2007年09月26日

今日も朝3時に起きて仕事

 おはようございます。

 まったく、原稿書き業となる月末の山之内は、朝起きて精を出します。
 朝仕事するというのは、とてもスリルがあります。さぼってしまうと、出勤時間までに完成しませんから、イヤ顔(><)でも集中してしまう。

 そして、昨晩は隣の夫婦が猛烈な夫婦げんか。中秋節だと言うのに。。。

 怒鳴り声が30分以上は続いたでしょうか。おかげで、隣の声に思わず耳を傾けてしまい、仕事が集中できない。ガチャーンとものが飛んでいく音を聞いたときは、ちょっと驚いた。

 その点、朝はいいです。物音一つしない。
 
 昨夜の名月は美しかった。。。

 しかし、今朝はお月さんが見あたりません。

今日はいい天気になりそう
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

2007年09月25日

中国版ボルシチ、上海料理の羅宋湯か

 上海の文化はよく海派文化といって、海外の影響を受けながら、なかなかバタ臭い文化を形成しています。
 でも、これがまた面白く、今の上海人の生活の中に息づいています。

 私が大好きな中華料理の一つに、羅宋湯があります。昨晩、妻が作ってくれました。

 羅宋湯は、その昔、私が医学部にいたころも中国人食堂で普通に提供されていました。トマトをベースにして、ジャガイモやニンジン、肉をいれて作られる羅宋湯は、私たちが持っている中華料理のスープとはちょっと違う物です。
 トマトの酸っぱさと甘さが適度に混ざって、非常にうまい。栄養のバランスもとれていて、いいものでして、私はさらにマカロニを買ってきて、イタリア風にして食べたことを思い出しました。

 この羅宋湯、今では香港、台湾などでも普通に見られますが、じつはそのルーツは上海にあるという説があります。その証拠に、上海人で上海で育った人なら、大抵作ることができるかと思います。

 羅宋湯の上海起源説は、20世紀初頭のロシア革命にまで遡ります。
 革命により、迫害をうけて亡命してきた白ロシアの人たちが、上海にまで逃れてきて、コミュニティーを作っていました。ユダヤ人とともに、その当時の上海は身の危険を守るに格好の場所で、そこで様々な海派文化が栄えました。
 そういう環境の中、赤ビーツでつくったボルシチが上海にも伝わりました。

 ただ、赤カブのような赤ビーツの食感は、上海人の口に合わなかったようで、そこでトマトを使うとうになったと聞きます。おそらく、食材としても手に入れにくかったのではないでしょうか?
 さらに、トマトの甘さ加減が、上海人にとって都合がよかったようです。それが、後に羅宋湯となります。

 羅宋は、実はRussiaから来たという説が有力です。その証拠に、ロシアパンのことを、上海では羅宋面包といっていました。
 上海にはロシア料理の店もあったというのですから、その当時は本当に国際都市であったことが想像つきます。

 今でも淮海路に紅房子という老舗の西洋料理のレストランがあります。今でこそ、西洋料理は当たり前ですが、10年〜20年前、上海で数少ない西洋料理が食べられるレストランであったのです。ここの羅宋湯もなかなか有名で、よく小説などにも出てきます。

 その後、新中国が建国され、文革があったりして、多くの上海人が香港や台湾に出ていきました。それが、華南に羅宋湯を広めていったというのです。

 

 私も羅宋湯の味に虜になったものの1人です。
 自分でつくると、様々な工夫ができて、すっかり山之内流になっていますが、上海人の間では、あの真っ赤なソーセージ「紅腸」を切り刻んで入れるのが一種の流儀になっているようです。徐家匯に「紅腸」の有名な店がありますが、いつも行列ができていますね。

 私はブラックペパーやバジルをきかせて、ちょっとスパイシーな羅宋湯にしています。パスタを入れてみても、よくあいますよ。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類

2007年09月24日

自然療法と中医学の葛藤

 最近、上海交通大学付属瑞金医院で、自然療法を行う部門ができたということが報道されていました。紹介を見てみると、「国際的に流行している自然療法」みたないキャッチコピーがつけられています。

 この中で、癌患者の41%が、自分の病気に対して恐怖感を持っていて、これを克服するために、国際的に様々な「自然療法」が行われていると言っています。

 で、どういうプログラムがあるかというと、例えば音楽を聴く音楽療法や、アロマ、ヨガをやってみるというようなことがあります。患者のために、セラピストが専門のヨガプログラムを作ってあげたりしているそうで、さらに栄養士を招いて、癌患者にふさわしい栄養指導も行うようです。

 しかしです。

 皆さんもご存じのように、中国には素晴らしい自然療法があるのです。
 そう、中国伝統医学である「中医学」です。

 このプログラムには、「中医学」の「中」の字も紹介されていませんでした。

 これは、はっきりいって非常に惜しい現象だと思います。

 癌治療の生薬利用は、中国人の間では比較的積極的に実践されているのに、どうも中国人の頭の中では、中医学と日常生活というのがきっぱりと分けられているように思うのです。

 たとえば、ヨガにしてもそうでしょう。中国人にとって、気功や太極拳といった非常に素晴らしい伝統があるのに、若者はなぜかヨガへいってしまう。
 気功といえば、あの「法○功」のようなものをイメージして、今ひとつ乗り気がしない。大学の講義で行われている太極拳も、いまやラジオ体操化している。でも、実際に気功の動作には理にかなっている物が非常に多いのです。

 食事指導にしても、中医学の薬膳があったはず。だけど、中医師の話より、栄養士の話を聞く人の方が多い。アロマとかカタカナ文字をつけるとかっこよく見えるけど、なんてことはない。中医学にはそうしたリラックスや癒しを行える施術がたくさんあるのです。

 でも、最近、そうしたものがなかなか顧みられず、とくに深刻なのは中医学の病院の現状。
 西洋化が著しく、口先では伝統医学の保護を訴えていても、臨床の第一線ではなかなか実現されていない。

 中医学の本質を突くような研究が、まだまだ少ないのが最近の中国の医療現場の現状です。大学の教授は、なかなか臨床のチャンスがないし、臨床医は日々の雑用に追いまくられて、なかなかゆっくりと古典の文献を研究する時間がない。

 いま、我々外国人が中国国内外から中医学を盛り立てないと、中医学の前途が非常に厳しいのです。 中医師の数も、就職難と賃金の低さ、西洋医との格差が足を引っ張って、年々減少しているのです。患者の中でも、生薬を煎じることができない中国人が増えてきました。

 これは、かなりショックなことです。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類