2007年07月11日

温州の素麺のべースは紹興酒だった

 最終日は温州を歩き回りました。

 といってもあまりの暑さで、初乗り5元の三輪車にはいろいろお世話になりました。
 うちのサイトにも温州ページができていますが、これから徐々に情報を加えてきます。

 温州はとにかく商売の街であることが分かります。小さな商店がぎっしりと詰まっています。そして、温州の商人たちは上海の不動産を買い占めたり、投資活動に盛んなことでも有名です。そのため、温州人は、中国のユダヤ人とも言われています。

 温州市内には、靴メーカーや洋服メーカー、さらにライターメーカーなどが集まっています。地元企業だけに、小売り価格は安い。解放路周辺には、美容用品を扱う専門店が集まっていますが、これらは温州人で美容関係に携わっている人が多いことを示します。実際に、上海などでも美容関係で成功している人が少なくありません。

 街の雰囲気は、蘇州や上海の雰囲気より、むしろ厦門や広州の雰囲気に近いように思います。街の色は明るく、非常に活気があります。海にも比較的近いので、海鮮料理なども有名なようですが、私は今ひとつ食が進みませんでした。

 市内唯一の5星ホテル、華僑ホテルには、温州規模の都市では珍しく、LVの専門店が入っています。商売人が多いことに目をつけたLVのもくろみはあたり、開店初日に5万人が訪れたという伝説が残っています。

温州の町並み


 食べ物もいろいろおもしろい物があります。その中で、びっくりしたのが素麺です。温州エリアで、伝統的に食べられる麺で、我々からすればラーメンになるのでしょうが、ここの面はとにかく細い。たとえば、日本にも「にゅーめん」がありますが、その感覚に近いものです。

 最大の特徴は、スープにしっかりと紹興酒を使っていること。これを効かすのが素麺の特徴だそうです。不思議なことに、このあたりでは厦門のときのように鹹水をつかった麺がほとんど無く、素麺かもしくはビーフン系統の粉乾がメインです。いずれも紹興酒を使い、さらに豚骨をベースにしているところから、上海エリアの醤油+お湯ラーメンとまた違うことが分かります。

 温州料理では紹興酒が非常に大きな役割を果たしています。この日食べた鶏肉も、紅焼にしてもらったら、醤油ベースではなく、紹興酒ベースでした。

 スターバックスもまだ進出していません。ウワサによると、温州人はコーヒーを嫌っているからと聞きましたが、真相のほどはわかりません。その代わり、様々な牛乳を飲ませる牛乳バーが街でたくさん見かけました。

 

 
  

温州名物の素麺


 投資家の多い温州だけに、温州地元の不動産も値段が高い。川沿いの一等地では、1平米が2万元を超えているとかで、かなりバブルであるのには変わらないでしょう。

 タクシーの運転手はほぼ100%地方出身者。私が乗ったタクシーはすべて安徽省出身でした。中にはかなりたちが悪い運転手が多いので、注意が必要です。

 温州についての感想。

 個人的にはあまり魅力を感じさせない街でした。商売の色が濃いためか、街の文化を感じさせるところが非常に少ない。中国のどこにでもあるような地方都市という感じでしょうか。そういった意味では、特色があまり多くない街なのかもしれません。

 ただ、温州人に関しては、人のよい人が多く、比較的好印象を持ちました。男性も女性も背が低い人が多く、明らかに南方にきたことがわかります。残念ながら美人は少なかった。

 温州の最大の欠点は、とにかく地理的に不便なこと。上海に出るにも山がそびえていて、不便だし、鉄道は山の谷間をくねるように走ります。
 そのため現在建設が進められている杭州大橋の完成は、温州の発展にとっても大きな意味をもっています。また寧波から温州を結ぶ高速鉄道の建設も始まっています。(一時、未認可工事として大きな問題にもなりましたが)

とにかくパロディーとも思える偽物が非常に多い


 温州人が外へ外へ商売のネットワークを広めていったのも、そうした地の利が関係あるのだと思いました。

 上海に進出して成功した温州人は少なくありません。中国のユダヤ人と言われるその商売手法は、独特な物があるとして注目されています。

posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類