2007年08月27日

中国的仕事の仕方

 ローカル病院に出入りすることが多いと、必然的に中国流の仕事の仕方を体験することになります。これはもう、日本とは全くかけ離れた、非効率的な、中国人しか理解ができない世界です。

 この週末、土曜日の朝に私の携帯に電話。

「この週末に800人分の患者データーを入力しなくてはならない。」

「へ?期限はいつまで?」

「日曜日の夜まで、君には100人分を担当して欲しい。今すぐ病院まできて説明を受けるうに」

 患者さんの呼び出しならまだしも、こういう事務的な仕事の呼び出しは頭にきます。せっかく、連載原稿の執筆に集中していたのに。。。

 タクシーをぶっ飛ばして、医局につくと、大学院生や若い医師たちが総出でデータ入力をしています。

 でも、よくみるとデータ入力よりも、入力時に発見されたシステムのエラー修正に翻弄されています。ああでもない、こうでもない、と討論する物だから作業が一向にすすまない。

 今更、なんでこんな入力作業を?と聞くと、月曜日に上級部門の検査があるからだそうで、それまでに仕上げなければならないとか。

 はっきり言って、ヘナヘナのシステムで(資金がないからきっとどこかのバイトに作らせたのだろう、しかも海賊版だし)、入力したあと役に立つのだろうか、と思いつつ上司の医師に聞くと、

「役立つ、役立たないは問題ない、要は見てくれができればいい」

 とつたない返事。そう、外見さえできればいいのです。どこかの国の製品に似ていますね。

 検査のために週末に全員かり出して仕事をしているわけです。

 とりあえず、分担の100人分を持って帰って、妻と一緒に入力することにしました。

土曜日、日曜日と原稿をほったらかして2人で10時間ほどは使ったでしょうか。


 日曜日の夜、やれやれと「風林火山」を視ていると、また電話。

 「え〜と、入力作業は中止になった」

 そうなんです。どうやら作業はやめになったようです。

 せっかくの週末、私と妻の10時間を返せ!と言いたいところですが、こういうことは日常茶飯事的に発生しているのが中国の組織です。

 特に、医療関係者は病院以外の職場で仕事をしたことない人が大部分で、非常に保守的。そして融通が非常に利かない。

 さらに、医局といえば中国でもピラミッド社会の象徴で、教授が一言いえば、「好!」で通ってしまいます。

 中国の病院では、どこでもこういった継ぎ接ぎ的な作業を繰り返すことが非常に多い。上級部門の「検査」といえば、みんなが作業にかり出される。日頃からきっちりとしていたら問題ないのに。。。

 結局、中国の組織がうまく機能しないのは、長期的な視野に立てなく、行き当たりばったりであることが多いからと思います。

posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

2007年08月26日

10月5日より衛星放送の集中取り締まりらしい

 外国人にとって、自国の情報を知るために、自国の衛星放送を見たいのはやまやまだけど、個人が取り付けるパラボラアンテナはすべて違法。

 中国で生活する我々人民たちは、中国政府が認める番組しか見てはいけないのであります。

 実際は、違法だけど、家賃を高くとれる外国人を呼び寄せるために、大家がパラボラアンテナをつけているケースが非常に多いのが今の上海です。

 こうした行為に、上海のマスコミが非難をし始めており、高級マンションでパラボラアンテナ装着率は30%とかいって記事を書き立てています。

 さらに、悪徳業者が劣悪なパラボラアンテナを販売して、後日番組が見られなくなり、それを上海市の消費者協会に訴える市民も多いとかで、いつも問題になっています。違法行為を市民自らしておきながら、駄目だったら消費者の権益を守ろうとする上海市民はさすがですね。

 さらに、市当局も今までは黙認状態だしたが、いよいよ徹底取り締まりに力を入れるようです。すでに7月初旬に上海市文広影視局などが10月5日までにパラボラアンテナを取り外しなさいと通知を出しています。10月5日以降、まだアンテナが設置されている場合は、強制撤去や最高5000元の罰金も課すとしています。

こんな光景もいつまでみられるか


特に、取り締まりの対象となるのは、高架道路などに面するマンション。市民からの密告も大歓迎だそうで、また最近は外国の衛星放送を認められている施設・マンションに対しても、取り締まりを強化する方針が打ち出されています。

 最近、一部マンションでNHKなどが見られなくなったのも、そのためでしょう。外国の衛星放送を見るための当局への申請は1年おきで、いまちょうど更新の時期だからです。

 上海市のトップが入れ替わって、綱紀粛正をしている様子がよく分かります。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

2007年08月25日

勉強して何になるの?

「中国の株式市場は23日、上海総合株価指数が初めて5000を突破した。終値は前日と比べ1%高い5032.49だった。(中略)同指数は5月上旬に4000を突破したばかりで、この1年間で約3倍に急成長している。」---アサヒコムより。

 上海の株が相変わらず、すごいことになっています。

 今日、診察室である子供の親が医師に話していた会話。

「医師になるのは、大変だね。5年も6年も勉強して、稼げるお金はこれっぽっち。俺なんか中学校しか出ていないけど、昨日一日だけで株で3000元は儲けた。あんたたちの1ヶ月に給与に相当するだろう? だから、学歴なんて要らないんだよ。勉強して何になる?(读书有什么用?)」

「じゃあ、あなたの息子は誰が診察してあげているの?」

「・・・・」

 本当に耳を疑うようなことを言う人もいるものです。

 アリとキリギリスでいうのなら、どうも中国人はキリギリスが圧倒的に多い。そして、アリを馬鹿にする人も多い。

 株が高騰して、お金の価値観というものがそろそろ狂い始めています。
 
 汗水流して稼いだお金と、降って湧いたようにできてたお金とでは、使い方は絶対違います。

 環境破壊もそんなところから始まるような気がします。

 そして、今の上海、思想や哲学・精神・道徳というものが全然似合わない。

 今日はなにか寂しい気持ちになりました。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類