ちなみに、中国で救急車を呼ぶときの電話番号は
「120」
です。間違えないように。
国によって救急車による処置の違い方が違うだろうということは容易に想像がつきます。
日本も、高度な設備が装備された救急車がどんどん増えてきていますが、これは上海でも同じで、地域によってかなり差があることはわかります。
4月3日に中国とアメリカで合同の救急演習が上海で行われました。浦東を担当する救急チームとアメリカワシントン州の救急チームが、それぞれの方法で患者の救出演習を行いました。上海のテレビでも紹介されたので、ご存じの方も多いかもしれません。
出動の想定は、高速道路で事故が発生し、死傷者がでたというもの。演習では、上海側の救急隊も8分で現場に到着したようです。ここまでは、米国も上海のそう変わらないでしょう。ただ、上海ではまだまだ救急車優先の発想が少ないので、日本のようにスムーズに現場に到着できなかったり、交通渋滞に巻き込まれたりすることはよくあることです。
問題は、次です。
現場に到着した上海の救急隊員は、まず患者の負傷の程度、死亡しているか、などを確認して患者を搬送します。病院に運ばないと行けない患者は、救急車に乗せられて近くの病院に運ばれました。そこから病院に到着するまでに要した時間は、28分。かなり速いものです。
では、アメリカの救急隊員はどうだったか。前半の患者の傷の判別に関しては、同じように行われました。ところが、次が違う。アメリカの救急退院は、まさに現場で野戦病院のように患者に処置を行っていきます。簡単な手術を行うことがでいる設備も持参していました。その結果、病院に到着するまでに要した時間は1時間30分。上海チームと比べると3倍時間がかかっています。
私は妙に納得してしまいました。
救急に対する発想が違うのです。中国の場合、まずとにかく迅速に患者を病院に搬送することが大切にされています。アメリカは、とにかく応急処置をしっかりとしてから搬送ということでしょう。どちらがよいか、一概には言えません。
ただ、中国の医療事情を考えると、理解できます。人口が多く、多数の救急車を必要とし、迅速な処置を必要とされる環境なのです。当然、救急車に乗っている医師の医療レベルもまちまちなのが現実。だからこそ、最寄の総合病院へ運んでから、しっかりと処置するというのがある意味では妥当かもしれません。
よって、上海に住む我々からすれば、いったいどこの病院に運ばれたら安心に処置してもらえるかをあらかじめ調べておく必要があるのです。自分ですぐに判断できる自己防衛の発想が、この国では絶対必要です。
幸い、中国では病院ははっきりとランキングされています。一番大きな総合病院は「三級甲等」で外国人の診察もある程度慣れています。上海の自宅近くに「三級甲等」の病院がどこにあるか、日頃から知っておきたいものです。
また、同じ「三級甲等」の総合病院でも中医学系統の病院と、西洋医学系統の病院に分かれていますが、緊急時は西洋医学系統の病院に行かれることをお勧めします。選択肢がないときは仕方がないですが。。。
2007年04月03日
救急に対する考えかたの違い
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類