2007年03月23日

杭州西湖を歩いて一周してしまった

 杭州西湖が美しいのは、そもそも後ろに山が迫っているからでしょう。湖畔を歩いていくと、違った角度で違った楽しみ方ができる。これが魅力だと思います。

 江南地方には有名な湖がたくさんあります。私が今までに行った、太湖といい、陽澄湖といい、淀山湖といい、どれも大きすぎて先を見渡すと水平線です。これでは景色が単調になりがちです。

 西湖を周遊するには、いろいろな方法があります。レンタサイクルもいいだろうし、つかれたら電動バスに乗ってもいいでしょう。電動バス(有料、料金は1人10元程度と割安)は西湖を一周するコースをとっていて、手を挙げればいつでも止まってくれます。もちろん、降りる場所もあらかじめ運転手にいっておけば、自由におろしてもらえます。

 春うららの今の時期、杭州は外国人観光客も含めて、ものすごい団体旅行客の数です。日本人観光客はあまり見ませんでしたが、韓国人がすごかった。
 この観光客の団体を避けるには、おなじみのルートである船に乗っていく、三潭印月あたりのエリアへは行かないことです。そこ代わり、西湖を横断している堤「蘇堤」はぜひ歩きましょう。西湖の美しい景色を楽しめます。

 杭州シャングリラホテルなどがある西湖の北側は、おしゃれな喫茶店があったりして、美しく整備されています。湖を見ながらコーヒーを楽しむのもまた乙でしょう。

 私たちが訪れたこの日、高校生ぐらいの集団が湖の湖畔で写生をしていました。確かに、絵になる風景は多いでしょうが、いざ書くとなると難しいようで、みなさんかなり四苦八苦していました。

 この時期の西湖の魅力は、新芽が美しい柳だと思います。

 風が心地よく吹けば、流れるように柳の枝が空に舞います。そんな柳の木の下で、太公望たちが釣り糸を垂らしていました。フナか、鯉か、かなり立派な魚を釣っている人もおり、今日の晩ご飯のおかずになるのでしょう。

「蘇堤」の歩道は視界が開けて気持ちいい


 杭州の人たちは、上海と比べるとずっと暮らしを楽しんでいるようにも感じられました。上海では猛スピードで歩いている私も、ここにくれば自然のゆったりと歩くようになります。

 杭州人は生まれてからずっとこの西湖の景色を楽しめるのですから、うらやましい限りです。

 西湖の周りには、上海のような摩天楼が建っていないのも政府の努力でしょう。不動産バブルだった数年前、この西湖周りも投資家たちの目標の一つでしたが、乱開発されず、以前よりもずっと美しく整備されたことには、やはり杭州人の西湖に対する敬意と愛情の現れだと思います。

ハスをモチーフにしたクイ、なかなかおしゃれ


 市街地にも近い西湖の東側は、おしゃれな店も並んでいます。西湖天地と呼ばれる杭州版「新天地」(上海の新天地とデベロッパーが同じ香港の瑞安集団)もこの東側のエリアにあります。

 私が5年ほど前にきた時は、解放路周辺が杭州の繁華街だったように記憶していますが、今は延安路あたりが商業エリアとして整備されています。

 また、昔の建築群を整備し直して、飲食店街となっている「仿古街」には、これまたとんでもない数の飲食店が進出して、軒を並べています。

 杭州はJALも含めて大阪・東京からの直行便が飛んでいますし、日本人にとってもかなりストレスなく観光や散策ができる街として、私もかなりお勧めです。

 私も妻と一緒にぐるりを西湖を散歩し、緑豊かなこの街がすっかり大好きになりました。


ハイアットホテルがあるエリア 湖の東側になる
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類