2007年04月30日

悠々たる広州人

 今日の広州、朝はあいにくの天気でした。いつものように4時に目が覚めるのは、出張滞在先でも、上海でも同じ。
 パソコンを開けてぱちぱちと原稿を書きました。

 今回の広州滞在で利用した中国大酒店でも朝食のバイキングに納豆が登場。最近の5星クラスのホテルでは、どこでも納豆が出るのでしょうか?
 ただ、それでもご不満の日本人観光客がおられて、日本からふりかけやお茶漬け、梅干しなどを持参なさっておられました。せっかく食の広州にいるのに、ここまで日本食にこだわらなくてもと思うのですが、余計なお節介ですね。


珠江に沈む夕日


  さて、私たちは広州の飲茶をいただきました。

 店は広州老舗の『陶陶居』(住所:広州市第十甫路20号 電話:81396111 個室あり)にしました。



広州と言えば、飲茶の本場。この文化は、香港などでも受け継がれていて、広東の食文化の一端を担っています。

 飲茶が好んで食べられるのは、やはり午前中。ブランチのようにお茶を飲みながら、点心をいただき、友達や家族とともに、会話が盛り上がる。
 
 そんなテーブルの様子が、この店のいたるところで見ることができました。

 上海など江南地方でも、こういったお茶を飲む習慣はあります。劇を観賞しながら、茶館でお茶を楽しむわけだけど、広東省と違って点心文化はあまり発展しなかった。

 広東省の飲茶は見ているだけでもたのしいです。色とりどりのセイロがテーブルに並ぶと、腹も空いてきます。値段もお手頃で、これだけ注文しても200元程度でした。


  広州では、市場も歩きました。清平路周辺には、ペット用の動物が売っていたり、野菜市場があったりします。もちろん、生薬市場もこのあたりに集まっています。SARSのころ、問題となったハクビシンが売られていたものこのあたりでした。広州を代表する市場といっても過言ではないでしょう。

 今では、そういった動物の取引は制限されていますが、それでも鶏と一緒に食用のネコがうられていたりします。

 卵売り場では、面白い装置を発見しました。名付けて「卵新鮮度発見器」。

 写真の穴の中に、卵を入れます。そしてスイッチをいれると、箱の中の電気が光ります。もし卵が傷んでいたら、卵の中に黒いものが映るそうで、こうやって卵の鮮度を選別します。これも、消費者が自己防衛するための方法です。


 

 広州という街は、本当にいろいろな魅力が詰まっている街です。そういった魅力を感じさせてくれるのも、そもそも広州人が長い歴史と文化を大切にしてきているからではないかと思います。中医学についてもそうなのです。上海と違って、今でも庶民の生活の中に生き続けている。涼茶なんかも今だに街中で見かけることができます。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

2007年04月29日

食は広州にあり!これは間違いない

 アモイを後にして、いま広州にいます。

 広州は、私にとっては中国で大好きな街の一つ。中国を代表する経済都市だけど、気取った様子がなく、さらにマイペースで前進している、そんなイメージがあります。私の妻も上海人でありながら広州が好きで、この生き生きとした街の雰囲気を感じてしまうと、上海に戻りたくないと言っていたほどです。わかるなあ。。。

 そして、なによりも食べ物がいい。フツーのレストランの味のレベルが、上海なんかと比較できない。

 理由は簡単です。広東人はファッションでお金を使うぐらいだったら、「食」にお金を使いたいというのが性。外食産業の売り上げでは、北京・上海を抜いてダントツトップ。

 

広州の白雲空港


 だから。食に関してはファッションにお金を使う上海人と比べることができません。そして、「飲茶文化」の故郷でもある。よく、上海に来て、「飲茶食べたい」という日本人の方がいるけど、これは間違い。
 
 上海の飲茶は、ここ数年に観光客を目当てに導入されたものが殆どといっても過言ではないでしょう。

 ただ、唯一欠点があるとすれば、空気がいまひとつよくない点。ひところよりはマシに成ったことは分かりますが、以前を知らない人がいきなり広州の空気を感じると、汚染していることがすぐに分かることでしょう。

 広州のメリットは、あと香港に近いという点です。これはなににも替えがたい。広州人にとって、香港はものすごく身近なものなのです。

珠江


 というわけで、今晩食べた料理は、うちの会社の広州事務所の哈華さんがお勧めの「おもゆ鍋」の店で会食しました。

 香港人の老板が経営しているというこの店は、「食の広州」で行列ができる人気店。去年、妻と広州に来たときに行きそびれた店の一つで、非常に楽しみにしていました。

 何がすごいかというと、やはり粥をベースにした鍋をやったという発想。粥がベースだから、具は何にでもあうし、海鮮などの具を入れれば入れるほどおいしくなる。

 考えてみれば、日本の鍋の後にする雑炊の逆の発想ですね。この鍋では、まずお粥が鍋の基本となるのです。

 お粥が大嫌いだった私が、食べられるようになったのも実は広州エリアで食べられているお粥を食べるようになってから。お粥の中へ油を上手に入れるので、お米の香ばしさが引き立てられ、食がどんどん進んでしまうのです。

CITIC PLAZA  中信大厦 広州のシンボル的オフィスビル


 ケンタッキーとかピザハットで行列をつくる上海は、やっぱり食ではまだ貧弱だなあ、と思われても仕方がないでしょう。上海料理で行列ができる店ってなかなかないわけですから。

 そして、何より上海人は、自分のところが中国で最も発展していて、妙なプライドを持っているけど、広州人は悠々と自分たちの生活を楽しんでいるように思います。それがこう独特の雰囲気をもっているのでしょう。

 なにより、サービスも上海よりずっと洗練されている。いろいろな店を見て、仮に何か失敗しても素直に「謝れる」広州の人たちは、いいなあ、と思いました。

 こうやって、上海の外へでると、外地人(地方出身者)が上海人を嫌う理由が十二分に体験できますよ。やっぱりそういう要素が上海にあからさまにあるのです。残念ながら。。。

【データ】 毋米粥  広州天河北店  天河北路橋林街僑林苑3期1楼69号
      要要予約:020−38812008

 今回の宿泊先:中国大酒店(マリオットホテル)  う〜ん、広州交易会の関係でここしか泊まることができなかったのですが、5星ホテルでもちょっと設備が古くいまひとつでした。いま改装中だそうで、改装後を期待しましょう。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

2007年04月28日

厦門(アモイ)そぞろあるき

 アモイ2日目。

 朝起きて、市場を探索。中国での出張の楽しみは、やはり地元の人とのふれあい。アモイの人々は、非常に明るいのが嬉しいです。上海を出れば出るほど、上海という場所が、中国の他のエリアとよい意味でも悪い意味でも違うことを感じます。なぜ、日本人がこう上海にどんどんやってくるのだろう?

 そういう私も上海に10年以上住んでいますが、上海以外にも中国にはもっとすばらしい、住みやすい、いやもっとビジネスにふさわしい都市がたくさんあります。これを声を大にして言いたい。

 確かに、上海では日本語が使えてしまい、日本人がたくさんいるという安心感はありますが、上海はもはや「中国」という域を脱してしまって、ここだけで生活してしまうと、感覚が麻痺してしまいます。中国で初めて生活するなら、さらに留学でもするなら、今の上海はいまひとつお勧めではないです。

  今日は、アモイから100キロほど離れたところにある福建省漳州市へいってきました。すごい田舎かと思えばそうでもなく、よくある中国の地方都市の規模の街です。

 福建省というのは、もちろん言葉は違うし、街を歩く人たちの姿、形も違う。みんな小柄で、どちらかというと東南アジア系の東洋人が多いようなイメージです。建物の色合いも、江南地方の白黒の彩色から、こちらでは本当に色鮮やかな民家をよく見かけます。気候風土が人々の生活に与える影響というのははかりしれない。

 福建省にももちろんさまざまな小吃がありますが、漳州市は麺が結構有名。ここの歴史などのうんちくを語りたくなりますが、ここではスペースがないので省略。

 とにかく素朴な味でおいしかった。中国南方の小吃文化はそのまま台湾や香港に影響を与えているわけで、そういったルーツを見るのも楽しみのひとつです。ただ、ものすごーい田舎w期待していたので、正直言ってちょっとショックでした。

手抓麺 夏場にはスルスルといきたくなる味でした


 ご存知のように、アモイは島です。周囲を海に囲まれていて、沖の金門島はもう台湾です。 こういった住環境が、香港人・台湾人に人気があって、アモイの海の見えるエリアに別荘を買う人たちが多いのです。確かに、気候風土も香港・台湾に似ている。なにより、生活費が香港・台湾などどとはもちろん、上海などと比べてもずっと安いのが魅力でしょう。

 ちなみにタクシー料金は初乗り8元(3キロ)で、韓国現代の車が使われています。そういえば、江西省の景徳鎮では日本車がタクシーに使われていましたが、最近、現代のタクシーが中国で大増殖しています。日本車もがんばれ!

アモイの町並み


 アモイの魅力は、なんといっても海鮮が新鮮で安く、かつおいしい。これも上海の比にならない。上海では海鮮料理なんて食べる気もおこらないけど、アモイだったらもう食べたくなってしまうものです。

 今日食べた魚の中で、絶品だったのが「うつぼ(中国語で虎鰻)」。清蒸であっさりと料理をしてもらいましたが、皮にはゼラチン質がいっぱいで、とろけるような白身です。生まれて初めてご馳走になりました。

 街の様子も、中国の南国の風情がたっぷりでした。特に、香港や広州などで見かけるアーケード式の歩道が特徴的。夏の暑さをしのぐための、先人たちの知恵ですね。少し路地に入っていくと、鮮やかな色彩のお寺があったりして、散歩していても足取りが自然と軽くなりました。

 でも、アモイの人は、どうしてこうみんな愛想がいいのだろう。。。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類