広州は、私にとっては中国で大好きな街の一つ。中国を代表する経済都市だけど、気取った様子がなく、さらにマイペースで前進している、そんなイメージがあります。私の妻も上海人でありながら広州が好きで、この生き生きとした街の雰囲気を感じてしまうと、上海に戻りたくないと言っていたほどです。わかるなあ。。。
そして、なによりも食べ物がいい。フツーのレストランの味のレベルが、上海なんかと比較できない。
理由は簡単です。広東人はファッションでお金を使うぐらいだったら、「食」にお金を使いたいというのが性。外食産業の売り上げでは、北京・上海を抜いてダントツトップ。
だから。食に関してはファッションにお金を使う上海人と比べることができません。そして、「飲茶文化」の故郷でもある。よく、上海に来て、「飲茶食べたい」という日本人の方がいるけど、これは間違い。
上海の飲茶は、ここ数年に観光客を目当てに導入されたものが殆どといっても過言ではないでしょう。
ただ、唯一欠点があるとすれば、空気がいまひとつよくない点。ひところよりはマシに成ったことは分かりますが、以前を知らない人がいきなり広州の空気を感じると、汚染していることがすぐに分かることでしょう。
広州のメリットは、あと香港に近いという点です。これはなににも替えがたい。広州人にとって、香港はものすごく身近なものなのです。
というわけで、今晩食べた料理は、うちの会社の広州事務所の哈華さんがお勧めの「おもゆ鍋」の店で会食しました。
香港人の老板が経営しているというこの店は、「食の広州」で行列ができる人気店。去年、妻と広州に来たときに行きそびれた店の一つで、非常に楽しみにしていました。
何がすごいかというと、やはり粥をベースにした鍋をやったという発想。粥がベースだから、具は何にでもあうし、海鮮などの具を入れれば入れるほどおいしくなる。
考えてみれば、日本の鍋の後にする雑炊の逆の発想ですね。この鍋では、まずお粥が鍋の基本となるのです。
お粥が大嫌いだった私が、食べられるようになったのも実は広州エリアで食べられているお粥を食べるようになってから。お粥の中へ油を上手に入れるので、お米の香ばしさが引き立てられ、食がどんどん進んでしまうのです。
ケンタッキーとかピザハットで行列をつくる上海は、やっぱり食ではまだ貧弱だなあ、と思われても仕方がないでしょう。上海料理で行列ができる店ってなかなかないわけですから。
そして、何より上海人は、自分のところが中国で最も発展していて、妙なプライドを持っているけど、広州人は悠々と自分たちの生活を楽しんでいるように思います。それがこう独特の雰囲気をもっているのでしょう。
なにより、サービスも上海よりずっと洗練されている。いろいろな店を見て、仮に何か失敗しても素直に「謝れる」広州の人たちは、いいなあ、と思いました。
こうやって、上海の外へでると、外地人(地方出身者)が上海人を嫌う理由が十二分に体験できますよ。やっぱりそういう要素が上海にあからさまにあるのです。残念ながら。。。
【データ】 毋米粥 広州天河北店 天河北路橋林街僑林苑3期1楼69号
要要予約:020−38812008
今回の宿泊先:中国大酒店(マリオットホテル) う〜ん、広州交易会の関係でここしか泊まることができなかったのですが、5星ホテルでもちょっと設備が古くいまひとつでした。いま改装中だそうで、改装後を期待しましょう。