2007年03月31日

診察料が先か、診察が先か

 日本でも最近、患者が医療サービスを受けたときに、「支払えない」、「支払わない」患者が増えていて、一部では病院経営に影響を与えているというニュースを見ますが、貧富の差の大きい中国では、昔から発生している問題で、医療サービスについては、先払いが原則です。

 診察を受ける際、まず診療費の会計を済ませてから、医者のところへ行きますし、血液検査であれ、検査をする際は、まず費用を支払ってから、検査を行います。

 病院と患者との関係で言えば、この場合は明らかに病院の方が優先に考えられています。そのため、緊急時に命が救えなかったというケースが、どうしても発生してしまうのです。病院側も、患者の莫大な医療費が支払えないのなら、治療を拒むということになるのでしょう。

 これではだめだ、ということで中国の厚生労働省にあたる衛生部が最近、「緊急時には、まず患者を救ってから、費用を請求しなさい」という原則を打ち出しました。

 病院救急患者が医療費を支払わない現状は、中国でも深刻化しています。だからといって病院が患者を拒む理由にしてはならないとし、各政府も病院に対しても突発的医療事件に対しての病院への補助も怠ってはならないとしています。

 衛生部では、今年を「病人のための病院」という意識改革を行うことを強く提唱しています。医者と患者の関係改善も、重要な課題でしょう。患者に殴られるような医師をとにかく減らさなくてはなりません。「お金より、診察がまず先」というやり方は、そういった患者への信頼回復につながるのには間違いありません。

 しかし、病院側からすれば、いかにして今でも中国で多発している未払い医療費の問題を未然に防ぐことができるかが、大きな問題となる可能性もあります。

 人類同じ命でも、公平に医療が行えない。格差がある社会の結末なのかもしれません。

 政府の無政策から格差社会を迎えつつある日本も、中国の格差現状を知っておく必要があると思います。明日は我が身かもしれません。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

2007年03月30日

かゆーい、かゆーい

 いま、上海では春の遠雷がなっています。今晩あたり一降りしそうですね。

 実は、めったにないことだけど、湿疹が出てしまいました。

 原因はわかっています。直前に食べたパインナップルとマンゴーだと思います。旬だからといって、かなり勢いよく食べてしまったのが原因でしょう。みなさんも気をつけてください。とくにマンゴーは食べ過ぎると、吹き出物が出やすくなります。

 考えてみれば、春の旬のもので、アクが強いものが多いですね。タケノコなんかもそのなかまでしょう。

 しかし、かゆいこと、かゆいこと。耳のうらとか、皮膚が過敏なところに湿疹ができて、さわると余計に腫れてきてしまう。男性だったら「陰嚢」なんかも発症しやすい場所です。よく性病などと間違う人もありますが、診断を間違えると、治療法が180°変わってしまうので、注意が必要です。


 さて、そんなとき中医学ではどうするでしょうか。

 ステロイド軟膏なんかは使いません。私のよく使うやり方は、生薬を煎じて患部に塗りつける治療です。さっそく、自分の症状から処方を組んでみました。

 自分の体の状態は、よくわかります。体全体がすこしほてっていて、かゆみがある。かゆいところは赤くなっているところから、「血熱」と「風燥」が関連しているのは確かです。さらに、最近仕事が忙しく、ストレスがたまっていて、「肝鬱」の状態で、それが「血熱」を助長して、かゆみを増加させていることも考えられるでしょう。そんなシナリオを立てることを、中医学では「弁証論治」といいます。

 さっそく薬局にいって、自分の「弁証論治」からできた処方の生薬数種類を入手して、煎じました。一つは外用、一つは内服です。
 
 外用に関しては、煎じたものを瓶に詰めて逐一患部に塗るほか、煎じたガラはガーゼに包んで、写真のようにそのままお風呂に入れ込みます。

 不思議なもので、かゆみがウソのようになくなりました。あと数日しっかりと治療すれば、完全になくなるかと思います。

 生薬と言うと、効果が遅いように思われますが、実は即効性もあるのです。治療は早ければ早いほどよいのに決まっています。

オリジナルの薬草風呂


 注意:診断がわからないときは、すぐに最寄りの医者にかかってください。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

2007年03月29日

上海の朝の地下鉄ラッシュにもみくちゃにされて

 今日は朝のラッシュ時間に、ラッシュが上海で最も激しいといわれる地下鉄1号線の莘庄から人民広場、さらに人民広場から地下鉄2号線に乗り換えて、陸家嘴までラッシュを体験してきました。

 まずは、莘庄駅。朝7時半ごろですが、もうホームに入りきれないぐらいの乗客が待っていました。列車はどんどんとやってくるのですが、人の波もそれに負けません。いたちごっこのようにも見えるのですが、まるでベルトコンベアーに部品が運ばれるように、流れていきました。

 こんなラッシュ時に、地下鉄に自転車を持ち込もうとしたツワモノを発見。さすが上海ですね。さらに、ドア開いた瞬間の椅子取りゲームはすさまじく、ドアが開いた瞬間に、バタバタと靴音がしたかと思うと、もう次の瞬間には座席が全部埋まってしまっていました。リズミカルで軽快というべきか。。。。

 始発駅からも、もうしっかりと立つ乗客が出て、錦江楽園すぎたあたりからもう超満員。そういう状態が、人民広場あたりまで続きました。

 上海中心部への一極集中が急速に進み、交通がもう超飽和状態になっていることがよくわかります。それこそ、快速列車でも走らせて乗客の分散をさせるべきなのでしょうが、当面は2両増結して8両編成で対応しています。

 1号線から2号線へ向かう長い通路は、まるで袋に詰められたミツバチが一斉に飛び出すような光景。緊張が走る雰囲気が、朝のラッシュ時を象徴させます。

 通路の脇には、無料配布された新聞を回収する物乞いのおじさんたちがしっかりと待機し、読まれた新聞が彼の前に無造作に積み上げられていきます。それら新聞を、まるで仕分けるかのように手際よく整理する様子をみると、上海の社会の縮図をいているようでなにか楽しくなってきます。

 500グラムで5角で買い取っても、十分に利益がでる新聞回収なので、本当に彼らにとってもいい商売でしょうね。

 2号線の人民広場駅は、ホームに人こそ少ないけど、今度は浦東へぬける列車が大混雑。この場合、降りる人があまり多くないので、私も仕方がなく2本ほど列車を見送りました。

 ホームには、赤いハッピを着たボランティアが、ドアの前の整理をしています。いわゆる、「降りる人が先」を叫びながら、市民に指導しているのです。

 この前、ある日本人が、なぜ「降りる人が先」を中国人ができないのか?ということを文句言ってましたが、私はできなくて当然だと思います。

 私も、小学校低学年のころ、そのことが分からずに恥じをかいたことを覚えています。地下鉄が上海で走り出してまだ10数年たらず。地下鉄ラッシュの文化が形勢されたのもまだここ数年のことなのです。あと10年もすれば、よくなることでしょう。

 マナーを守らない中国人のことをよく非難する人の声を聞きますが、よく見ていると日本よりも要点を突いているように思うことも多いです。

 たとえば、お年寄りに座席を譲ること。この前、一人のお年寄りに向かい合わせに座っている2人が座席を譲ったのを見ました。子供を抱いたお母さんが乗ってきたら、かならず誰かがきっちりと席を譲ります。そう、上海では非常に当然な姿なのです。

 なぜいまさらこんなネタを?

 おととい、ある日本の大手新聞社の上海支局長さんと大討論になったからです。

 彼は「中国が嫌い」、私は「中国が好き」。

 どうってことない話題なのですが。

 

posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類