中国で肝炎が多く、特にB型肝炎に関しては国民的病気ともいえるぐらい、患者の数が多いことは有名です。上海市内の総合病院では大抵肝臓内科外来がありますが、この場合は普通の病棟とは別棟に設置されています。SARS以来、発熱外来も別棟ですが、それよりももっと前から肝臓内科の外来は隔離された場所に設置されています。
B型肝炎のキャリアの数は、中国全土で1億2千万人いるといわれています。キャリアにもいろいろ種類がありますが、ここでいうキャリアとは、HBsAg陽性でかつ肝機能が正常の患者のことをさします。母子感染でキャリアとなっている人も多いようです。中国でビザを取得するときの健康診断でHBsAgを検査するのは、そのためです。
中国では、法律でB型肝炎キャリアの人は、献血はもちろん禁止で、食品関係の仕事や幼稚園などで働くことはできません。医学生時代、大学の集団献血でB型肝炎キャリアとして献血できなかった人が結構いました。だから中国人がレストランなどで仕事をする場合は「健康証明」が求められるのです。しかし、一方でB型肝炎キャリアの人を肝炎患者として扱ってはならないともなっています。
毎年、就職シーズンとなると、ひっかかってくるのがこのB型肝炎キャリアの人。就職差別をしてはならないことになっていても、最後の健康診断で落とされることが多く、裁判にもなっています。
中華医学会の2005年調査で、B型肝炎キャリアの52%が仕事のチャンスを失っているとしています。キャリアの数が多いだけに、問題も深刻なようです。
健康診断をクリアするために、健康診断の身代わりを頼むツワモノもいます。
2007年02月27日
厄介な中国のB型肝炎
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類