、いくつかの段階を経て、2006年5月には1人当たり年間2万ドルまでに拡大、2007年2月からは年間5万ドルまでの購入が可能になります。

 しかも、中国ではおなじみの「銀聯カード」を使えば、日本を含めた海外のATMから中国の口座にある人民元を円で引き落とすことができるようになったし、手数料を考えても十分に使えるサービスに成長しました。

 もう、外国人もいまさら闇を使ってわざわざ両替するような人はいないでしょう。両替用の窓口は、多くの銀行で優先して手続きしてくれますし、なにより闇チェン屋を使っても銀行レートと大して変わらないし、偽札の心配もある。

 この楊さんも、もう商売あがったりだろうな、とか思いつつ、彼もいつまでこの銀行のソファーに座って仕事をするつもりなのだろうと、余計なおせっかいを考えてしまいました。

 これから、中国人で外貨を使った投資に参加する人がどんどん増えてくることでしょう。元マネーが世界を圧巻する日も近い?? 社会は確実に変化していっているのです。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類