上海市内病院に勤める大学院時代の同級生と、久しぶりに再会しました。
彼女は安徽省出身。家は決して豊かではなく、親戚や友人たちにお金を借りて、大学院で勉強していました。
彼女の専攻は、中医学の外科、その中でも皮膚科です。中国でも有名な中医外科の権威、唐漢鈞教授の弟子筋にあたる教授が指導教官ですから、上海系の外科の流れをくむわけです。
皮膚科を専攻している彼女に、私がこの前、体中がかゆくなり、生薬風呂の生薬を自分で処方して入ったら、すっかり良くなったと自己体験を話すと、えらく感心されてしまいました。
彼女:「中医学が好きなんだね」
私:「そうだよ」
でも、彼女、修士課程で中医外科を専攻したけど、数年後に受けるつもりの博士課程は西洋医学に転向したいと言っていました。そしてアメリカで最新の医療を勉強したいって。
ステロイドの最新用法など、西洋医学の素晴らしさを私の前でいろいろ話してくれましたが、彼女いわく、皮膚科の分野ではあまり中医学を使うことがないらしい。
せっかく、中医大学を卒業して、さらに中医の大学院に進んで、ずっと中医畑で勉強してきたはずなのに、もう中医学はいいらしい。
日本のお母さんが、いかにステロイドを使わずにアトピー性皮膚炎を治すか必死で治療法を探しているのに、彼女は私の話にはあまり関心を示しませんでした。
「中国の今の患者の状態では、とても満足に中医学を使える状態ではない」
確かに、ステロイドほどの即効性は中医学には期待できません。でも、彼女が言うほど「効果がない」ものでもないと私は思っています。
ああ、また中医学の人材が流出してしまった。。。
昔の友達に会うほど、落胆してしまう今日この頃です。
2007年04月17日
大学院時代の同級生に再会して、またがっかりする
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類