中国の学術雑誌に投稿すると、我々のような無名の研究者だったら、お金を積まなければならないということは、このブログでも以前にご紹介したと思います。
私など、日頃から原稿を書いて、原稿料をもらっている仕事をしている者からすると、リサーチして、原稿を書いて、さらに投稿してと一定の時間を割いて作業をしているのに、いざ雑誌社に投稿するとなると、原稿料に相当するお金を雑誌社に出さなければ掲載してもらえないというのは、かなりしゃくに障る。
まあ、日本でもそういうことはあるそうですが、この投稿費というのが中国では結構高い。論文1本で日本円に換算すると5000円から1万円以上ほど。中国の医師の収入から計算すると、収入の4分の1ぐらいが投稿費で飛んでしまいます。
といっても、そうした投稿費の支出を影で支えている研究機関の「補助」制度もあったりして、これだけで出版会社と投稿者との間に「経済システム」が成り立っているのだと妙に納得しました。
もちろん、周りには研究成果をPRするためにせっせと中国の学術誌に論文を出している中国人の若い研究者もいますが、これだけで数千元も使っているのだ、とちょっと関心してしまいました。
中国では一般的に「ライター」という生業は、生存するのが非常に難しいとされています。
私の師匠も1冊本を出しましたが、専門書ということで報酬はゼロ。印税すら入ってこないといっていました。
著作権など権利に対してまだまだ曖昧なのが中国の出版業界なのかもしれません。
個人的には、学術研究と投稿には極端なお金の関係はあるべきではないと思うのですが、特に中国では、研究した成果に対しては「合法的」な報酬を与えるべきだと私は思います。