2007年05月22日

20キロも走れば長江に出られる

 先週の週末、朝6時ごろに自宅を出発して、長江を見に行ってきました。

 地図で確認すると、世紀公園の我が家から直線で15キロほどだったので、片道1時間半ほどみて出かけました。

 前回は竜東大道を自動車とともに突っ走りましたが、自動車があまりにも速く私のそばを追い越し、さらに排ガスがすごかったので、今回は世紀公園に流れている張家浜という川に沿って東へ東へ進みました。

 びゅんびゅんと自動車に追い抜かされながら自転車を漕ぐのは何かむなしいものを感じるんものです。

 今回の川沿いのルート、意外と知られているらしく、西洋人のサイクリンググループにたくさん遭遇しました。笑顔で「ハロー」と挨拶。

 浦東新区といっても、錦繍路を金橋路の方へ抜けたころには、かなり田舎になります。

 張家浜に沿って、ひたすら進むと、途中、中環状やA30の工事現場で道路が寸断されますが、なんとかガタガタ道を抜け、長江の河口まで比較的スムーズにこれました。

 片道20キロほどです。道はほぼ平坦なので、日本で走ることを考えれば楽チンです。

初夏の木漏れ日を感じながら


 張家浜と長江の河口付近には釣り堀があり、多くの市民が釣りを楽しんでいました。

これが長江の様子。

 目をしっかりと凝らすと、対岸の崇明県の横沙島などを望むことができました。

 防波堤があり、波が打ち寄せています。目を閉じていると、海岸にいるような錯覚に陥りますね。

 確かに、ここまでくると長江というより、むしろ海です。

 浦西に住んでいた頃は、排ガスだらけの街を抜けるだけでも一苦労でしたが、浦東だと郊外に出るのが比較的簡単です。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

2007年05月21日

中国のがん患者増加、環境汚染との関係が大きく

 中国衛生部が発表した中国人の死亡原因の中で、悪性腫瘍がトップにきたことは、日本などでもたびたび報道されています。私の周りの中国人でも癌になった人がちらほらみられるようになりました。

 たとえば、まだ若いうちのアイさん(家政婦さん)の旦那さんが肺がんの末期で、最近肺の3分の2を切除する大手術を受けました。今のところ、容態は安定していますが、とても仕事ができるような体ではなく、これからは中医学の生薬に頼る治療となります。特に、彼のように田舎出身の人の多くは健康保険がないため、今回の手術と抗がん治療にかかった医療費は完全自費で11万元(160万円ほど)。親戚・友人からお金を借りての治療ですが、これからどうやって返済していこうか、頭の痛い問題です。もちろん、我が家でも一生懸命働いてもらおうと思っていますが、返済には時間がかかることでしょう。


 ところで、中国医学科学院の腫瘍研究所の研究員が、いま中国で発生している悪性腫瘍の3大原因について、解説していました。

 中国にいる、我々の生活にも密接に関係することなので、すこし紹介しておきます。

 まず、経済の発展にともなって、工場がどんどん増え、河川の汚染が深刻化しています。地方ではまだまだ汚染の重大性に気付いておらず、また都市部でもごみ処理が追いつかないため、河に生活ごみを捨てることが日常化しています。工業廃水の増加に伴い、水に含まれる有害物質が増加しています。特に地方都市では要注意です。

 さらに、地下水の汚染が進んでいます。まだまだ、上海近郊でも地下水で生活している人を多く見かけます。長江デルタエリアでもまだまだ沢山あります。一応、井戸を掘ることは厳しく制限されていますが、それでも生活の必要上、仕方がないのです。また、農村では化学肥料や農薬の過剰利用が進み、水源の汚染を進めているのです。

 2つ目の原因に、空気の汚染が急速に進んでいます。大きめの汚染物質ならある程度肺から排出されますが、小さな粒子は肺に残るため、免疫力が低下したりすると、発がん性物質ががんを引き起こします。さらに、建築ラッシュと内装ブームで、マンションの内装の空気汚染が深刻化し、人々の生活を脅かし始めています。
 上海でも、普通に生活していてもどこかで有機溶媒のにおいを嗅いでしまうことは多いかと思います。マンションを選ぶ際は、生活の便利さ以外にも、付近の交通量や排ガスの状態、いつ内装されたか、家具の匂いは大丈夫か、建材は問題ないか、十分に確認する必要があります。
 中国では、日本のように既製品の建材が使われることが少なく、さらに基礎知識のない大工さんの現場施工が多いだけに、十分に気をつける必要があります。

 そして、3つ目の原因として、食品の汚染がとりあげられていました。これまで、中国人の間では「どういったものを食べたらだめか?」ということが話題になっていましたが、最近では「どういったものを食べることができるのか?」ということが話題になっています。つまり、安全に食べられるものを、消費者がしっかりと吟味して購入しないといけないということです。

 肉類にしても、安全な食肉を購入できるルーツを知っておくだけでなく、果物や野菜に関しても、十分に吟味して購入するのは中国ではとくに必要です。特に野菜に関しては、値段が異様に安いのが中国ですが、その背景には殺虫剤や農薬の問題が今だにあるのです。最近も、海南島のバナナが物議をかもしました。

 そして、非合法な健康食品、化粧品に関しても要注意です。これらは、毎日使うことが多いため、がん発生の原因ともなっていると指摘されているのです。

 中国の場合、物価が安いことには、「安かろう悪かろう」という考え方が広くいきわたっており、市民は自分たちの所得にあった自己防衛方法を考え出しているのです。過剰反応することはないかと思いますが、現実にがん患者が増えている中国の実態は十分に考慮しておく必要はあると思います。

 中国人が環境のよい日本に行きたがる理由が、よくわかりますよね。彼らの本音は、海外での移民を望んでいるのが少なくないのです。

 われわれが中国で生活するときの本当のリスクは「健康」なのかもしれません。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

2007年05月20日

中国から漏れ聞く北朝鮮のお話

 中国の新聞を見ていると、中国の記者が北朝鮮で見聞きした情報がいろいろと書かれていて、私もつい興味深く見てしまいます。中国の記者も、歯にきぬを着せぬ書きっぷりで、結構いろいろなことを知ることができます。

 今日は東方早報が北朝鮮ピョンヤンの市民の生活の情報を紹介していました。

 ピョンヤン市内は整然としていて、広告一つもなく、商店などは外国人が目につかないところに隠されているそうです。しかし、街を歩く人はゴミを捨てたり、痰を吐いたりせず、通りは非常に美しいとか。さららに、街にゴミ箱がないことも驚きのネタとなっていました。(この記者は、どこかの国と比較しているのですね。)

 モノトーンで統一された人々の服装は、政府が服装の規定を厳しくしているからだそうで、奇異な服装を着ることができず、女性のミニスカートは禁止だけでなく、男性の半ズボンも禁止だそうです。さらに、髪の毛を染めることもできない。たとえば男性で髪の毛が3センチ以上伸びていてもだめ、これは、私の中学校時代よりも厳しい。

 政府は「社会主義的生活方式」を奨励しているそうで、これら服装の規定はその一環だそうです。さらに、よくない服装の市民はテレビで非難されるそうで、住所氏名などを暴露されるとか。うひゃ。。。
 

 

 街には自転車がほとんど走っておらず、かなりのぜいたく品ではないかとこの記者は書いています。路線バスの本数も少なく、バス停には長い行列ができているようです。

 北朝鮮の政治家たちは、国民に体を鍛えるために歩いて通勤通学しなさい、と奨励していて、歩いて2時間以上かけて出勤する人も少なくないとしています。

 2007年4月より、政府機関・軍隊・企業家が日本の中古車を乗ることが禁止になったそうです。その原因は、今年の正月に将軍様が錦繍山からの帰り道に故障した日本車を見つけて、日本産の自動車の回収命令が出されたとか。なるほど。。 ただ、国からご褒美として与えられた日本車に関しては、その制限外だそうです。

 人口220万人の都市、ピョンヤンでは小型自動車が増えているそうです。しかし、市民は携帯電話は禁止で、インターネットも使えない。市民は、国の中しかつなげないネットのことをインターネットと呼んでいるそうです。しかし、技術的に問題があるわけではなく、うえの人はしっかりと利用しているとのこです。

 この記者は、羊角島酒店に宿泊しています。この外国人用のホテルでは、NHKを見ることができるということです。そのほか、CCTVやBBCなども入るというのですから、ちょっと驚きですね。

 それでも、チャンネルは首都以外では1つしかなく、ニュース以外は反アメリカの映画やドラマ、それに歌曲や舞台劇などが放映されているそうです。そのほか、首都ではもう1チャンネルがあり、こちらではこれまでに中国の『紅楼夢』や『水滸伝』が放映され、それはもう大騒ぎになったとあります。

 中国で生活していると、日本にいるよりずっと北朝鮮の人たちと接点があります。研究所にも以前、将軍様のバッチをつけた留学生たちがいましたし、北朝鮮系のレストランも上海にはたくさんあります。

 改めて、国とは何ぞやと考えさせれました。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類