2007年03月26日

頼りない検査結果

 中国での医療検査を受けるとき、なんと言ってもその信憑性には首をかしげたくなる場合が未だに多いのは残念です。もちろん、ちゃんと検査をしている医療機関もたくさんありますが、あまりにも適当な検査方法を行っている病院も少なくないのです。

 患者側も賢く、たとえば尿検査だったりすると同じサンプルを複数の病院に出して、それぞれの検査結果を比較する人もよく見かけます。確かに、結果を見てみると誤差が大きい。同じサンプルなのに、ある病院では尿タンパクが陰性だったのに、違う病院では(+++)だったりする。

 同じようなことをやったマスコミが紹介されていました。浙江電視台の記者が杭州の病院10カ所に対して、尿の代わりに緑茶をサンプルに検査させたそうです。もちろん、病院に知らせずに。そうすると、6カ所の病院で緑茶にはないはずの赤血球や白血球が検出され、さらに5箇所の病院では薬を処方したとか。

 尿検査といえば非常に基礎的な検査の一つです。一般に、機械による測定のほかにも、検査員によって顕微鏡で覗かれるのが普通。しかし、緑茶ですらそういう「異常」な結果が出るわけですから、実際の尿を使っても同じことでしょう。

 理由は簡単です。検査結果で異常を出せば出すほど、病院が儲かるから。

 そりゃ、医師の収入が低くて、食べていくのが大変だというのは中国の慢性的な問題だけど、ウソの検査結果を見せて、患者を病気に「させる」のは言語道断です。

 こんなところでも人を疑わなくてはならないというのは、本当に悲しいことです。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類