上海市教育委員会が2003年度〜2006年度までのデータで、上海市の大学の就職率の悪い学部・学科について、公表しました。
この中で、私が専攻していた中医学がワースト10に入っていて、すこしびっくりしました。
まあ、昨今の医者あまり現象から、理解には苦しませんが、だったらもっと早いうちに入学定員を減らしたらよかったのにと思いました。ここ数年、我が母校の定員は増える一方でしたから。
そのほか、ワースト23に基礎医学、ワースト24に歯科系、ワースト37に臨床医学と医学技術、といずれも医学系が入っていました。医学系は専門性が強い割に、汎用性が非常に低いという欠点があるからでしょうか。
ちなみに、ワースト1は水産系。これは、上海近辺でも水産業が盛んでないから検討がつくのですが、その次に材料科学が入っていました。これもちょっと意外。体育系がワースト4位、獣医などを育てる獣医学系もワースト8位でした。かなり意外だったのが、法学類がワースト32に入っていました。
改めて思うのは、文化を支える学問に人気がなく、中国では社会的にも求められていないのだなあ、ということを感じました。たとえば、哲学や歴史、数学・天文学・生物科学などはそうでしょう。心理学も就職率が低い学科に挙げられています。
さらに、そういった背景から基礎よりも実益を重んじる現在の中国の社会構造を感じます。
中医学も、いわば中国の文化を伝える大切な学問ですが、実用面から言ってももっと就職率が上がってもおかしくないと思います。
しかし、昨今の中国の事情から、中国の一般大衆が中医学より西洋医学を求めているのは、臨床に出てみると痛いほどよく分かります。
現場の多くの中医師も、西洋医師の役割を果たすことで生計を立てている場合が多いのです。
2007年07月16日
大学の中で就職率ワースト10に入った中医学系学科
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類