2007年08月24日

幼稚園バスで命を落とした子供たち

 小児科で仕事をすることが多く、最近特に子供に関するニュースが気にかかっています。

 日本で今年の夏にあった事件です。北九州の無認可の保育園で、2歳の子供が車の中に3時間以上放置され、命を落としました。当時、かなり大きく報道され、私も強く印象に残っていました。
 どうして最後まで全員の下車を確認できなかったのか悔やまれますが、中国では今年に入って立て続けに3件の同様の事故が発生しています。

 2007年5月29日には安徽省合肥市で、8月8日には山東省済南で、さらに最近では広東省仏山市で2歳の子供がバスの中に3時間も置き去りにされ、熱中症で亡くなりました。いずれも3人の幼い子供の命が失われました。

 日本では管理体制の甘さと、さらに無認可という現状が原因とされていますが、これは中国でもまったく同じです。

 新華社の事後報道では、この中国の3件の事故では、いずれも私立の幼稚園で発生していて、学費が高い商業ベースの幼稚園でした。
 中国の幼稚園では、施設も立派であるにも関わらず、園内の管理体制が不十分であることが明るみになっています。

 特に、中国の場合、幼稚園の設立はそうむずかしくなく、折からの幼児教育ブームでどこの幼稚園も定員で一杯になっています。幼児がどんどん集まるわけだから、金もうけにはうってつけというわけです。そうして、明らかに教育よりもビジネスが先行しだしています。

 新華社の論評でも、私立の幼稚園の設立基準を厳しくすべきだと訴えています。

 私もそうだと思います。上海浦東のうちの近所でも、ここ数年の間でどれほどの幼稚園が増殖したか。

 現実に、無認可・無資格の幼稚園が中国全国で乱立しており、問題になっています。幼稚園の先生も、中国では慢性的に不足しています。安徽省の幼稚園にいたっては、夫婦で経営していて、送り迎えもこの夫婦が行っていました。

 子供を預ける際、ちゃんとした資格を持っているか、十分に確認した方が良さそうです。
 
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類