6月1日は中国の子供の日です。小皇帝と呼ばれる上海の子供たち、親の見識不足もあって、いろいろな問題を抱えていることは、ここでも紹介してきました。
今日は、むし歯についてのデータを読みました。
中華口腔予防医学専業委員会が発表した調査で、上海人の5歳から12歳までの児童12270人が対象です。
この中で、5歳児のむし歯率が71.7%で、平均4.2個のむし歯を持っていることが分かりました。12歳になると、それが34.6%になります。
日本のデータをみると、平成16年度の文科省の学校保険統計調査速報では5歳児のむし歯の者の割合は60%弱ですから、それよりも多いことになります。ただ、日本の場合は12歳でも60%強なので、上海と比べると格段に多いことがわかります。
5歳児にむし歯が多いというのは、食生活と親の認識の問題に深く関係があります。
共働きが多く、なかなかしっかりと子供の世話ができない上海の家庭では、食後にも甘いお菓子を食べさせるという家庭が多いというデータもあります。上海のある幼稚園では、食後に甘い物を食べさせるという家庭が、90%以上あるといいます。
さらに、問題なのは夜寝る前に歯を磨かないという点です。このことを上海人の妻に話したら、朝に歯磨きをする人は多いのですが、夜寝る前に磨かない人が多いというのは本当らしい。
私も、小児科にくる子供たちをみていて、ジュースやお菓子をもって来る人が非常に多いのが気にかかります。親もこだわりなく普通に買い与えています。
一方で、上海の12歳の子供にむし歯が少ないのは、上海の経済の発展状況と深く関係があると思います。少なくとも、10年前の上海には今のようにお菓子があふれていなかった。スナック菓子ですら珍しかったですからね。
私の妻は、大学生までむし歯がなかったし、私も高校卒業するまではむし歯がなかった。妻にいたっては、サトウキビをガリガリと食べていますが、これは子供の頃から顎を鍛えるために食べさせられたそうです。
いずれにしろ、ひとえに親の努力のたまものだと思いますが、今思えば日本の歯磨き教育もきっちりとしていたなあ、と思います。
この上海でもやっと学校で虫歯予防の運動を始めたようです。