2007年07月02日

庶民にとって「必要」な株

 妻の勤めている病院で、当直手当が倍増になったと喜んでいました。今まで、医師の当直で、1晩2.5元(40円)ほどだった当直手当が、倍の5元(80円)になったとのこと。
 でも、自宅からの交通費を考えると、地下鉄の昨今の値上げで、往復10元(約160円)になっっているから、ちっとも足しにはなりません。中国の医者とは、本当にボランティア精神がなければ勤まらないのです。

 その結果、男性ではとても一家を養っていけないので、私のいる研究所でも女性医師ばかり。男性がどんどん流出して転職しています。私の医学生時代でも、クラスの三分の二が女子。日本の高校の文科系クラス状態ですね。

 そんななか、数少ない男性医師と食事をしました。彼は、病院でも有名な株・ファンド投資大好き人間で、冗談で「医師は副業」といっているぐらいです。

 医師の給与が薄いものだから、1ヶ月真剣に株取引をしたら、3年分の年収を稼ぎ出したとか。もちろん、自宅も投資の利益で買ったのでローンはない。
 一見順調のように見える彼の投資ですが、実はそうではなく、数年前に先物取引で失敗して、稼いだ300万元を全部なくしてしまったとかで、今はすごく慎重になっています。そういった「教育費」が絶対必要なのです。

 私は中国では株をしない主義ですので、もっぱらニュースなどをみて傍観しています。

 今日いった印刷屋でも、印刷屋の女性社長がパソコン釘づけて株をしていましたが、聞こえてくるのは「亏了,亏了」の一言ばかり。最近の暴落で、稼ぐのが難しくなったいるのは確かです。そうなってくると、本業もおろそかになり、とても落ち着いて仕事をすることができません。もう、この印刷屋もだめだろうなあ。

 『東方早報』が書いていました。
 最近の株価の下落で、損をしている市民が続出していて、心理的なストレスが増大しています。
 証券関係のメディアの調査では、今年1月〜6月までに株取引で赤字となった個人投資家は、全体の3割に達しているようで、とくに最近株取引を始めた人にその割合が増えているとのこと。私の予想通り、人々が熱くなっているときに始めても、もうすでに手遅れなのです。儲けてる人はとっくに儲けましたからね。

 株価暴落にいらいらして、人民広場に繰り出す上海人のおじちゃん、おばちゃんがいることも理解できます。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類