2007年02月16日

買い物に市民が殺到、いよいよ春節

 中国で生活していると、2回新年が祝えるというのも、なかなか乙なものです。

 16日は小年夜。私たちも春節のためにいろいろ買い物に出かけました。
 今年の我が家の17日の大晦日「大年夜」は、彼女の両親を我が家に呼ぶことにしたため、いたって中国式です。

 その昔、肉や油が非常に貴重で、なかなか手に入らなかった時代の名残か、この時期はありとあらゆる肉を食べます。
 そのため、市内の有名老舗の食材売り場は、もう人人でごった返しています。市民は「白切羊肉」など「熟食」と呼ばれるお惣菜をどっさりと買い求めます。「熟食」は、よく中華料理を食べにいくと前菜に出てきますが、日持ちするようで日持ちしないため、春節の直前になって買い物に行くのです。

 さしずめ、大阪の大晦日の黒門市場のような感じではないでしょうか?上海の場合は、それ以上に人間がいますが。よくぞこれだけ並んで買うものだと感心するほどです。中国人にとっての春節は、日本人にとっての正月より思い入れが強いのかもしれません。

第一食品商店では売り切れの品も続出。混雑にまぎれて喧嘩も続発。


 今年の年夜飯の特徴について、ある雑誌の連載にもレポートしたのですが、家庭で楽しもうという人が多いという点です。この写真のように500元〜600元程度で忘年会セットを売り出しているレストランがたくさん見かけました。家庭で温めたらすぐに食べられるとあって、便利なようです。さしずめ、日本で言う「おせち料理」のパックですね。今日日本でもおせち料理を自宅でつくる人も減りましたが、上海でも年夜飯を自分で作る人は減りました。

 ところで、この年夜飯セットには、ダフ屋が出ていました。なぜか分かりますか?

 この「年夜飯」パックは、券で引き換えるのですが、企業などでは接待とか職員へのサービスということで、社員にチケットを配っているのです。配られた券を回収してくれるダフ屋がいるのです。月餅もそうでしたが、上海らしいですね。

 あと、非常におめでたい食べ物として「八宝飯」も長い行列ができていました。こちらも売り切れ続出のようです。

「年夜飯」のご家庭向けセットを売るレストラン


 そして、地下鉄や南京東路を道行く人たちを観察すると、みんな赤系統の箱をぶら下げていませんか?
 これは、みんなで食事をするときに、年上や両親にプレゼントする習慣があり、そのお土産を持っている人たちです。写真のように、大量に持っていっている人も見かけました。

 お土産としてよく選ばれるのは、健康食品や漢方薬などなど。ほら、一時上海でくどいほどCMを流していた「脑白金」なんかもそうでした。もらったほうも困ると思うのですが、なぜかそういうものを選ぶ市民を多く見かけます。

 ちなみに、私もいつもお世話になっている中医学の恩師にお土産を持っていきましたが、私は実用的な「有機栽培無農薬米」を送りました。

真っ赤な箱に詰められたお土産をもって家族で集合します


 そして、上海に居残っている物乞い集団も、この時期は少しホックホクです。市民のサイフの紐も緩みがち。

 いつもめったに見られない猿回しの物乞いまでも登場していました。上海市では厳しく取り締られたはずなのですが。。。

 結構いろいろな人から小銭を恵んでもらっていました。

 17日は3時ごろから繁華街でも人の往来がめっきり減ることでしょう。みんな家路を急ぎます。

 天気はあいにくですが、これから爆竹と花火の嵐が始まります。17日夜はまるで上海市内全体が花火大会のような大騒動になります。

上海で禁止されているはずの猿回しの物乞いも今日は商売繁盛の様子
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類