2007年03月28日

名医に診てもらうと言うことは大変

 気候も暖かくなってきて、病院の外来にくる患者さんも増えているように感じます。今日は、私の師匠の教授について外来のお手伝いをしていたのですが、どんどん初診の患者さんの診察の順番が後ろに伸びてしまい、今日予約をとっても、実際に診てもらえるのは7月以降ととんでもない順番待ちになってしまいました。3ヶ月以上待ちです。

 もし、中国の地方から上海にまで診察にやってきた場合なら、もっと大変です。病院側も、航空券や乗車券を見せたら優先的に予約ができるようにしてあげているのですが、それでもまた出直しというようなことが多いのです。

 こういった長い順番待ちは、中国の大病院ではよくあることです。医師の数は過剰気味だけど、いい医師が少ないのが直接的な原因ではないでしょうか。これだけの人口がいて、しかも高齢化が進んで、医療に対するニーズは高い。しかし、医療費が高騰して、庶民の生活に影響を与えているのも事実で、上海市では地域医療を担う病院では、診察費無料の方針を打ち出しました。上海市政府も、とくに医薬品の値段の動向には厳しく目を光らせています。

 

上海でもオタマジャクシ、活動開始


 4月1日から、上海では上海人に対して新しい医療制度が始まります。それは、まず初診は近くの1級病院(地域医療を担当する病院)で診察してもらい、もしその病院で診断が出せなかったら、さらに上の2級、3級病院で診察するという仕組みです。その場合、指定された病院へ行くための紹介状が必要になります。

 一方で、1級病院で診察する際、診察料は今後無料化されるので、風邪など症状の軽い疾患に対しては、大病院に行かず、地元の1級病院に行きなさい、ということになります。ただ、単にそうするだけではウラ工作して、直接大病院に行くための紹介状を書かせるために1級病院にいく患者が増えることが予想されるため、規定では3回1級病院で診察して、診断できない場合は、2級病院、3級病院に行きなさいという方法になりました。 人であふれかえっている総合病院の事情を考えれば、当然のやり方でしょう。

 1級病院では、まだ5年制以上の大学を卒業していない医師も多いため、医師たちの再教育も行われています。患者サイドからすれば、1級病院の診断に対する不信感が根強いのも事実なのです。

 外国人にとって不安なのはやはり医療の問題でしょう。中国では日本以上に患者が医師を選びます。そのためには、日頃どこの病院に行くとどういう専門家がいるのか、そういう情報を自分の持病に会わせて理解しておく必要があります。また、外国人の対応になれているしっかりとした3級甲クラスの病院がどこにあるのかも把握しておく必要があります。3級甲クラスの病院は、大学の付属病院がほとんどですし、外国人を診察する任務も任されています。もちろん、3級病院など大きな総合病院では注射器などももちろん使い捨てです。まず安心して大丈夫です。

 一般に、ローカル病院で専門家に診察してもらう場合だったら、外国人料金で200元前後となります。その場合は、中国人とは別に優先して診てもらえます。中には、世界的にも有名な権威の先生が上海にいらっしゃいますので、相談してみるのも手かもしれません。

 そういった意味では、上海の医療は利用の仕方さえ心得ておければ、むしろ私の日本の実家エリアの不便な医療事情なんかよりもずっと利用しやすくなっています。

posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類