2007年08月20日

足を組むという行為

 中国のテレビで、とくにインタビュー番組やニュース番組をみて、いつもすごく気になることがあります。
 それは、キャスターも出演者も、男性も、女性も、大抵足を組んで椅子に座っているということです。

 とくに、インタビューをするときに、インタビューをする方のアナウンサーが足を組んでいると、それだけで「何様?」というようなイメージを与えることがあります。見ている側からすると、時には非常に不快な気分を与えることがあります。

 アナウンサーは聞き手なのだから、まず謙虚な姿勢で臨むべきだと思うのですが、中国ではアナウンサーも立派なスターであることが多いのです。

 ふと、これは欧米文化からの影響なのかな?と思うことがあります。欧米のトーク番組では、足を組んで、結構リラックスした(余裕を見せるため?)感覚で話をしている場面をよく見かけます。ただ、これを同じように我々アジア人がすると、ときにひょうきんに見えることがあります。

 なぜこんなことを思い出したと言うと、私が奈良高校に通っていた頃、日本史の永井先生という非常に個性の強い先生がいらっしゃって、とくに授業を受ける生徒に対しては、礼儀に厳しかったのでした。

 足を組むことはもちろん、授業中に肘をついたり、腕組みをすることも注意されました。そのときに、足を組むということの功罪を聞かされ、それ以来私もインタビューをするときなどは、十分に気をつけています。

 ちなみに、永井先生曰く、授業に集中しているときは、自然と手が机の上で組まれるようになるそうで、確かに、話し手がすばらしいときは、私の手は膝の上より、むしろ机の上に自然と置かれることが多かった。

 ところで、日本人は謙虚であることを美徳とするところがありますが、私はこの姿勢こそ、中国人との交渉でパンチを食らわす最大の武器であると思っています。日本人が謙虚であることは卑下することはまったくありません。

 むしろ、生まれ持った謙虚さを活用して、相手に間を与えて中国人に話をすると、特に間の苦手な中国人は大抵そのボロを見せてしまいます。

 何もいつも中国人のペースに乗せられる必要はないのです。彼らはいつもマイペースですから。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類