それは日本で、中国から輸入した食品に対しての風当たりが非常に強いことを実感しました。正直、本格中華料理レストランも「本場中国直輸入」とでも書いたら、お客はまずこないのではないのでしょうか?それぐらい日本人は中国から輸入した食品に強烈な不信感を持っています。
干し椎茸売り場に立って、買い物にきたおばさんたちの会話を聞いていても、ウナギ売り場での会話を聞いても、「中国製?絶対買わない」ときっぱりとした反応です。
日本のメディアは例の肉まん事件が発端とも書いていますが、私はむしろ日本人の中国人に対する潜在的な不信感が、いま爆発しているように思います。
確かに、いま日本で1週間ほど生活して、中国に関するニュースで、いいニュースはほとんどなく、むしろ書店などにいくと中国をバッシングするような本や雑誌が所狭しと並んでいます。
経済では日本と中国の関係は密になっているといっても、日本人一般の感情からすれば、むしろ関わりたくない国と思っている人が増えているようにも思います。これが、今後反中感情として、政治・経済に影響をもたらすことを危惧しています。
上海で生活をしていると、上海で関わる日本人は多かれ少なかれ中国に対して順応しようと努力されている方が多いので、それなりに理解はあるのでしょうが、日本に帰ってくると、そうやって寛大に見ている人はそういない。
ただ、中国が経済的に力をつけていて、さらに日本の隣国である以上、中国との関わりは避けて通れないわけで、日本人の島国根性的な一方的な中国排他では、この先の国際社会での日本が心配です。
日本が中国に対してご機嫌をとる必要はありません。ただ、日本は中国に対して、中国人に対してどのように毅然とした態度で向かえるか、ポリシーをはっきりさせること。
いままさに正念場だと思います。
たまに日本に帰ってくると、中国に対する日本人の世論の大きな変化に、今回は本当に驚かされました。
しかし、そういった食品を毎日食べている中国在住者は果たしてどうなる?我々も現地で自己防衛しなくてはなりません。
追記:食料品売り場で松茸が売られていました。産出地の表記をみると「チベット」でした。一昔前だったら、「中国」と書くところでしょうが、それでは消費者は買わないので、販売者側も巧妙な作戦に出ています。
しかし、高くても国産を買う、それがいまの大部分の消費者心理です。