アメリカの低所得者向けローン(サブプライムローン)関連の業績悪化が、世界的な株安を引き起こし、特にアメリカ経済が混沌としている中、近いうちに中国でも同じようなことが近々起るのではないかと心配しています。
アメリカでは、2001年から2004年にかけて、それまで6%代あった金利が一気に1%代に下がりました。その結果、不動産価格は急騰し、信用度が低い人でもサブプライムローンを使って住宅を購入しました。
不動産価格が上昇しているとき、アメリカでは好景気に沸きました。しかし2005年以降、不動産の過熱を懸念した中央銀行は、15回以上金利を上昇させ、不動産価格の上昇を抑えにかかりました。その結果、担保に出されている物件が値下がりし、サブプライムローンの業績悪化を導きました。
中国でも、いま空前の不動産バブルになっています。詳しいことは中国ビジネス解説の8月号に記事がありますので、ご覧ください。
中国の金利政策も、特に今年に入って4回も利上げするなど、中央銀行が過熱気味の経済を押さえようと必死です。1年ものの融資の場合、2006年には10.98%であった金利が、不動産購入熱が吹き出してきた2002年には5.31%にまで下がりました。
この頃の新聞は、ローンを使って不動産を買うという、中国人にとっては新しい考え方を大きくPRしていたのを覚えています。借金をしてまでマンションを買うという発想が、そもそもあまりなかったのです。
そして、金持ちや貧乏にかかわらず、銀行からお金を借りて夢のマイホームという発想が定着していきました。
その後、中国では都市部を中心に空前の不動産バブルとなり、それにあわせて金利も上昇していきます。2004年には5.58%に上がりました。上海の場合、2005年には一時落ち着いていたのですが、それが株価急騰などを反映して、再び不動産が上昇に転じ、2007年に入って、もうすでに4回金利が上げられています。
その4回目の金利上昇が、今日8月22日にありました。1年もので7.02%ですが、今後もさらに上昇するものとみられています。
中国の場合問題となるのは、アメリカ以上に低い市民の信用度の問題です。中国の経済学者も、甘い信用審査制度、偽の証明書がはびこっている危険性を指摘し出しています。今のように不動産価格が上がり調子であったら問題ないのですが、いったんそれに限界が見えたら、事態はかなり深刻になることを警鐘しています。
信用がないのなら、ウソの信用を作ってしまえという発想は、中国では今だによくあることです。一部の中国人が日本へ留学するために偽の収入証明書を作るのとまさに同じ感覚です。
アメリカでは今後、サブプライムローンの焦げ付きを、証券化などの方法で解決していくでしょうが、資本主義としての歴史が浅い現代中国では、まだまだ制度が未熟です。
最近、中国の新聞の論調を見ても、金融政策に関してはかなり厳しい現実路線の論調が出始めています。このままでは、なにかおかしくなるという危機感が心理的にも出始めているのかもしれません。浦東の我が家周辺マンションでも、いまや1平米2万元以上という価格がついていますが、どう考えても異常です。
そのためか、業界内では2010年まで持たないのでは?というウワサさえも出始めています。
宴はいつかは終わるのです。。。
でも終わるからこそ、次の宴がもっと面白くなるのですよね。
2007年08月22日
アメリカの不動産危機と中国
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類
2007年08月21日
米騒動
日本から輸入されたお米。たった2キロで188元〜198元と破格の値段がついていて、「こんなもの売れるのかなあ?」と内心思っていたけど、うちのスタッフによると、北方エリアを中心にかなりの売れ行きで、北京では在庫が底をついたところも出ているということです。
そういう影響を受けてか、中国のマスコミが取り上げる日本米に関するネタが面白い。
8月20日に上海の大繁華街の一つである南京東路にある第一食品商店で国産米と日本米の食べ比べアンケートが行われ、その中に1キロ99元の日本産コシヒカリも混ぜられました。日本米の対戦相手は、上海で最高の品質を誇るとされている「瀛豊五斗」ブランドのお米。販売価格は1キロ13元。これは私のブログでも以前紹介しました。私個人としては非常においしくいただけて気に入っています。純中国ブランドのお米です。
さらに、上海のスーパーでよく売っている錦菜園の有機米、そして「あきたこまち」。こちらは日本米を中国に持ち込んだもの。いずれもキロあたり14元以上の値段がついています。
田舎マニアの私は、こういう風景をみるとしびれてしまいます(電線が邪魔)
約400人を対象にアンケートをとったところ、味でもっともおいしかったのは「瀛豊五斗」で、全体の67%の得票、続いて日本産コシヒカリが19.8%、錦菜園の有機米が7%、あきたこまちが6.2%となりました。コシヒカリ、なかなか健闘していますね。
ただ、消費者が買ってみたいと思ったお米も、1位が「瀛豊五斗」で82.8%を占めています。というわけで、地元ブランドの米が圧勝となりました。
上海食糧行業協会の専門家によれば、コシヒカリは米の外観といい、つやといい国産米に比べて突出しているとコメントしているところから、やはり日本米として一定の評価を得ているようです。おそらく、中華料理で使うのか、それとも日本料理として使うのかで意見が分かれることでしょう。
私個人的には、「瀛豊五斗」を日頃使っていることもあり、やはり上海の風土にあっているのでは、と感じています。
もちろん、日本米人気が上がってきているのも事実です。この先、どういう流れになるのか、非常に興味があります。健康・安全志向で、日本米が市民権を獲得できるか、いままさに正念場でしょう。
そういう影響を受けてか、中国のマスコミが取り上げる日本米に関するネタが面白い。
8月20日に上海の大繁華街の一つである南京東路にある第一食品商店で国産米と日本米の食べ比べアンケートが行われ、その中に1キロ99元の日本産コシヒカリも混ぜられました。日本米の対戦相手は、上海で最高の品質を誇るとされている「瀛豊五斗」ブランドのお米。販売価格は1キロ13元。これは私のブログでも以前紹介しました。私個人としては非常においしくいただけて気に入っています。純中国ブランドのお米です。
さらに、上海のスーパーでよく売っている錦菜園の有機米、そして「あきたこまち」。こちらは日本米を中国に持ち込んだもの。いずれもキロあたり14元以上の値段がついています。
約400人を対象にアンケートをとったところ、味でもっともおいしかったのは「瀛豊五斗」で、全体の67%の得票、続いて日本産コシヒカリが19.8%、錦菜園の有機米が7%、あきたこまちが6.2%となりました。コシヒカリ、なかなか健闘していますね。
ただ、消費者が買ってみたいと思ったお米も、1位が「瀛豊五斗」で82.8%を占めています。というわけで、地元ブランドの米が圧勝となりました。
上海食糧行業協会の専門家によれば、コシヒカリは米の外観といい、つやといい国産米に比べて突出しているとコメントしているところから、やはり日本米として一定の評価を得ているようです。おそらく、中華料理で使うのか、それとも日本料理として使うのかで意見が分かれることでしょう。
私個人的には、「瀛豊五斗」を日頃使っていることもあり、やはり上海の風土にあっているのでは、と感じています。
もちろん、日本米人気が上がってきているのも事実です。この先、どういう流れになるのか、非常に興味があります。健康・安全志向で、日本米が市民権を獲得できるか、いままさに正念場でしょう。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類
2007年08月20日
足を組むという行為
中国のテレビで、とくにインタビュー番組やニュース番組をみて、いつもすごく気になることがあります。
それは、キャスターも出演者も、男性も、女性も、大抵足を組んで椅子に座っているということです。
とくに、インタビューをするときに、インタビューをする方のアナウンサーが足を組んでいると、それだけで「何様?」というようなイメージを与えることがあります。見ている側からすると、時には非常に不快な気分を与えることがあります。
アナウンサーは聞き手なのだから、まず謙虚な姿勢で臨むべきだと思うのですが、中国ではアナウンサーも立派なスターであることが多いのです。
ふと、これは欧米文化からの影響なのかな?と思うことがあります。欧米のトーク番組では、足を組んで、結構リラックスした(余裕を見せるため?)感覚で話をしている場面をよく見かけます。ただ、これを同じように我々アジア人がすると、ときにひょうきんに見えることがあります。
なぜこんなことを思い出したと言うと、私が奈良高校に通っていた頃、日本史の永井先生という非常に個性の強い先生がいらっしゃって、とくに授業を受ける生徒に対しては、礼儀に厳しかったのでした。
足を組むことはもちろん、授業中に肘をついたり、腕組みをすることも注意されました。そのときに、足を組むということの功罪を聞かされ、それ以来私もインタビューをするときなどは、十分に気をつけています。
ちなみに、永井先生曰く、授業に集中しているときは、自然と手が机の上で組まれるようになるそうで、確かに、話し手がすばらしいときは、私の手は膝の上より、むしろ机の上に自然と置かれることが多かった。
ところで、日本人は謙虚であることを美徳とするところがありますが、私はこの姿勢こそ、中国人との交渉でパンチを食らわす最大の武器であると思っています。日本人が謙虚であることは卑下することはまったくありません。
むしろ、生まれ持った謙虚さを活用して、相手に間を与えて中国人に話をすると、特に間の苦手な中国人は大抵そのボロを見せてしまいます。
何もいつも中国人のペースに乗せられる必要はないのです。彼らはいつもマイペースですから。
それは、キャスターも出演者も、男性も、女性も、大抵足を組んで椅子に座っているということです。
とくに、インタビューをするときに、インタビューをする方のアナウンサーが足を組んでいると、それだけで「何様?」というようなイメージを与えることがあります。見ている側からすると、時には非常に不快な気分を与えることがあります。
アナウンサーは聞き手なのだから、まず謙虚な姿勢で臨むべきだと思うのですが、中国ではアナウンサーも立派なスターであることが多いのです。
ふと、これは欧米文化からの影響なのかな?と思うことがあります。欧米のトーク番組では、足を組んで、結構リラックスした(余裕を見せるため?)感覚で話をしている場面をよく見かけます。ただ、これを同じように我々アジア人がすると、ときにひょうきんに見えることがあります。
なぜこんなことを思い出したと言うと、私が奈良高校に通っていた頃、日本史の永井先生という非常に個性の強い先生がいらっしゃって、とくに授業を受ける生徒に対しては、礼儀に厳しかったのでした。
足を組むことはもちろん、授業中に肘をついたり、腕組みをすることも注意されました。そのときに、足を組むということの功罪を聞かされ、それ以来私もインタビューをするときなどは、十分に気をつけています。
ちなみに、永井先生曰く、授業に集中しているときは、自然と手が机の上で組まれるようになるそうで、確かに、話し手がすばらしいときは、私の手は膝の上より、むしろ机の上に自然と置かれることが多かった。
ところで、日本人は謙虚であることを美徳とするところがありますが、私はこの姿勢こそ、中国人との交渉でパンチを食らわす最大の武器であると思っています。日本人が謙虚であることは卑下することはまったくありません。
むしろ、生まれ持った謙虚さを活用して、相手に間を与えて中国人に話をすると、特に間の苦手な中国人は大抵そのボロを見せてしまいます。
何もいつも中国人のペースに乗せられる必要はないのです。彼らはいつもマイペースですから。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類