今回、肘折温泉には2泊しました。2泊目に泊まったのが、こちらも「日本秘湯を守る会」の会員でもある、「葉山館」です。肘折温泉には「秘湯を守る会」の温泉宿が2箇所もあるところからも、ここの温泉地がいかに源泉を大切にした、良質な温泉であることが分かります。
「葉山館」は、肘折温泉の中でも、ちょっと奥まったところにあり、宿からは渓流のせせらぎを耳にすることができます。建物を見ただけで、情緒あふれる本物の温泉があることを直感せずにはいられません。
私は、結構ここのお風呂が気に入りました。
なんといっても、非常に素朴で、本当に気軽に入ることができる大浴場です。暖簾をくぐると、ドア一つ隔ててすぐ浴室。私はこの構造が好きです。保温のためか、何重のドアを開けないと浴槽にたどり着けない温泉が少なくないけど、これでは浴槽にたどり着くまでに、気合がぬけてしまう。
お湯の温度も熱すぎることなく、露天風呂もないけど、お湯さえよければそんなものは必要ないということが分かりました。
料理も適量でした。山菜をたっぷり使った料理は、冬でも楽しめるように旅館の地下貯蔵庫に保管されているもので、郷土料理の味を大切にしているそうです。温泉地でロボスターを出すような旅館が少なくないなか、こういったオリジナルの姿こそが、我々旅人が求めるものなのです。
肘折温泉の各旅館では、湯治場であるという特色を生かして、温泉療養医師が週に2回やってきて、温泉の入り方などを無料で指導するそうです。国から国民保健温泉地にも指定されており、2007年7月14日には開湯1200年を迎えます。これからの発展をますます期待したいものです。
しかし、最近の日本の温泉宿はトイレもすごく進歩したものです。今回宿泊した旅館では、すべてウオッシュレットが使われていて、非常に気持ちよく使うことができました。温泉宿では、その構造上、各部屋にトイレがないことが多いのですが、これだけしっかりと清掃が行き届いていたら、気持ちいいものです。
中国での旅行が好きな私でも、中国のトイレはどこも嫌で、ホテルのトイレですら使いたくなく感じることがいまだに多いのです。中国も観光地の整備を進めるのなら、まずトイレをどうにかしないとだめだとつくづく思いました。
あ、その前にまずマナーの問題があったか。