2007年02月22日

結婚証明写真を撮りに行く

 タイトルの通りです。

 中国では、婚姻届を出す際に写真が必要ということで、2人で一緒の写真を撮りに行くことにしました。

 上海市の場合、市や区でいろいろややこしい規定があるようなのですが、私たちは国際結婚となるので、上海市民政局が窓口となるようです。とまあ、まだ問い合わせた段階なので、確かなことは分かりません。
 とりあえず、提出するのに必要な書類を集めています。そのひとつに結婚証明写真というのがあります。

 写真を撮る際の決まりは、背景が赤であるということ。そして、もちろん2人がしっかりと写っていなくてはなりません。

 私たちが選んだ写真館は上海でも老舗の一つである「王開撮影公司」にしました。地下鉄2号線南京東路駅のちょうど真上にあります。最近、ここの写真館の倉庫を整理したら、民国時代の古い写真がたくさん出てきて、新聞などでも話題になっています。

 写真館といえば「王開」といわれるぐらい、上海では知名度があります。

結婚証明写真は赤が背景と決まっています 前の椅子は年季が入っています


 ちょうど、私たちの前には60歳前後のご夫婦が結婚写真を撮りにこられていました。結婚証明書をなくして、再発行してもらうための写真を撮ってもらうためだとか。

 上海人の中高年のご夫婦で、よく2人で手をつないで、仲良くしている姿を見かけますが、こうやって写真を撮りにこられるお二人の姿をみても、すごくほほえましくなりました。上海の場合、女性が優位な家庭が多いだけに、そういった光景もよく見かけることができるのでしょう。私たちもそうありたいと思っています。

 ここのカメラマンとも仲良しになってしまし、ついでに結婚式のカメラもお願いしてしまいました。彼も、オフの日に行ってあげるよ、と快諾してくれ、これで式のカメラマンの問題は解決!

 ちなみに、「王開」では日本のパスポート向けの写真も撮ってくれます。8枚で30元なので、日本で撮るよりも安いかも。ちゃんと専門のカメラマンが撮影してくれますし、デジカメのデータもCDに焼いてもらえます。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

2007年02月21日

20年ぐらい前までは上海にも清流があった、といわれても。

 世間は春節休みだけど、日本が動いているので、仕事が止まらない。まったく、中国では貴重な休みだけど殆ど休むことなく働き続けています。

 ところで、最近になってかなり改善されたけど、上海人の間では蘇州河が臭くて汚いというのは、結構常識になっています。黄浦江も船で渡ると、独特のにおいがまだ残ってますが、ひところに比べればかなりマシです。

 私が知っている上海の河といえば、スミのように真っ黒で、底から怪しい泡がポコポコと沸いていて、流れが死んでしまった、もう地獄絵にような惨状だったのですが、最近いろいろな上海人の話を総合すると、河が汚染されだしたのは、ほんのこの十数年のことらしい。

 たとえば、70年代の後半に生まれた私の大学の時代の同級生などの話を総合すると、その当時閔行区ではホタルが普通に出たというのだから、かなり驚き。

 上海といっても、その当時はほんの中心部分が発展していただけで、閔行区といえばいまでこそベッドタウンになってしまったけど、かなり農村だったのです。そこの住民たちは、市の中心部に行くことを、いまだに「上海に行く」といっています。それだけ中心部へ行くには距離があったのです。

 とりあえず、ホタルがいるというだけでもかなりきれいな河が多かったわけだけど、それだけではどうもピンとこない。

十数年前、このどぶ川でも十分に泳げたぐらいきれいだったらしい


 じゃあ、その当時の閔行区の河はどの程度きれいだったのか?

 もっと具体的に聞くと、少なくとも川底まで透き通っていて、底に生えている水草までがしっかりと見ることができたという。そして、エビや魚が泳いでいたらしい。

 そこまできれいだったら、河で泳ぐことも可能でしょう。一昔の上海人がよく河で泳いだということは、十分理解できそうです。

 その後、たった20年足らずの間に、河はすっかり汚染され、川底はおろか、悪臭で水面すら見る勇気を削がれてしまうような河が上海のあちこちにできてしまったというのは、恐ろしいことです。

 もう一昔前の清流が復活することがありえないでしょう。それにしても汚染の速度が速すぎ。日本の高度成長時代もそうだったのでしょうか。

 

かなり整備されてきたが、昔の姿に戻ることはもう無理でしょう
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

2007年02月20日

改めて感じる、中国人にとっての春節の大切さ

 春節の1日目から2日目にかけて無錫の田舎に出かけて、その場所での文化の違いを感じて帰ってきました。ただ、その一方で、田舎では高齢化が進み、春節文化が以前よりも華やかでなくなっており、急速な現代化が中国の文化に大きな影響を与えている現状を感じました。

 しかし、中国人にとっては春節は非常に重要です。出稼ぎ労働者が家路を急ぐのも、そもそもこの春節があるからこそ、といっても過言ではないと思います。
 中国全国的には、相変わらず労働力が過剰気味で、まだ労働者の権利うんぬんといえるような状態ではなく、過酷な現場で、休みなしで働くのですが、そういった原動力ともなるのが、この春節だと私は認識しています。日本人にとってはなかなか理解が難しいかもしれませんが、単なる帰省ラッシュではないということは確かです。だから、中国政府中央も、貧困層から富裕層まで、みんなが安心して春節を迎えられるように十二分に気を遣っているのです。お金がないから故郷に帰られないとなるとそれこそ暴動がおこるでしょう。

 無錫のはるか郊外、もうすこし先に行くと張家港につくエリアにある港下鎮で過ごした春節。たまたま知り合いがいたというだけのことでしたが、この地区ならではの風習もあったりして、興味が尽きません。

 めでたいものがいろいろと春節で準備されるのですが、たとえば「発財樹(发财树)」などもそうです。この家では、さらに葉っぱにお札をぶら下げていました。広東・香港エリアでは、バキラが「発財樹(发财树)」と呼ばれていますが、どうもこのあたりでは違うみたい。正確にどういう植物なのかは、私にはちょっと分かりません。

 この「発財樹(发财树)」の根元には、餅をおきます。元宵を迎える旧暦の1月15日まで、餅は食べずに置いておくようです。

 さらに、縁起物としてサトウキビも。サトウキビは、節があってそれが成長と発展を意味するものといわれています。



 さらに、この地区では旧正月に食べる点心として、「焼餅」があります。各家庭で作るのですが、小麦粉の生地に、中には高菜の漬物が入っています。面白いのが、味が甘口で全然塩辛くないこと。無錫エリアは、中国でも有数の甘党エリアで有名ですが、こういったところにもその特徴が出ているのです。甘いものが多いというのは、この地区が昔から比較的豊かであったという証拠ともいえます。

 春節に欠かせないお酒。農家では、お米を使って自分で醸造しますが、作り方を聞いてみるとどうやら「どぶろく」に近そう。各家庭で各家庭の作り方があるようですが、この家庭では紅花を入れていました。紅花は中医学の生薬でも使う花で、血の巡りをよくする働きがあります。少し試飲してみましたが、アルコール度はさほど高くなく、非常に飲みやすいアルコールです。

 ところで、さらに発見したのですが、じつは中国の江南エリアにも五右衛門風呂がありました。ここの農家では、つい最近まで使っていたということで、その五右衛門風呂の場所を見せてもらったら、釜がまだありました。
 冬場などは、しっかりお湯につかって温もる習慣があったのです。ただ、昨今では農家といっても農地を持たない農家が多く、薪の供給が難しくなって、使っていないそうです。

 これは、江南エリアの人はお風呂に入らないと思い込んでいた私にはかなりショックな発見でした。お風呂に入らなくなったのは、単にそういう住環境でなくなったのが直接的な原因なのだと思います。


 中国がもっとも中国らしくなるのが正月。いくら科学技術が発達し、高層ビルが建ち並んでも、春節が消えうせることはないでしょう。

 来年もまたどこか違った場所で体験してみたいと思っています。農家の寒さにはかなり厳しいものがありますが。。。

サトウキビ 赤い紙を巻いていました
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類