2007年04月13日

一億総中流と「小康社会」

 先週NHKワールドでやっていた「その時、歴史が動いた」でやっていた、第284回所得倍増の夢を追え〜高度経済成長の軌跡〜をご覧になった方も少なくないはず。

 私も、しっかりとみていました。

 「下村プラン」とか池田勇人首相の「所得倍増計画」の時代は、当然私も生まれておらず、日本史の歴史で習ったことですが、この背景があまりにも今の中国の変化に似ていて、薄ら寒い衝撃すら覚えました。

 もちろん、政治的、社会的制度は日本と中国でまったく違うわけですが、目指すものが非常に似ている。現在、格差にあえぐ中国では、出稼ぎで農村の過剰労働力を都市へ流し込み、農業の効率化を進める。さらに「創新」をキーワードに、新しい技術を海外から吸収し、工業力の強化を図っています。このモデルは、番組を見ている限り、高度成長期の日本とそっくりです。

 まさに、50年代〜60年代の日本の発展の姿を、ひょっとして私は中国で疑似体験しているのではないかとも思わずにいられません。

 これから、オリンピック、万博とビッグイベントが続きます。


 中国では、胡錦涛国家主席が「小康社会」の実現に向けて、経済や社会インフラ、社会保障制度の整備が進められていますが、これってひょっとして日本の目指した「一億総中流」と同じような意味合いなのか?
  いつもこの「小康」を、どのように日本語に表現したらいいのか悩んでいたのですが、「中流」というのが近いのかもしれません。

 計画経済で動いている中国のことですから、毎回の5か年計画の中に、さまざまな戦略が見え隠れしています。もちろん、経済大国となった日本の発展の姿は、十分に研究されていることでなのでしょう。

 そして、低成長時代となった今の日本。

 その中で、下村治は「日本は江戸時代のような姿になるのがいい。文化とか芸術とか教養に力を入れる時代になるべきだ」と訴えています。

  そうなんですね。日本から文化を発信できるような体制作りをしっかりとしなくてはならない。それが、日本人が豊かにかつ幸せになるヒントなのかもしれません。

 インターネットに関わるわれわれにとっても、非常に大切な命題です。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類